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フランスでの福岡正信さんについて

福岡正信さんのことを知ったのは、私がフランスに滞在中のことです。

フランスの農家を転々と滞在していたことがあります。

直接、農家に連絡を取り、住み込みで働かせていただいてました。

フランスには、
様々な農家が国内外の若者を受け入れ、農業体験させてくれる制度がありました。

農家に住むのはおもしろそう、
と直感で感じました。

農家のリストには、仕事内容や環境について書かれたサイトがあります。

その中に何度も出てくる、
「MASANOBU FUKUOKA」という名前。

最初に滞在させていただいた、
農家では福岡さんのことが話題になりました。

自給自足をしている小さな農家です。

以前に福岡正信さんがフランスに来られ、指導されたらしいです。

そのため、フランス国内の複数の農家では福岡さんが有名だそうです。

現地で話をきく限り、
自然農法を実践している人はフランス国内では多い印象を受けました。

私が後に日本に帰国後にわかったのですが、

日本ではフランスほど福岡正信さんは有名ではありませんでした。

福岡正信さんの「わら一本の革命」を読んだことはあるけど、
他の自然農の方々の方が有名でした。

理由はおそらく、福岡さんは単に自然農法実践家、農家に当てはまらないからだと思います。

むしろ、哲学者、哲学や考えを証明するために自然農法を実践し、数々の本を出されたと思います。

農家や農業に興味がある人が、哲学に興味があるかは分かりません。

西洋の哲学をベースに生きてきたヨーロッパの人々が、
何らかの行き詰まりや疑問があったのかもしれません。


そんな時に、福岡正信さんが現れ、西洋哲学の問題点や課題などを説明されたのではないでしょうか?

あまりに斬新で、自然農法の生き方にこそ答えがある、

と多くのヨーロッパの農家に受け入れられたと想像します。

一方で、日本では、福岡さんが指摘されている「企業農業」が問題なのではと考えています。

要は、野菜をどうすれば効率良く作れるのか、収益を上げられるのか、ということです。

人間中心で自分本位の農業が日本で広まってしまったと福岡さんは伝えていました。

福岡さんの考えと、世間が求める
収入増の考えとは合わなかったのではないでしょうか?

福岡さんは野菜作りを伝えているだけではありません。

むしろ自然と接することの喜び、
自然への敬意を感じます。

日本の多くの農家では、
哲学や生き方を説く福岡さんの説明に理解できない、

難解か耳障りにさえ思われたのではないかと思います。

福岡さんの名前はあちこちでたくさん聞きました。

それだけフランスの農家には影響を与えたようです。

私は、福岡正信さんの本は全て買い揃えました。

当時は福岡さんの
無の三部作を読みはじめて、まるで、哲学書のように思いました。

近年に生じた問題を数十年前に予想していたこともわかりました。
自然と接する毎日を過ごしていたゆえに、
実践することでわかった、気がついたことを書かれています。

最近になってようやく無の三部作がすっと頭に入ってきましたが、
読んだだけではわからないと思いました。

多くの種を蒔き、自然で育つ様子をみる、経験することが大事です。

実際にフランスでも、
福岡さんの考え方を実践するために自然農法をしていると聞きました。

哲学なら、読んで実践です。
難しくなりそうですが、実際に自然農法をすることで、
自然に触れる喜び、
学びがある。

野菜も種まきから自然のお力でできる、ということが段々と気がついてきました。

福岡さんが伝えたかったことは、書籍で分かりやすくは書かれています。

それでもご本人は、この本は読んだら捨ててもらえばよい、とさえ話しているのを聞きました。

実践が大事だと伝えたのではないでしょうか。

自然を生かした自然農法、
実践しないときっと理解できないものだと思います。

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