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「キャンセル・カルチャーって、よくないよね」という指摘自体キャンセル・カルチャーの片棒を担いでしまう問題

 オリンピックの報道でキャンセル・カルチャーって呼ばれるものが目立っていた。

個人や組織、思想などのある一側面や一要素だけを取り上げて問題視し、その存在すべてを否定するかのように非難すること。文化的なボイコットの一つ。

 こういう動きに対し、「キャンセル・カルチャーってよくないよね」ってつい言いたくなるんだけど、そうすること自体もまた、キャンセル・カルチャーの一端を担ってしまうという自己矛盾に陥ってしまう。

 これは「あなたそれハラスメントですよ」と指摘すること自体がハラスメントとなる「ハラスメント・ハラスメント」が一周回って成立したのと似ている。

モラハラおじさんの振る舞いがあなたにとってのハラスメントであるのと同じように、あなたが「あなたはモラハラおじさんだ!」と指摘するコト自体、モラハラおじさんからすればハラスメントとして成り立ってしまうということだ。このような「ハラスメントをハラスメントと呼ぶハラスメント」、略して「ハラハラ」とでもいうようなこともまた同時に起こりうるわけだ。
 ここのところハラスメントは多様化する一途をたどってきたわけだけど、この「ハラスメントをハラスメントと呼ぶハラスメント」すなわち「ハラハラ」に至って、ハラスメントをめぐる多様化の流れは一周回った感がある。

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