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うしろめたさは鞄に詰め込んで。

心配性なので、鞄には荷物がびっちり。

必要な時に取り出せるように、
あれもこれも、と持って
出かけてしまいます。

最近、ふとこんなことを思いました。

いろんな心配やうしろめたさも
「あたまの中」から「鞄」に
詰め込んでもいいんじゃないかな。

捨ててしまうのは不安だけど、
鞄の中なら必要な時には取り出せる。

そして本当に「もう要らない」って
思ったら「卒業」していいんじゃ
ないかなと。

学校に行かなくなった時。
社会に出るのが怖かった時。
お仕事を辞めてしまった時。

みんなと同じになれない自分を
責める気持ちがいつも心の中に
ありました。

平日にお出かけして、すいすい
買い物をしている解放感。

家族が気分転換に連れ出してくれた
ドライブ中の深い山の緑。

どしゃぶりの雨の中、
部屋で朝から漫画を読んでいる
ベッドのシーツのせっけんの匂い。

夕方、すれ違う人たちに逆らって
歩く自分のまだ「始まったばかり」の
一日の気持ち。

お誕生日おめでとうという言葉に、
昨日までの1年の成長を探してしまう。

いつもどこかで、うしろめたさが
顔をのぞかせていました。

(楽しんでいていいの?)

と、たくさんの人が過ごす世界の
景色が頭をよぎり、しあわせな気持ちに
ブレーキをかけていました。

でも、それって本当にもったいない。

理想の自分や、あるべき姿を
真ん中にして世界を見渡すと、
いまの自分を置いてけぼりに
ずっとずっと蜃気楼を追いかけて
歩くようなものだなあと。

これまでの道のりのそこかしこに
花は咲いていたし、嬉しい出会いが
待っていてくれたけれど、
じっくりひとつひとつを味わって
噛みしめる時間をとれたかな。

どこにいても、何をしていても、
目の前の出来事を全力で楽しんで
良かったんだなあと、
最近になってしみじみ感じたのです。

当り前のことなのに、我ながら
気づくのがすご~く、ゆっくりです。

遠い記憶になってきた、あの頃の
道を歩く自分には教えてあげたい。

(それ、もっとしっかり味わって)
(しあわせにひたっていいんだよ)

長い間一緒に過ごして来た
「うしろめたさ」を捨てるのはきっと
まだ不安でしょう?

だから、今は鞄の中に詰め込んじゃおう。

必要な時には取り出せるし、
もしもずっと出番が無かったら、
その時に卒業することにして、

空いたスペースでもっとうんと、
「楽しい!」「嬉しい!」を
味わい尽くせるようにしてみよう。

あなたがどこにいても、
何をしていても、何者であっても、
何者でなくても、

しあわせだなあって感じることに
うしろめたさを感じるのは
そろそろ卒業していいみたい。

荷物が多い人生の先輩は、
今まさに鞄の中身を再点検中。

もっと軽やかになってもいいかも。
でも、ちょっと不安だな。
そんな風にまだまだ修行中です。

だからこそ、この当たり前の小さな
発見をあなたに伝えたくなりました。

これからもっと、発見があるといいな。
その時にはまた、お届けします。


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