nonlab

ASD(自閉症)の作家「のんさん」のアート支援を行いながら、のんさんの生み出すアートの…

nonlab

ASD(自閉症)の作家「のんさん」のアート支援を行いながら、のんさんの生み出すアートの魅力を世界に広げるために独自で展覧会を開催、作家の作品をデザインした商品の制作、販売などを行っています。

マガジン

  • Jass Bar Swing 編集後記

    ラジオ番組 Jass Bar Swing 収録後の思いや、こぼれ話なども綴っていきます。

  • ラヂオの湯~常連客しずさんの子育て日記

  • スタッフのんまま の のほほんエッセイ

    藤田望人さんのお母さん、そして、nonlabのスタッフマネージャーの静恵さんが自身の子供の時のお話を書いてます。

  • 大スキをおもいだせ

    • 0本

    nonlabスタッフが、大好きなことを徒然と紡いでいくエッセイ風マガジン

最近の記事

編集後記VOL.4~不登校について

あたりまえのことが、あたりまえにできない。障がいをもって生まれてきた息子を育てながら、そのことが辛いなぁとぶっちゃけ思っていた。正直なところ、今でもそう思うこともある。息子は、20歳になるが、日常生活に介助が必要なため、通所施設に行ってるとき以外は、離れることはできない。20歳になれば、社会に出て働いていたり、大学で学んでいたりする年齢だろうが、20歳になったからといって、突然息子が「お母さん、今までありがとう。もう20歳だから、何でも自分でできるようになったよ。」などと、言

    • 編集後記~療育の大切さ

      今回のJazz Bar Swing vol,3にも話が出てくる「OT」。「作業療法士」のことで、シンガーくみこが番組内で「うにょうにょセラピスト」とごまかしていたが、正確には、「Occupational Therapist」のことである。作業療法とは、作業療法士が行うもので、医療、保健、福祉、教育、職業、などの領域で行われる、「作業」に焦点を合てた治療、指導、援助のことであり、対象となる人々にとっては、目的や価値を持つ生活行為を指す。ここで言う作業とは、着替えやトイレなど、生

      • 編集後記 ~今を生きる

        「生き急いでると思われるかもしれなけど・・」 今回、Jass Bar Swing番外編 昼の部に来ていただいた岡原さん。娘さんが18トリソミー症候群を患っている。18トリソミー症候群とは、ダウン症の次に多いとされる、先天性の染色体疾患で、人間にある23の染色体のうち、18番目が3本あり、心疾患をはじめ様々な合併症状を併発させるため、1年生存率は、10%程度とされている。出生児3500~8500人に一人の頻度で見られる。胎児期から、成長障害、身体的特徴、先天性心疾患、肺高血圧

        • 編集後記 「障害」ってなに?

          editor's notes ~ 収録後に思ったこと 第一回のJazz BAR swingの収録が終わった。 Jazz BAR swingは、ラジオの冒頭で必ずお伝えするのだが、障がい者や、その家族の悩みを語り合い、社会や心をジャズのノリで、おしゃれにスイング、揺らしていこうという思いがある。 悩みがズバリと解決することは、なかなか難しいし、社会に訴えて、ガラリと変わるわけでもない。けれど、声に出し、風にのせたら、誰かの心を小さく揺らし、社会の何かが変わるきっかけになる

        編集後記VOL.4~不登校について

        マガジン

        • Jass Bar Swing 編集後記
          4本
        • ラヂオの湯~常連客しずさんの子育て日記
          1本
        • スタッフのんまま の のほほんエッセイ
          10本
        • 大スキをおもいだせ
          0本

        記事

          偏食大魔王

          うちののんさんは、自閉症です。そして、重度の知的障がいでもあります。 のんさんは、偏食が結構あります。それでも、20 歳となった今ではずいぶん、いろいろな食べ物を口にすることができるようになりました。 「偏食」と聞くと、どんなイメージなのでしょう。 ただの好き嫌い? わがまま? 食べず嫌い? それとも、親が怠慢で、食事をいろいろ工夫しなかったから? 発達障害を抱えてる子を持つお母さんで、子どもの「偏食」に悩んでる人、きっとたくさんいるんじゃないかな?と思います。 さきほ

