書評:マインドセット 「やればできる!」の研究
久々に本について書きます。
読み応えのある本でした!!
この本の内容は、就職活動、仕事、人生、子育て様々なシーンで生きるものです。
補足として以下の本も併せて紹介します。
<成長マインドセット>
本記事で言いたいこと
・マインドセットには2種類ある <固定マインドセット> <しなやかマインドセット>
・固定マインドセット:能力は固定されていると考える。結果にこそ意味がある。努力では変われない。→努力・チャレンジが怖くなる
・しなやかマインドセット:能力は進化・変化するもの。努力や向上に意味がある。→努力・チャレンジし続ける
・同じ人でもマインドセットは状況によって変わることもある:例:勉強 スポーツ 趣味 恋愛 人間関係 仕事
・マインドセットは親や上司からどのような教育をうけ、どんな言葉を投げかけられてきたか、の影響が強い
・しなやかマインドセットになるためには意識改善・主体的体験・エクスポージャー・しなやかマインドセットのグループに所属すること が大事
本題に入っていきましょう。
そもそもマインドセットとは??
同じような経験を味わっても、人によってとらえ方や行動って違いますよね。そして行動が変われば、結果やその後の人生が変わります。
例えば、AさんとBさんがテストで悪い点数を取ったとしましょう。
同じ経験でも感じ方や行動が変わります。
Aさんは悪い点数を取って「自分はダメ人間」「負け犬」「価値無し」と思いました。
Bさんは悪い点数を取って「ここが課題か。次もっと勉強しよう」「勉強のやり方を変えてみよう」と思いました。
その後の2人の行動や結果は想像つきますよね??
Aさんはへこみっぱなしで行動を起こすこともできず、次回のテストの結果は変わらない。
Bさんは創意工夫をして時間がたつにつれて結果が良くなっていく。
同じ出来事でも人間によって、捉え方が違い、その後の行動・結果も変わってくるのです。
この自分自身や物事に対する捉え方・考え方を マインドセット と呼びます。
2人はどのようなマインドセットを持っているのでしょうか??
Aさんは
「人の能力や才能、知能、人間的資質は生まれつき決まっていて、努力などではどうにもならない」
Bさんは
「人間の基本的な資質は努力次第で伸ばすことができるだろう」
と自分自身や人間の事をとらえています。
Aさんの捉え方をこの本では
固定マインドセット(fixed mindset) もしくは、硬直マインドセット
Bさんの捉え方を
しなやかマインドセット(growth mindset)
と言っています。
では、この2つのマインドセットをさらに考えましょう。
固定マインドセット
固定マインドセットは、
「人の能力や才能、知能、人間的資質は生まれつき決まっていて、努力などではどうにもならない」と考えます。
変われないと考えているので「今持っているもの(才能、地位、立場、評価)」を必死で守ろうとします。
自分が他人からどう評価されるかをものすごく気にします。
能力は変われないと考えるので「つまづいたらそれでもう失敗、おしまい」と考えるのです。
失敗した時に立ち直れなくなるので、努力やチャレンジができなくなります。
努力を忌まわしいものととらえます。人間を学習から遠ざけます。
また「正解」ばかりを欲しがりますし、自分を肯定してくれる意見ばかりを聞き入れます。
自分をあがめてくれる人 自分は完ぺきだと感じさせてくれる人 自分を尊敬してくれる人 が大好き。
つまり「あなたはそのままでいいよ。変わらなくても素晴らしいよ~」と言ってくれる人を近くに置きたいのです。
自分を高めるのではなく、他人の悪口を言って周りを下げることで自分を保とうとします。
あまりにも度が過ぎると、愚痴ばかりになり人が離れていきます。
これが固定マインドセットです。
しなやかマインドセット
しなやかマインドセットは
「人間の基本的な資質は努力次第で伸ばすことができるだろう」と考えます。
変わることができると思っているので、
うまくいかないときにこそ、粘り強い頑張りを見せるのが しなやかマインドセットの特徴。
自分を向上させることに感心を向けます。
固定マインドセットの人は「賢さを証明できたら成功」と考えるのに対し、
しなやかマインドセットの人は「新しいことを学べたら成功」と考えます。
しなやかマインドセットの人が理想のパートナーと考えるのは、
