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晴れの日も雨の日も

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そのとき感じたことを感じたままに綴るエッセイ集。晴れの日のように澄みきった気分のときも、雨の日のように翳りに覆われるときも、その気持ちを、透明な言葉で伝えたい。
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#1ヶ月書くチャレンジ

ハレの日の美術館

よく晴れた5月のある日、私たちは美術館で結婚式を挙げた。 結婚式といっても、参加者は私と…

如月桃子
1年前
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しあわせのつくりかた

こうしたら、絶対にしあわせになれる、という方法はおそらく存在しない。 「善く生きる」方法…

如月桃子
1年前
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ふつうがいちばん…

小学生の頃、長期休暇の前にはかならず成績表が配られた。 家に帰ると、私はまずそれを母に見…

如月桃子
1年前
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この世界の脇役にすぎないとしても

小学生の頃、クラスのみんなそれぞれに目があって耳があって、同じものを別の角度から見たり聞…

如月桃子
1年前
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子どもがほしいと、まだはっきりと言えないけれど。

私には、子を育てた経験も、子を産む予定も、今のところない。 子育てをしている人の話を聞く…

如月桃子
1年前
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胸いっぱいのティータイム

とある休日、私は夫と銀座のマリアージュ・フレールでお茶をした。 こう書くと、なんだかブル…

如月桃子
1年前
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夏の夜、お台場。

その日会ったばかりの男女数名とともに、潮風に吹かれていた。 お酒も入っていたかもしれない。 みんな少し酔っていたような気もする。 少なからず高揚していた。 何をしていたわけでもなく、ただみんなで東京湾の夜景を眺めていただけ。 だけど、その夜を、きっと忘れないだろうと思った。 目の前に広がるのは東京湾の夜景だったが、みんな遠く海の向こうに思いを馳せていることは、言わずともわかった。 そこに集まっていたのは、数か月以内に海外へと飛び立つことが決まっていた学生たちだったから。

時間を共にするということ

イヤホンをつけながら、電車に揺られたり、街を歩いたりしていると、ありふれた景色が映画の中…

如月桃子
1年前
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もう海に沈めなくてもいいように

「コンクリートに括りつけて、海に沈めてしまいましょう」 同僚が言い放ったその物騒な言葉を…

如月桃子
1年前
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