【温泉】【山梨県】古湯坊源泉館というところ
夏だ!プールだ!冷泉だ!!
というわけで、みなさん、こんにちは。
最近は信じられないほど暑いですね。
もし、このとんでもない気温が気候変動のせいなら、私たちが後期高齢者になる頃には地球は全部砂漠になっちゃうんじゃないでしょうか。
う〜ん。恐ろしい。
こんな時には、涼やかなことを考えたいですよね。アイスクリームとか、かき氷とか、海とか、プールとか…冷泉とか!!!
というわけで、記念すべき1記事目の舞台は、古湯坊源泉館さんに決定いたしました。
古湯坊源泉館は山梨県南巨摩郡身延町、下部温泉郷の中ほどに位置しています。
下部温泉駅からは車で5分ほど。歩くと15分、20分位かかるでしょうか。公共交通機関利用の際は、駅から宿まで送迎もしてくれます。
ですが、この下部温泉駅を通る身延線は本数が少ないため、もし電車を利用する際には下調べは必須です。
下部温泉あれこれ
日本の名湯100選にも選ばれている、下部温泉。その歴史は古く、かの有名な武田信玄公も合戦で受けた刀傷をこの温泉で癒したのだとか。そのため、下部温泉は「武田信玄公の隠し湯」と呼ばれています。「隠し湯」とは、土地の領主が独占的に利用した温泉のこと。他人に入らせない、それだけ素晴らしいお湯だということでしょう。
ちなみに、下部温泉には源泉が2つあります。先述の「隠し湯」と呼ばれるぬるめの源泉と、もう一つ、平成18年に掘削された、51℃のあつめの源泉、「奥の湯高温源泉」です。
公共浴場では、奥の湯高原温泉の方に入れるそう。ちなみに、源泉館さんでは、別館大岩風呂で「隠し湯」に、本館浴場では「奥の湯高温源泉」の方に入ることができます。一挙両得。
そして忘れてはいけないのが、ここ、古湯坊源泉館は、そんな下部温泉の中でも最も古い温泉なのだそう。1300年もの歴史を持つ『武田信玄公かくし湯大岩風呂』、それはもう必見です。
入湯の儀!
車はお宿の方で、駐車場に持って行ってくださるとのことで、早速チェックイン。諸々の手続きは、お部屋でしてくださいました。
私は今回本館に宿泊しましたが、名物大岩風呂は別館にあります。そのため、足の悪い方や大岩風呂からできるだけ近くが良い、という方は別館の方が良いかと。
ちなみに、大岩風呂は混浴です。が、ここのお宿はタオル着用が必須なので、お互いに気持ちよく入浴できます。混浴はちょっと…と思っている方も少しだけ、チャレンジしやすいかもしれません。(混浴NGの方も17時〜18時は女性専用時間も設けてくれていますよ!)体に巻く用の、薄めの大判タオルはお宿で貸し出してくれます。
さ、タオルを巻いて、いざ入湯!
