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運動したい大人と、自身への期待についての考察

大人になるにつれて、「よく分からんけど、まぁ人並みにはできるんじゃない?」ということが増えた。

「昔できなかったことも、大人になったしできるだろう」という謎の感覚が出てくるのだ。

自分にとって、その最たる例は運動だ。

元々運動神経の良い方ではないが、特段苦手なのが器械体操ぽいやつだ。
「柔軟性」とか「躍動」という言葉と無縁の人間なので、非常に困るし苦手だ。ダンスとかも絶対にできない。

でも、自由に身体を動かせるのはとても憧れる。

学生時代バンクーバーに短期留学をした際、学校にはラテン系の人が多かった。
すると、学校主体のパーティーになんか行くと、途中からお酒を持ったダンス大会が行われるのである。クラブをもう少し綺麗にした感じ。

メキシコやブラジル、スペインあたりの学友たちは、自然に身体を揺らし髪をなびかせ、円になり踊り合うのだ。
まさに「身体を自由に解放している」という感じで、ものすごく憧れた。

ただ憧れているだけではいけないのである。
彼らは目が合うと、身体を揺らしながらこちらへ迫り、円の中心へと連れていくのだ。

目の前には、Sexyなブラジリアン女性が笑顔でこちらへ手を差し伸べている。この状況、断るわけにはいかない。

お酒をぐいっと飲み、円の中心へ導かれた僕は勿論ノープラン。
ただ、酔いと共に身体を解放するのみ。

解放した結果でてきたのは、
稚拙なリンボーダンスのような謎の動きであった。

それはもうひどかった。
そもそもリンボーダンスは棒の下をくぐる筈のモノであるが、何もない虚空を、小柄なアジア人が急にくぐり出すのだ。

しかしなんかウケた。
というか、みんな何でも良かったのである。酔ってるし。

そんなこんなで、その後もダンスタイムは奇怪なリンボーダンスと、小島よしおが「ウィー」としている時にやるような、身体を揺らして両肩を突き出す動きだけで乗り切ったのである。


さて、ときは流れ社会人。
イスに座りぱなしでバキバキになった身体をどうにすべく、運動を始めることにした。

ヨガでもやろうかと思ったが、ふとバンクーバーの思い出が蘇り、もう少し踊れるものにしたいと思った。
でも、ダンスはなんか怖い。噛まれそう。

その結果、カポエイラを体験することに。

皆さんカポエイラは知っているだろうか。
ブラジルの武術なのだが、ダンスと蹴りを混ぜたような動きが特徴的であり、回りながら蹴ったり、側転したり、ステップを踏んだり、軽やかな動きが特徴的だ。(この説明があっているかはよく分かっていないので、気になる人はYouTubeでも見て欲しい)

そんな高難易度なモノを、側転なんぞチャレンジしたこともない自分が、なぜかできる気がしていた。
よく分からんけど、まあ気合でなんとかなるだろうと。
カポエイラは噛まないし。

実際どのような奇怪な動きをしてきたのかは、皆さまのご想像に任せるが、あの教室へもう一度顔を出す勇気はない。

そもそも、定期的に身体を動かしていた学生時代でもできなかったことを、なぜ皮下脂肪が標準値を超えた大人ができると思ったのだろうか。謎である。

でも、身体を解放できるようになりたいな~~~~~~~。

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