          偏食大魔王

          サインポールSTORY

          私の実家は床屋さんだ。実家の店先には、クルクル、くるくる、サインポールが回っている。子どもの頃、自分の家が床屋さんなのが、あまり好きではなかった。馴染みのお客さんは、「しーちゃん(私)が、床屋ば継ぐとやろ?」そう言われることも少なくはなかったが、全く継ぐ気はなかったし、父も床屋を継いでほしいなどと言ったこともなければ、そのような態度も見せたことはなかった。というのも、私が小学校に上がるころには、理容業界に低料金で散髪する当時「1000円カット」を掲げた床屋が台頭しはじめ、追い

          サインポールSTORY

          ステンドグラスとクレヨンがおしえてくれたこと

          たいてい、職場にちょっと苦手な人が一人や二人いるもので、かくゆう私もその一人だったりする。ここのところ、ちょっと悩むできごとが重なり、愚痴や不満ばかりが頭に浮かび、口から次々とあふれ出ていた。心に悩みがあるときほど、人は「占い」に走りやすいのか、5~6冊ほど占いの本を衝動買いし、さらに、携帯を開けば、占いばかりを検索し、どうしたら、この状況を打破できるのか、改善できるのかと模索する日々が続いていた。 そんなある日、とある有名占い師のインスタをチェックしていたら、「自分の周囲

          ステンドグラスとクレヨンがおしえてくれたこと

          わたしがむすこの絵を展示をする理由

          アートってわからない。 私は、美大なんて出てないし、芸術の知識なんて なにも持ち合わせていない。 息子は、絵を描く。 毎日、飽きもせずに絵を描いている。 私から見たら、異常なくらい描いている。 「絵を描くのが好きなんだね」って にこにこしながら言えるレベルではなくて、 心の底のどんよりした部分から、何かが噴き出てくるような勢いで、 ときには、憑りつかれてるのかと思うくらい 一心不乱に描いている。 画材はクレヨンか、ボールペン。 クレヨンが1日で1本消失してしまう。 ボ

          わたしがむすこの絵を展示をする理由

          やっぱり「大スキ」ってすごい!!

          やっぱり「大スキ」ってすごい。そのパワーとエネルギーはとんでもないことを引き起こす。 先日、のんさんの作品が 「HERALBONY ArtHandkerchief AWARD2021」を受賞した。 受賞作品 「サインポール」  「ArtHandkerchief AWARD」では、2021年に発表するアートハンカチになるアート作品を募集され、日本国内にとどまらず、海外からも含めて536作品の応募があったそうで、その中から、3作品が受賞し、のんさんの作品がその一つに選ばれ

          やっぱり「大スキ」ってすごい!!

          おばけちゃんファンクラブ その後

          おばけちゃんファンクラブのメンバーは、一番ピーク時で クラスの半数の子どもたちが所属を希望していた。 あまりにも人数が多いと収拾がつかなくなるので、本当にオカルト好きかどうかテストをしようという話になった。私は、思いつく限りのオカルトネタを箇条書きして、テストを作った記憶がある。 例えば、「ポルターガイスト現象とはなにか?」とか「エクトプラズムとは何か?」とかそういった問題だ。テストで8割正解だと合格にしよう、そうやって入部テストのようなことをやっていた。 さすがに、8割

