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【鳴子温泉】陸羽東線で行く、共同浴場「滝の湯」一本勝負


みなさん、こんにちは。
書きたい温泉のストックは多々あるのですが、全然書き進められておらず、何なら突然の番外編になってしまい、温泉について更新できていなかったことをここにお詫び申し上げます。よもやよもやです。

夏の間に更新もせず何をしてたかというとですね、はい、温泉に入っていたのです!!

そう。ネタのストックを溜めていたということです。うん。そうに違いない。(怠惰)

しかし、このまま溜めおいていると、記憶と興奮が薄れ、素晴らしい宿たちが私の腐れ脳ミソのデッドストックになってしまいそうなので、そろそろ文章にしていきたいと思います。


ローカル線、陸東で目指す鳴子温泉

私が新幹線で新庄駅に降り立ったのは10時50分頃のことだった。そして、陸羽東線の次の出発は12時58分とのこと。今行ってしまったばかりなのか、と思ったが、その前の電車は10時ぴったり。仰天の3時間間隔だ。

だが仕方ない。陸羽東線、通称陸東、それは地元民ですら"ローカル線"と認知するレベルの路線、3分ごとに電車がくるような世界の人間からはもう想像もつかないような、どローカル線なのだ。

車両は実に全2両。都内の15両編成なんかに慣れていると度肝を抜かれる短さ。

前からお尻が見えちゃってます
手動でボタンを押さないとドアが開かないので都会から来た人はよく混乱している


連結部がガッチャンガッチャンと心配になる程の音を立て、のんびりと発車。鳴子温泉まではおよそ1時間ほど。トンネルに入る度にピーピー汽笛が鳴っている。今日び汽笛を聞くことができるなんとも良い路線だ。

ゆけどもゆけども田園風景
たまに川が見えるくらい

1時間こんな調子で大自然を満喫したら、結構あっという間に到着した。何もない割にはさほど退屈しなかった印象だ。外の風景がずっと見えているからだろうか。

なかなか良い色のコントラスト
鳴子温泉駅舎
なんかこけしロードみたいになっている

今回の私の目的、共同浴場「滝の湯」は駅から徒歩5分ほどのところに位置している。今回は新庄駅で荷物を軽めにしてきたが、まあまあ大きめの荷物があっても余裕で歩けるくらいの距離だ。

田舎にありながら、駅から徒歩で行ける共同浴場は本当にありがたい。

いざ共同浴場「滝の湯」へ

宮城県大崎市にある鳴子温泉の開湯は9世紀初めと伝えられ、滝の湯は、鳴子温泉神社の御神湯、つまりは鳴子温泉の起源といわれる共同湯。秋保温泉(宮城県仙台市)、飯坂温泉(福島県福島市)とともに「奥州三名湯」に数えられる鳴子温泉のシンボルともなっています。

ニッポン旅マガジンより引用
https://tabi-mag.jp/mg0032/amp/


鳴子温泉のシンボル、それがここ「滝の湯」だ。

それは、カランなし・脱衣所狭し・湯船一本勝負のシンプルな共同浴場。しかし、それでもあえて「滝の湯」に行きたい!と、「滝の湯」でなくてはダメなのだと、そう思わせてくれる魅力のある温泉なのだ。

なんとも風情ある佇まい

坂道を歩いて行くと、総檜造りの立派な建物がお出迎え。チケットを券売機で購入し、それを番台にいる係の方に渡す。

入湯料は驚異の200円。ここだけ物価が狂ってるんじゃないかと心配になる


そして、のれんをくぐって引き戸を開けると、すぐに浴室が見える。脱衣所中が、むわっとした熱気に包まれ、その中にほんのりと檜と硫黄の匂いが混じり、鼻が幸せになる。

浴室では、地元のマダム達が湯樋から流れてくる源泉を汲んで、器用に髪や体を洗ったりしている。わたしの思う共同浴場のいいところは、ある種、旅行者向けではないところだ。共同浴場は、あくまで地元の人達のためのお風呂であり、それを私達旅人はちょっとばかりお借りしているという構図。これがいい。

浴室はこんな造りになっている。最近色々温泉を巡っていて思うのは、浴室はやはり木、それも檜造りが最高だということだ。(異論は受け付ける)香りもさることながら、このビジュアルの味たるや。使い込まれた浴室の木の茶色は、この世で一番好きな茶色だ。

滝の湯公式HPより
同上

泉質は含硫黄・ナトリウム・アルミニウム・カルシウム・鉄-硫酸塩泉。結構しっかりめの酸性泉で、お湯に入った瞬間、肌がキュッとするのが分かる。

日によって温度はまちまちだが、大きめの浴槽は熱め、奥の小さい浴槽はぬるめになっており、この奥の浴槽がずっと浸かっていられる、何ともちょうどいい温度。最高だ。しかも、この上の湯樋からジャブジャブと新鮮な源泉が注がれているので、打たせ湯にしてもよし、顔を洗ってもよしの究極源泉体験ができる。高さもあるので温度もちょうどいい。

しかし、あまりに気持ちいいからとずっと入っていると、浴後のぽかぽか効果が凄まじく、汗が止まらなくなるのでご注意を!(特に夏は…経験者は語る。)

随分長いこと入っていると、打たせ湯を満喫している常連さん、50代くらいのマダムに、どこから来たのと声をかけられた。そこから色々とお話をしたが、マダムが「私はもうずっとこの鳴子のあたりに住んでるの。実はアパートに共同のお風呂みたいな感じで温泉がついてるんだけど…やっぱりここ(滝の湯)のお風呂にはどうしても来ちゃうんだよねえ。ここは他のお風呂とは別格よ。」とこっそり教えてくれた。

こうして色んな常連さんが一旅人の私に気さくに声をかけてくれるのも、共同浴場の魅力の一つだ。旅人を招き入れてくれる共同浴場の懐の深さにいつも感服。

地元の方もお墨付きの共同浴場「滝の湯」機会があれば皆さんもぜひ。


共同浴場「滝の湯」詳細は下記HP参照↓



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