《匿名インタビューエッセイ》vol.03:シュークリーム
やりたいことも、なりたいものも、好きなことも、ない。
後悔のない人生を送る、それだけで十分じゃないか。
「嫌だ」という思いが原動力になった彼女の人生。
けれどそこに「逃げ」を感じず、どんな状況でも前を向くことの大切さを教えてくれた。
物心がついたときからずうっと、「ヤマダさまのご息女」だった。
使用人こそいなかったが、家には常に母を慕って通う行儀見習いのお姉さん方がおり、あの時代にピアノを買ってくれ、小学校には仕立てたワンピースやブーツを履いていった。そんな生活が当たり前だ