          おばけちゃんファンクラブ その後

          おばけちゃんファンクラブと幽霊屋敷

          「幽霊屋敷を見に行かないか?」 いったい誰が言い出したか覚えていない。 学校の校区内に、高さ10m、横幅20mの屏風状の岩に、巨大な穴が自然にくり抜かれて眼鏡状になった奇岩岩があった。鬼が作ったと伝説の奇岩だ。その奇岩の奥に朽ち果てようとしてる家があり、そこで一家殺害事件があったため空き家になっていると、事実無根なうわさ話があった。 誰が言い出したか、もはや覚えていないが、 おばけちゃんファンクラブとしては、その空き家の調査をしようということになった。調査とはちょっと大げ

          おばけちゃんファンクラブと幽霊屋敷

          おばけちゃんファンクラブ ~発足編

          世間が第一次オカルトブームだった頃、 私は小学3年生だった。 小学3年生と言えば、 「ギャングエイジ」と呼ばれる時期で 児童発達に表れる特徴のひとつとされ、 児童が教師や保護者よりも友達を大切に し始める時期だといわれている。 いわゆる「徒党」を組んで つまりは「グループ」を作って 教師から集団の形で自立し、 仲間だけで遊んだり、行動したりする 「群れ遊び」の時期だ。 (ちなみに、現代ではこのギャングエイジは喪失しているらしい。) 学校では、クラスの中で 気の合う仲間

          おばけちゃんファンクラブ ~発足編

          おばけちゃんファンクラブ 序章編

          私が小学生の頃、オカルトブームというのが巻き起こった。 1973年にノストラダムスの大予言がヒットしてから、 第一次ブームというやつが到来したらしい。 巷では、心霊写真集がたくさん発売され、 お昼のワイドショー番組では、 毎週木曜に「あなたの知らない世界」というコーナーがあり、 一般視聴者らが体験した恐怖、心霊体験を再現ドラマ化して 新倉イワオ(放送作家・心霊研究家)さんが解説をしたりしていた。 海外映画でも「エクソシスト」「オーメン」「13日の金曜日」が 大ヒットした

          おばけちゃんファンクラブ 序章編

          おかあさんは半沢直樹?

          うちの母はたぶん、少し「変なのかも」と思う。 父はよく、母のことを「天邪鬼」という。 「お母さんは、イエスがノーで、ノーがイエス。でもたまにノーがノーのときのあるけん、ややこしかとさ。」私が実家に帰省すると、晩酌の酒に酔った父はよくそんな話をする。 そんな母に関する謎すぎるエピソードが多々存在する。 子どものころ、 母の作るカレーがものすごく辛かった。 母は辛いものが好きなのだ。 我が家は、印度カレーと、ジャワカレーをブレンドで使っており、 当時の私には、すごく辛か

          おかあさんは半沢直樹?

          赤い女の子とゾウ(後編)

          イチゴ事件からというもの、何かにつけ、食べ物にまつわる小競り合いが姉妹の間で後を絶たなかった。 我が家は、毎週土曜の夜は、カレーかシチューの日と決まっていた。 土曜はお店(我が家は床屋)が忙しいことが多かったので、 母が子どもでも温めてすぐ食べられるようにそうしていたんだと思う。 大抵、姉がカレーやシチューを温めてくれて、皿によそってくれていた。 そこまでは、よかった。4つ上の姉らしい振る舞いだ。 いつものように、姉がカレーをよそってくれて、 さあ、頂きますと食べようと

          赤い女の子とゾウ(後編)

          赤い女の子とゾウ(前編)

          ある日、我が家に、赤い服を着た女の子と、青いゾウの絵柄のガラスのコップがやってきた。幼い姉妹のその後の運命を決定づけるかのように・・。 私には、4つ上の姉がいる。姉は、人見知りで大人しい性格であり、美人で賢かった。さらに、大人の顔色と空気を読むのに長けていたので、 大人たちから見たら、少々大人びていてクールな印象があったかもしれない。 一方、妹の私は、お世辞にも可愛いとは言えず、まるまると太っていた。 ただ、幸いにも、元気と愛嬌と話術は持ち合わせていた。 そんな姉妹のも

          赤い女の子とゾウ(前編)