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おばけちゃんファンクラブ 序章編

私が小学生の頃、オカルトブームというのが巻き起こった。

1973年にノストラダムスの大予言がヒットしてから、
第一次ブームというやつが到来したらしい。

巷では、心霊写真集がたくさん発売され、
お昼のワイドショー番組では、
毎週木曜に「あなたの知らない世界」というコーナーがあり、
一般視聴者らが体験した恐怖、心霊体験を再現ドラマ化して
新倉イワオ(放送作家・心霊研究家)さんが解説をしたりしていた。

海外映画でも「エクソシスト」「オーメン」「13日の金曜日」が
大ヒットした。

大人だけでなく、子どもの世界でも
このオカルトブームは影響していた。

誰かが、心霊写真集を学校に持ってきては、
キャーキャー言いながら、頭を寄せ合ってみんなで見ていたし、
白目をむいて「エクソシスト」ごっこをしてみたり、
13日の金曜日には、何かが起こると囁きあったりしたものだ。

風呂場でこっそり、身体のどこかに
「666」が刻まれてないか確認したり、
1999年には世界が終わると恐怖に感じた小学生は
少なくなかったはずだ。

夏休みには、「あなたの知らない世界」がスペシャル放送され、
普段は昼間の放送なのに、ご丁寧に
夜にも放送してくれて、昼間に観るよりも
それはそれは、何倍も恐ろしかった。

あなたの知らない世界の恐ろしさは、
「一般視聴者の体験」を再現ドラマ化しているというところにあり、
さらに、立派な大人たちが神妙な顔で
「生きていたころの恨みがですね・・」などと解説までするところにある。

ホラー映画はどこか現実味をおびていないので、
ちっとも怖くなかったが、
この「あなたの知らない世界」を夜観るのは
本当に怖かった。昼間の放送は、「ちっとも怖くない」と
強がる余裕すらあったが、夜の放送はその余裕すらなくなっていた。

4歳上の姉も、ブームに乗ってオカルト好きだったのか、
その証拠に、彼女の本棚には
「日本のこわい話」「世界のこわい話」の本が置いてあり
怖い話だけを集めた、「にっぽん昔ばなし」のLP版のレコードもあった。

その姉と夏休みの夜
ひとりではけっして観れない
「あなたの知らない世界」を観ていた。

そして、学校では
少々得意げになって
オカルト談義をしていたものだ。

このオカルトブームが
幽霊でもUFOでもなく
その後、何十年も付き合うことになる
「大事な人たち」を引き寄せたのだが
そのお話は後半へつづく・・・・。

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