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ほわほわの文章
わたしの好きな人は、とてもいい文章を書く。かっこつけた文章ではなく、飾らなくて、素直で、彼がそのまま話す声が聞こえてくるような文章だ。
この前、彼にもnoteを書いてみない?と勧めてみた。
彼は、私のnoteに、彼の文章を載せたらいいんじゃないかな、と提案してくれた。だから、今日は、私のお気に入りの、彼の文章を載せてみたい。
彼の文章は、ふたりの交換ノートに書かれている。
交換ノートは、彼の発案だ。
「交換ノートをしたい」と言われたときは、女子中学生か!と心の中で思ったけれど、面白そうだからやってみることにした。
交換ノートは、もうかれこれ2年くらい続いている。
彼と離れて暮らしているので、会うときに渡す。
今では、交換ノートを受け取るのがすごく楽しみになっている。
本を読んだ日の日記。私が貸した、星新一『ブランコのむこうで』を読み終えた感想。
もう何冊か本を読んできて、あと数ページで本当に完結するの?っていうのを体験したけど、この本もそんな感じだった。おもしろいストーリーっていうのは、最後はスピーディーで、はかなく、あっけなくみたいなものが多いのかな。
バレンタインの日記。
昨日、バレンタインのチョコと耳当てと紅茶が届いたよ。ありがとう。さっそく、1箱食べたって言ったら、ももはびっくりしてた。食べてほしくて送ったのに。びっくりされたよ。おいしいよ。ありがと!
ある日の日記。
今日は書くネタがあるよ!今日17時くらいにチームのボスから全体メールがきて、お茶会しますと。そして大阪みやげのりくろおじさんいただいたよ。とてもふわふわしていておいしかった。
上司についての分析。
上司はみんなおもしろい。Kさんはまじめで、とても頭が良い人。無駄なことをこよなく嫌う。今日気づいたけど、電話に出るときも「もし」は一回しか言わない。繰り返す無駄を省いている様子。
上橋菜穂子の『獣の奏者』を読んだときの感想。
イアルがかっこいいこと言ってた。「生まれて、死ぬまでのあいだにこの十年があってよかった。」ぼくも使おう。
明日から在宅ワークという日。
ただいまー!来週から在宅勤務でハイテンションです。今日は早く帰ってきて、ワインを飲みました。僕は在宅勤務楽しみだけど、他の社員の人はやはり大人で落ち着いていて、そわそわ感がなかったよ。むしろ、実験が進められないことを懸念して、心配そうだった。大学だったら、みんな僕みたいに喜ぶのに。大人になると考えなきゃならないことが膨らんで暗くなってしまうのかな。はやく社会が明るく戻りますように。
最後に紹介するのは、遠距離恋愛がはじまる日に彼が書いた詩。
かぜ
一緒に力強く吹くときも、
二人で気のまま吹くときも、
同じ幸せを想う。
何かの引用だと思って、検索したけれど、出てこないので、彼に聞いてみると、彼が作った詩だった。
どの文章も、私には書けないなというものばかり。
面白さとかわいらしさ、素直さがにじみ出てしまう文章。
私はどこで文章を書くにしても、ついかっこつけてしまったり、頭でっかちになってしまうことが多い。
だから、彼の文章のまっすぐさにときどきびっくりする。
こんなにほわほわでいいんだ、
こんなに無邪気なまま大人になれるんだ、と。
彼といると、すごく世界がきらきらして見える。
私は、彼のようにはなれないけれど、ときどき彼のように世界を見ることを忘れないようにしたい。