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たにやんの「まちづくりの経済学」2〜お金は軽いが役に立つ、の巻

  前回、経済の成り立ちを、偏在するがゆえに人の必要に対して過不足を生じてしまう富を、人の手で移動して均す営みであるということを示しました。そのためのプレイスタイルは大きく二つあり、とにかくなんでもプレゼントしてしまう贈与スタイルと、等価なものを渡し合う交換スタイルがあることを見てきました。

 今回は、この交換について考えていきます。

  交換というと一番最初に思い浮かぶのは、物と物を交換する、いわゆる物々交換です。例えばママさんグループなどが子ども用品の物々交換会をやっていたりしますが、あれですね。しかし、物々交換が成り立つって、けっこう奇跡みたいなところがないですか?

  もし、AさんとBさん、二人の人がいるとして、二人の間で物々交換を成り立たせようとすると、次のような条件を満たす必要があります。まず、Aさんが欲しいモノXを、Bさんは持っています。で、Bさんは、手元のXをYと交換ならあげてもいいと思っています。さらに、Bさんが欲しいものYを、Aさんは持っています。で、AさんはYをXと交換ならあげてもいいと思っています。うーん、なかなかに難しいですよね。この難しさ、経済学では「欲望の二重一致の困難」といいます。

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