・こちらの欠点をわかっていて、その克服に取り組む手助けをしてくれる人
・もっと優れた人間になろうとする意欲をかきててくれる人
・新しいことを学ぶように励ましてくれる人
です。
またすぐに成果が出なくても落ち込みません。
<潜在能力が開花するには時間がかかること> を知っているのです。
有名人で言うとサッカー日本代表の本田圭佑さんはしなやかマインドセットの方じゃないでしょうか。
うまくいかなくても「伸びしろですね」と発言。
ツイッターでも
「成功より成長に囚われろ!」
「知らなけりゃ学べばいい。子供の頃のように。」
「失敗が全く恐くないかっていったら嘘になるけど、無意識に守りに入ろうとする自分が何よりも恐いかな。」
と発信しています。
まさに向上と学びを目指す、しなやかマインドセットの方ですね。
私の尊敬する日本初のプロスポーツゲーマーの梅原大吾さんも同様にしなやかマインドセットをもってます。
格闘ゲームの世界大会でほぼ死にかけている状態から大逆転をした<背水の逆転劇>は有名です↓
著書の「勝負論 ウメハラの流儀」にも下記のように綴っています。
本田圭佑さんも、梅原大吾さんも、
結果 より向上、学びに重きを置いていることがわかります。
状況によってマインドセットは変わる
本書の中では、同じ人間でも状況によってマインドセットが変わると言っています。
例えば、職場ではしなやかマインドセットだが 家庭内では固定マインドセット。
職場ではうまくいくが、家庭内ではうまくいかないなんてこともあります。
よくきく話ですよね。
あとは職場では固定マインドセットだが、趣味ではしなやかマインドセットの人もいませんか??
職場では暗いけど、趣味では生き生き!!
このように仕事 趣味 スポーツ 家庭 友人 サークル 等 環境や状況によって変わるものだとも言っています。
子育てや教育がマインドセットに強い影響を与える
では、なぜ人や状況によってマインドセットは変わるのか??
もちろん本人の考え方が重要ですが、子育てや教育が大きく影響を与えます。
親、先生、コーチ、監督、先輩、上司 と生きていく中で多くの方から私たちは教育、指導を受けます。
その関りの影響が大きいのです。
例えば「褒める」という行為。
本書の中に実験で、生徒を2つのグループに分けテストを行ったものがあります。褒め方の違いでグループを分けました。
①1つのグループは「頭がいいのね!」とその子の結果や能力をほめた
②1つのグループは「よく頑張ったわね。ナイスチャレンジ!」と問題を努力したりチャレンジしたことをほめた
すると、その後の行動に差がではじめます。
①の能力をほめられたグループは固定マインドセットの行動(新しい問題をチャレンジすることを避ける)をし始めた
→ボロを出して自分の能力が疑われる可能性があるのでチャレンジしなくなった。
②の努力をほめられたグループは、しなやかマインドセットの行動をとった。→新しい問題に9割以上の生徒が、自ら次の問題に取り組んだ。
この後、両グループの成績の差が出たことは言うまでもありません。
つまり
能力をほめると生徒の知能は下がり、努力を誉めると生徒の知能が上がることになった と言えます。
さらに悪い傾向として、
固定マインドセットの生徒は、問題を間違えることが恥ずかしいので、
点数を嘘をついたりするようになります。
子供に「あなたは頭が良い」と言ってしまうと、その子は自分を賢く見せようと愚かな振る舞いに出るようになるのです。
このように、親や先生の言葉の影響ってすごいんですね~。
私の過去を思い出してみると、
親や塾の先生から「頭が良い」「頭が悪い」のように能力やテストの結果についてだけ褒められたり責められたりした気もします。
だから、私は勉強を嫌いになったのかもしれません笑 余談です。
私は子供がいて、能力や才能をほめてしまいがちです。
「頭いいね~」「お利口さん」とか。才能や能力について言ってます。
固定マインドセットの教育をしていたな、、と反省してます。
あとは、大きな成功を収めた場合や、極度に周りから褒められた場合も固定マインドセットになるようです。
本書でも CEO病 と記載があるように成功を収めた社長が固定マインドセットになり、周囲の声も聞かなくなり、向上しなくなり、会社をつぶしたり、業績を悪化させるケースもあるようです。
1回の成功でなく、成功し続けることの難しさはここにありますよね。
では、どうすればいいのか??
