いつだって、待っていてくれる人
6月の終わりに、3ヶ月ぶりに実家に帰った。
実家まで帰る道すがら、なんだかそわそわとして落ち着かなかった。
幾度となく目にした車窓からの眺めも、どこかよそよそしい。
たった3ヶ月ぶり。
それでも、その時間が久しく感じられるのは、それまでの人生のほとんどを実家で過ごしたからだ。
実家の最寄りの駅に降り立つと、爽やかな風が吹いていた。
風は、草木の香りがした。
私は空気のおいしい町で育ったのだな、ということをいまさらながら知る。
私が家に着いたときには、誰もいなかった。