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ボランティア活動を「自発的活動」と説明するのは、誰にとってどのように便利なのか?

 ボランティアというのは、よく知られるように「志願兵」を語源とする言葉で、転じて辞書的には「自発的に社会活動に参加すること」を意味するようになった。例えば住民参加のまちづくり活動なんかは、多くのボランティア活動に依存して成り立っている。

 一方で、この「自発的活動」という正確は、しばしば無報酬労働に読み変えられてしまってきた。ボランティアという概念が安価な労働力を調達するためのロジックとして使われてしまうわけだ。

 かと思えば、「有償ボランティア」という言葉もある。お金をもらってボランティアをするっていうことは、それはいわゆる労働と何が違うのかっていう話になる。さらにいえば、学校や職場に命じられて強制的にボランティア活動に参加せねばならない場面っていうのもあるらしい。ボランティアが自発的活動であるならば、これはおかしいんじゃないかという話になる。このあたりの実際に起きている現象が、ボランティア=自発的活動論ではうまく説明できないわけだ。

 どうもあんまり便利と思われないというか、現実にボランティアという言葉が使われる場面をうまく説明できないと感じる事が多い。そこで私がよく使う説明を提案したい。それはボランティアを「非契約」と説明するものだ。

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