「私、親の育て方で固定マインドセットになっちゃったんですけどどうしたらいいですか??」
と質問もありそうなので、回答します。
親のせいにしてしまうのもそもそも他責な考えですが笑、
自分の人生の責任は自分にあるのでここから変えていくしかありません。
以下は、本書の考えというよりは私の体験談なども交えてお伝えします。
・自覚し意識を変える
→固定マインドセットの場合、自分が固定マインドセットである自覚が大事です。
よくありがちなのは「私は大丈夫」です。
詐欺にあう人の特徴が「私は大丈夫。詐欺にはあわない」と考える人です。
それと一緒です。
自分が「固定マインドセットかもな~」とみとめてあげましょう。
そのうえで、
「結果より向上や努力に重き、価値を置く」という意識づけを行いましょう。
うまくいったときも、うまくいかなかった時も
「自分自身は学べているか??向上しているか??」という問いかけをし続けることで少しづつ意識が変わっていきます。
・主体的な体験知識を積む
こちらは、冒頭に紹介した<成長マインドセット>の記述です。
本やセミナーや他人からのアドバイスで学ぶことは大事です。
しかし、本やセミナーだけでは頭でっかちの知識です。
本やセミナー他人のアドバイスを元に行動してみることが大事です。
そこから得られた気づきや学びが生きた知識になります。
そして行動も周りに言われたから、強制されてやったものでは意味がありません。自ら主体的に選択した行動だからこそ本質的な学びが生まれます。
主体的な体験があるほど、学びが向上ししなかやマインドセットになると言えます。
・エクスポージャー
もともとは行動療法の世界で不安障害やPTSDの治療に効果を上げてきたメソッドを、アンチエイジングに応用したものです。
ポイントを簡単に言うと「あなたがちょっとだけ耐えられる不快感に身をさらす方法」のこと。
このように少しの苦痛や痛みが人間の心を刺激し、若返らせる効果があると言います。
高齢者の中にもスーパーエイジャーと言われる人がいます。
若い人と同じレベルの脳と肉体を持ち続ける人。若く見えたり活力があります。
そのスーパーエイジャーは日常的に何らかの難しい活動に打ち込み、不愉快さを味わい脳を成長させているのです。
例えば、スポーツ、語学学習、登山 等。
このように様々な状況にチャレンジする = しなやかマインドセット になるのです。
エクスポージャー5つのポイントに分類されます。
※右側は例です
身体的リスク:新しいスポーツ 楽器の演奏を学ぶ 筋トレ
感情リスク:人前でのスピーチ 資格の勉強に挑戦
社交リスク:見知らぬ人に話しかける 音信不通の人と連絡を取る
経済リスク;新たな投資をする 他人のためにお金を使う
知的リスク:知らない言語を学ぶ 誰かとアイデアを交換する
このように少しの危険に自らをさらすことで自分自身を若返らせることができます。
コンフォートゾーン(安全な領域)から抜け出しチャレンジする活動ことで、しなやかマインドセットになっていきます。
※参考 不老長寿メソッド
・しなやかマインドセットの人と一緒にいる。真似する
人間は他人に影響を受けます。
様々なことを学ぼうとするしなかやマインドセットの人やグループといることで自分自身もしなやかマインドセットになっていきます。
私自身の経験で言うと、国家資格の勉強をしたときに同じクラスには向上心のある方ばかりでした。
その方々と過ごすうちに自分自身もやる気がでてきて、授業以外でも情報交換したり、自習のために集まり、お互いに向上しあえた経験があります。
このようにしなかやマインドセットの人やグループに参加することをお勧めします。
ただし、しなかやマインドセットの人もしなかやマインドセットの人が好きなので、自分が固定マインドセット場合は距離を取られてしまうかもしれません。。
気をつけましょう^^
まとめ
・マインドセットには2種類ある <固定マインドセット> <しなやかマインドセット>
・固定マインドセット:能力は固定されていると考える。結果にこそ意味がある。努力では変われない。→努力・チャレンジが怖くなる
・しなやかマインドセット:能力は進化・変化するもの。努力や向上に意味がある。→努力・チャレンジし続ける
・同じ人でもマインドセットは状況によって変わることもある:例:勉強 スポーツ 趣味 恋愛 人間関係 仕事
・マインドセットは親や上司からどのような言葉を投げかけられてきたか、の影響が強い
・しなやかマインドセットになるためには意識改善・主体的体験・エクスポージャー・しなやかマインドセットのグループに所属 が大事
以上です。
これからも人生の中で、固定マインドセット⇔しなやかマインドセットを行ったり来たりするのだと思います。
その都度、自覚して自分自身を高めていくしかありません。
ただ自分自身では気づけないことも多いので、助言や厳しい意見を言ってくれる人を近くに置いておく必要性を感じました。
ぜひ、しなやかマインドセットを身に着け、前向きで良い人生を歩んでいきましょう。
今回は以上です。
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