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甘々な日々

私と夫・ぺこりんの日常のお話たちです。

びっくりするほどくだらないです。

と、先に言っておきます。

うさぎのぬいぐるみ

わが家には、ぬいぐるみのうさぎたちがいる。

このいちばん左の白いうさぎ
この茶色いうさぎ

このうさぎたちを、ぺこりんは、「うさぎども」と呼んでいた。

なんだか偉そうな呼び方である。
イマドキ風に言えば、ぺこりんはうさぎたちに対して、マウントを取っていたのかもしれない。

でも、あるとき、ぺこりんはうさぎたちの呼び方を変えることになる。

昨年の年末、近所のケーキ屋さんでクリスマスケーキの予約を受け付けはじめたときのこと。

二人で暮らすようになって初めてのクリスマスということで、せっかくだからホールケーキを頼もうと話していたのだが、やっぱり二人では食べきれないかもしれないし、カットケーキでいいかな、と私が渋りはじめた。

すると、ぺこりんは「なんだよ、期待させておいて」とシュンとしていた。

かと思いきや、「でも、みんなもケーキ食べたいって言ってるよ」とぺこりんは言い出す。

わが家には、私とぺこりんしかいない。

「みんなって誰?誰か呼ぶ予定だっけ?」と私が混乱していると、

ぺこりんは隣の部屋からぬいぐるみのうさぎたちを連れだして、テーブルに並べはじめた。

「みんなも食べたいって!」とぺこりんは私を説得してくる。

私は、負けた。
ぺこりんの懸命さと、かわいらしさに。

この日うさぎたちの力を借りて以来、ぺこりんはうさぎたちを「うさちゃんども」と呼ぶようになった。


ビジネス・カジュアルは難しい

ぺこりんの会社は、服装に関してあまり厳しくなく、ビジネス・カジュアルであればよいとされているらしい。

ぺこりんが、あるときビジネス・カジュアルのズボンを買ってきた。

グレーの少し厚めの生地のズボンで、冬のあいだ職場に着ていくのに良さそうだ。

ぺこりんは、服を買ってくると、すぐにファッション・ショーをするので、私は着替えて出てきたぺこりんを褒めてあげようとしたのだが。

灰色だからだろうか、ちょっとダボっとしているせいだろうか。
ぺこりんが着ると、ちょっとパジャマっぽい。

という心の声はさておき、「似合ってるよ」と褒めた。

しかし、心の声が抑えきれず、
「でも、ちょっとパジャマっぽいかも」と言うと、
ぺこりんも、たしかに、ちょっとパジャマっぽいねと認めていた。

私たちはそのズボンを「ビジネス・パジャマ」と呼んでいる。

ぺこりんがそのズボンを履いて会社に行くとき、「あれ?ぺこりん、パジャマのままだよ」と言いそうになってしまうことがよくある。


いもむし

夕食時にキャベツのサラダを食べていたときのこと。

「このキャベツは、甘いね、おいしいね。」
とぺこりんが言うので、そうだね、と私は頷く。

「いもむしだったらさ、甘くておいしいものが、目の前にこんなにたくさんあってしあわせだね」とぺこりんはつづける。

「すぐにおなかいっぱいになって、葉っぱのうえでお昼寝したくなっちゃうよね、うんうん。」と、すっかりいもむしになりきっているぺこりんだった。


怒ってみた

私の父が短気なので、男の人は短気な人が多いのかと思い込んでいたが、ぺこりんは滅多に怒らない。

父だったら怒るだろうな、ということをやってしまったとき、私は反射的に怒られるぞと身構える癖ができてしまっているのだが、ぺこりんは私がなにをやってもほとんど怒らない。

