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近すぎて気づけない幸せとは物理的に距離を取ってみよ。(夫に超キュンとした話)

夫と出会って10年、子どもが生まれて5年弱。
よく言われすぎてることだけど、特に子どもが生まれてからは日常をこなすのが精一杯。
産後は夫に嫌悪を抱いたり、睡眠不足の日にはハグどころか握手すら無理だと思ったこともある。本当にあるんだ、と思ったし、もうこれは一生気持ちが離れたままかも、とも思ったけど戻ってきたよ。ただいま。
そんな時期も経て、私が仕事を変えたり外に目を向けて自分の人生も楽しむようになってから、夫との関係も良好になっていった。
ほんわりほっこりあったかくて安心感、あぁこの人でよかったなあ、という気持ちをよく感じている。
ぼかあ幸せだなあ、ということですね。

でも残念ながら、ドキドキ!ラブラブ!キュンキューン💕というタイミングはあまり訪れない。
そりゃそうだ。
朝起きたら夫が田中圭や星野源になるわけじゃないし。
急に私が何者かに囚われて、炎のなかガラスを蹴破って夫が助けにくるわけじゃないし。
冷静に考えて、そんなことは起こらないほうがいい。
失って気づくくらいのぬるーい幸せ足湯につかったまま、いろんなことにチャレンジできれば最高だろうが。

先日、香村薫さんのvoicyを聴きながら仕事で外出した帰り道のこと。

朝聴いたこの放送に背中を押されて、普段ならしないどうでもいいLINEを夫にした。
すぐに返事が返ってきた。
忙しい彼にしては珍しい、ちょうど休憩時間か移動時間なんだな。
私も電車に乗りながら返信を打つ。
何ターンかして電車の発車を待っているとき。
「これから新宿出るからそのまま娘たちのお迎えに行くね!」の10秒後、
「え!!俺も!!!」
って返事がきた。
「え!いま急行乗ってる。発車待ち。」
「え!!俺も乗ってる!きゅうこう!」
急に心拍があがり顔が勝手にニヤけてしまう。
間もなくの発車を知らせるアナウンスに顔を上げ、自分の位置を確認する。
「私3号車」
「7号しゃ」
「じゃあ5号車で」
スマホを片手に5号車に進む。
歩き出して間もなく電車が発進し、少しバランスも悪い。が、進む。
ラッシュ時より少し早く電車は空いていたが、走行中に車両を移動する必要があるような時間帯ではないので他の乗客は少しだけびっくりして私に道を開けつつ一瞥をくれている。
違うの、急いでいるわけでは無くて。私は大好きな夫と会うために5号車まで行く必要があって。あ、すみませんねここ通ります。
歩きながら考える。
どうしてこんなに今会いたいんだろう。
電車の乗車時間なんて15分そこそこだ。
どうしてこんなにふわふわした気持ちで5号車に急いでいるんだろう。
家に帰れば嫌でも同じ時間を共有するのに?
どうして私の顔は勝手に緩んでしまうんだろう。
なんだか付き合いたての頃の待ち合わせみたい。
改札を出てくる人のなかに彼を見つけて、急に恥ずかしくなって彼が気づく前にわざとスマホに目線を落としたりしたような。
ちょうどそんな気持ち。
5号車に着いたとき、向こうのドアを夫が開けているのが目に入った。
もうニヤニヤどころではない。
娘たちのように「わーーーー!!!」って叫びながら両手を広げて駆け付けたい衝動。
なんだこれ。
嬉しくて、恥ずかしくて、とっても幸せな気持ち。
歩いてくる夫のことを直視できず、先に着いてたんで時間を潰してますよというふうにスマホに目をやる私。
隣に立った夫が「すごくない?!」と少し興奮気味に話してくる。
ああ、きっとこの人も同じように感じてくれたんだなあとまた嬉しくなる。
こんなにあっという間な電車の帰り道も久しぶりだった。
一足先に家に帰る夫と、自転車で娘たちを迎えにいく私。
ここでいったんバイバイだね、というときの寂しさ。
ええ、まだ一緒にいたいのに。と、1時間後にはまた会える夫に思うなんて。思わず笑ってしまった。

何と言う話をしたわけではない。
家でだったらお互い生返事しかしないような会話を、やたらニコニコとはしゃぎながら話した。
ただ、幸せだなあと感じた。


誰だったか著名人が
「夫とのたまのデートは敢えて一緒に家を出ずにわざわざ外で待ち合わせをするんです♡」
と話していたのを急に思い出す。
これのことなのでは。
雑踏のなか、一瞬で夫を見つけだす。
夫だけが特別キラキラ輝いてるわけでもないのに一瞬でスコープオン。
思わず心が跳ねて口角が上がってしまった自分に気づいて、夫への想いを再確認した。
こういう機会、年に1度の記念日だけじゃ少ないのかもね。

毎回偶然に同じ電車に乗り合わせるのはなかなか難しいけど、何気なくLINEをしてみたらこんなハッピーな体験ができたのよ。

30mくらい先から大切な人が歩いてくるってシチュエーション、思ってるよりずっとキュンするよ。
おススメ。

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