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住民参加のまちづくりにおける「主体性」ってなんだろうね、という話


「主体性が大事」とよく聞くけども

住民参加のまちづくりにおいては市民の主体性が大事だということは一般論とし てよく聞く話である。ところがこの「主体性」とはなにか、というと、実は案外あいまいな用語だったりする。

その点を指摘している論文が竹内裕二「地域貢献型まちづくりにおける参加主体に関する一考察 市民主体のまちづくりアンケートを基にして」だ。

竹内さんは「“まちづくり”は、その地域に関わる人々が中心になって地域資源の維持管理を目的として活動しているところが多い。我々は、そのような人々の集合体を「主体」という代名詞で表現している。しかし、「主体」という言葉自体が、一般的過ぎて曖昧な状況(頭の中で理解できても、具体的説明が出来ない)である」「で「地域が主体となって」や「地方自治体が主体となって」などという表記が散見されるが、読者側となる実践者にとって、この「主体」が言葉上の理解が出来ても、実践の場において、どのようなもの(状況)なのかを具体的にイメージできない」(P34)と指摘する。主体性が実態がよくわからない言葉として使われているというわけだ。

この問いについてまず辞書的な意味からアプローチしている。辞書的には自覚や意思を持つことが主体的であることの説明になる。その理解を示した上で「ところが、実社会で住民が「主体」となって“まちづくり”活動に参加しているかについては、感覚的に疑問を感じる」(P35)と疑問を呈する。

まちづくりという活動において重要なのは「主体性」というよりは「協力行動」じゃないか

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