「ぺこりんはめったに怒らないよね」
と私がぺこりんの心の広さに感心していると、

「ぽんぽんすかぷん!」と急にぺこりんが言う。

私がきょとんとしていると、ぺこりんは得意げに「怒ってみた!」と言う。

何に対して怒ったの?と尋ねたら、「わかんないよ」とぺこりんは肩をすくめる。

怒るって、なんだっけ。

ちょっとだけ、ぺこりんを怒らせてみたい気もする。


ぺこりんのデスク

ぺこりんと一緒に勉強していたある休日。

ぺこりんが「ちょっと、デスク移るね」と爽やかに言って、テーブルの上の書類をまとめ、隣の部屋へ行こうとする。

隣の部屋は、寝室だ。
デスクなどない。

「デスクなんてないし。お昼寝するんでしょ」と私が言うと、

「ここが、ぺこりんの新しいデスクです」と、ぺこりんはおふとんの上に、書類やらパソコンやらを並べる。

おふとんにいながら、「新しいデスクは快適だな~」「勉強がはかどるな~」と言っていたぺこりんだが、案の定、5分後には寝息を立てはじめた。


全部まつげのせい

ぺこりんは、よく眠る。

毎朝、だいたい私より遅くまで寝ているし、休みの日も放っておいたら一日中寝ているんじゃなかろうか、と心配になるほど寝ている。

仕事で疲れているんだろうなと思い、できるだけ起こさないようにしているものの、それでもやっぱり寝すぎでは?と思うこともある。

「ねぇ、ぺこりん、寝すぎじゃない?」と尋ねると、

ぺこりんは、こんな言い訳をする。
「ぺこりんのまつげって、長いでしょう?
 だから、まぶたが、まつげの重さでみょーんって閉じちゃうの。
 抵抗しようとしても無駄なんだよ。」と。

そんなわけ、あるかーーい。

ちなみに、私のフォルダは、かわいいぺこりんの寝顔写真でいっぱいである。まつげ長いから、寝顔がかわいいんだよね。

かぼちゃ

ぺこりんは、大のかぼちゃ好きだ。

私が、このまえ、あんこを炊いたとき、かぼちゃとあんこを和えた「いとこ煮」をつくったところ、ぺこりんは一口食べるごとに、「ん~♡」と悶えていた。

こんな顔

ぺこりんは、あんこも大好きなのだ。

私が、かぼちゃの皮を残していると、ぺこりんは、「かぼちゃの黄身も緑身もどっちも食べなよ」と言ってくる。

「黄身」の時点で違和感があったが、「緑身」はちょっとないわ、と思った。


ぺこりんが読んでいた論文の中に、実験が「成功裏せいこうりに終わる」という表現があったらしい。

「成功裏ってなに?成功の裏だから、失敗?」と聞いてくるので、
「いや、成功したってことだよ。」と少し呆れながら私は答える。

だが、そう答えたものの、裏ってどういう意味だろう?と思い、辞書を引いてみる。

「成功裏」の裏は、「その状態で」という意味らしい。また、裏には「内側」という意味もあるという。日本語でも、「~の中」といえば、状態・状況を示すから、内側=状況というのはなんとなくイメージできる。

そうぺこりんに説明すると、
「じゃあ、ももは、ぺこりんのこと好き裏だね」とぺこりんが言ってくる。

いや、そんな言葉は聞いたことないし、裏は名詞につくんじゃないかなという反論よりも、いやそこは「ぺこりんは」を主語にしてよ、という反論が先に浮かんだ。


シミ

最近、「お肌の曲がり角」という言葉が、単なる脅しではないことを痛感している。

鏡を見るたびに、シミが増えているような気がするのだ。

このまえ同級生の友人たちと集まったときも、シミの話で盛り上がった。

家に帰ってから、シミの話で盛り上がったことをぺこりんにも話した。
シミで悩んでるのが私だけじゃなくて、ちょっと安心した、と。

シミの話で盛り上がるなんておばさんじゃん!とか言われるかなと勝手に予想していたのだが、ぺこりんはそんなことは言わなかった。

「しろねこちゃんもかわいいけど、ぶちねこちゃんだって、かわいいでしょう。だから、シミができたって、かわいいままだよ。」
とぺこりんは言う。

ぺこりんに言われると、あんなに嫌だったシミですら少しだけ愛おしく思えてくるから不思議だ。



明日は、ヴァレンタイン・デーですね。

ということで(?)、甘々なお話の詰め合わせでした。


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