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三渓園散歩(1)

本牧にある三渓園にいきました。
三渓園は生糸貿易で財を成した、実業家 原三渓によって、1906(明治39)年に公開されました。
園内には、京都や鎌倉から移築された歴史的に価値の高い建築物が巧みに配置されています。まるで京都のお寺を散歩している様でした。
            10月14日(水)

鶴翔閣(かくしょうかく) 横浜市指定有形文化財
建築年 明治35(1960)年

原三渓が自らの住まいとして建て、三渓園の造成はここから始められました。
横山大観など日本画家たちが集い、滞在して絵を制作して、日本文化を育んだ文化サロンでありました。
哲学者の和辻哲郎の著作「古寺巡礼」の序文には京都奈良への旅をここから出発したことが記されています。

御門(ごもん) 横浜市指定有形文化財
建築 江戸時代 宝永5(1708)
移築年 大正時代

京都の西方寺(苔寺)から移築された江戸時代の門です。原三渓が所有していた時代、内苑はプライベートで使われた庭園でした。その入り口として御門は置かれました。
彫が凝っていて、大変立派な御門でした。

白雲邸  横浜市指定有形文化財
建築年大正9 (1920)年
原三渓自身のプランにより、同郷の岐阜県の大工 山田源市に造らせた隠居所。
茶室の様式などを取り入れた数寄屋造りの様式ですが、椅子やテーブルの生活を意識した洋間の談話室や電話室シャワーのある浴室など近代的な要素も見られます。

旧天瑞寺寿塔覆堂 (きゅうてんずいじじゅとうおおいどう) 重要文化財
建築年 桃山時代天正19 (1591)年
移築年  明治38 (1905)年

豊臣秀吉により、造られた建物で内部には秀吉の母大政所の生前墓で寿塔が置かれていました。
この建物があった天瑞寺は京都大徳寺の中にありましたが、明治の初めに廃寺となり現在はありません。

月華殿

月華殿 重要文化財
建築年 江戸時代 慶長8 (1603)年
移築年 大正7 (1918)年
徳川家康により作られた京都伏見城にあったとされる建物。内部には海北友松筆と伝えられる障壁画や菊文様の透し彫の欄間が見られます。

天授院
建築年 江戸時代 慶安4(1651)年
移築年 大正5(1916)年
鎌倉建長寺近くの心平寺跡にあった禅宗の地蔵堂の建物。
原家の位牌を置く、持仏堂として使われました。

階段を降りて行く道が素敵でした。

聴秋閣(ちょうしゅうかく) 重要文化財
築年数  江戸時代 元和9 (1623)年
移築年 大正11 (1922)年
徳川家光が将軍になるにあたり京都に赴いた際に二条城の中に建てられ、後に乳母の春日局に与えられたと言われる建物です。
原三渓は秋に紅葉を楽しむ場所としました。
木製のタイルを敷き詰められた一段低い正面のの入り口は船遊びの際に水辺から、直接上がり込むための空間と考えられています。

旧燈明寺三重の塔
聴秋閣の2階からは三重の塔がもっと良く見えるそうです。

春草盧(しゅんそうろ) 重要文化財
建築年 江戸時代(小間) 広間部分は三渓園移築後に増設。
移築年 大正11年(1922)年
織田信長の弟織田有楽の作とされる江戸時代初め頃の茶室で小間の部分は月華殿とともに京都から移築されました。

海岸門(かいがんもん)
建築年 江戸時代
移築年 大正時代
御門と同じ京都西芳寺(苔寺)にあったものです。
この門までが、内苑で、原三渓が私邸として使用していたエリアです。

隣春閣(りんしゅんかく)が保存修理工事中で、外観もみれず、内部の公開もしていなかったので、残念でした。
次は花の季節に行って、隣春閣も見たいと思いました。
          つづく
      

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