カランは5つ、オープンなものが4つとカーテンで区切られた女性用が1つ。タオルを巻いて入る分だけ、シャワーでばばん!と男性の前で全裸になるのはちょっと抵抗があるのでありがたい。
カランの隣には38℃くらいの別源泉の浴槽も体を温める用に準備されています。こちらも源泉館さんで引いている温泉です。そこから半階分くらい階段で降りると、大岩風呂に到着します。
チェックインからすぐだったので、空いているかしら、と思って入ったのですが、結構満員御礼でした。
それにしてもすごいのは、やはり浴場の雰囲気。色々な温泉に入ってきましたが、この雰囲気は何とも独特。リラックスの場を超えて、一種の禊の場のよう。みなさん滝行中の行者と見紛うくらいの集中力。じっと、ただひたすらお湯と向き合っていらっしゃる。たまに常連さん同士お話ししている方がいると、ちょっと安心するくらい。
掲示されている看板(?)には、混浴だから和気あいあいと楽しめる♨️と書いてあったから、日にもよるのかもしれません。
そして雰囲気はもちろん、お湯も、すごい。このだだっ広い源泉風呂の方はおおよそ30度前後なので最初はひゃ〜っとなるくらい温度なのですが、そーっと肩まで浸かっていくと…気持ちいい。
特に、暑いこの季節は全身の熱がすうっとお湯に吸われて、爽快感に包まれます。温かい温泉と違って、負担がない感じというか。ふわ〜っと軽くなるような感覚と、ずっと入っていられる気持ちよさ。
これは…とんでもなくすごい温泉を見つけてしまった…と思いました。ぬる湯は副交感神経を優位にしてくれるので、リラックス効果も抜群。
そして、忘れてはいけないのがこれ。ここの温泉は「足元湧出」なのです。マニアにとっては、垂涎物の、「足元湧出」。読んで字の如く、足元から温泉が直に湧き出ているんです。足元からぷくぷく…と浮かび上がってくる小さな気泡を見て、テンションの上がらない人はいないはず。
もともとこの浴槽は、お湯の湧出によって少しずつ岩が削られてできたのだそう。そのため、板を張らないと2mくらいの深さになるのだとか。ものすごい時間の経過とともに作られた自然の浴槽です。
泉質は、「アルカリ性単純泉」。温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg未満で、湧出時の泉温が25℃以上のものです。このうちpH8.5以上のものを「アルカリ性単純温泉」と呼んでいます。肌触りが柔らかく、癖がなく肌への刺激が少ないのが特徴で、アルカリ性単純温泉は、入浴すると肌が「すべすべ」する感触があるのが特徴です。(日本温泉協会 温泉の泉質のいろいろより引用)
アルカリ性の温泉は、皮膚の角質や皮脂をゆっくりと溶かしてくれるので「美人の湯」「美肌の湯」とも言われます。こちらの源泉は温度が低く、長湯できるので、より一層その効果が高まりそう。お土産では、源泉を利用した石鹸や化粧水、美容液も販売していました。
初めての方は、冷→温の入浴を繰り返してくださいね、と最初に入り方の説明を受けていたのですが、冷泉が気持ち良すぎて時間を忘れて入ってしまいました。心なしか、お肌がつるぷるになっているような気が!
腹が減っては湯浴みはできぬ
湯治で訪れる人の多いお宿はご飯を提供していないことも多いです。自分で好きなものを食べられる、かつリーズナブルな湯治も良いけれど、やっぱり旅館ならではの食事は外せない!という方も多いはず。
そして、これだけとんでもない(いい意味で)温泉を持っているお宿なのだから、ご飯はあまり期待しないで待っておこう、と思っていたのですが、この期待はいい意味で裏切られることになります。
声を大にして言わせてください。「ご飯が…めっちゃくちゃにおいしい!!!」
素朴だけど染み入る料理たち。水が美味しいこの地域だからこその湯葉やお豆腐の美味しさ。(水が美味しいので日本酒も美味しい!!!)一つ一つの料理が丁寧に作られているんだなあ…というのが、すごくよくわかります。
外はさくっ…と軽い口当たりなのに、中はむちっとした食感の湯葉の天ぷらは絶品でした。ヤマメの塩焼きも身がしっかりしていて美味しい。生前はさぞ元気に泳いでいたことでしょう。
そして何より、白米が美味しい。旅館でおひつを開けた時のあのふわあっと鼻腔いっぱいに香る、お米のいい匂い。ふわふわで、きらきらで、つやつやのお米にしゃもじを入れる瞬間。これ以上の贅沢はありません。最高です。
山梨ってそんなにお米が有名だったかしら?と思っていますと、スタッフさんが美味しさの秘訣は「ガス釜で炊いていること」だと教えてくれました。お米ももちろん山梨県産のものを使っているけれど、やはりガスで炊いていることが一番の秘訣だとのこと。一食の価値ありです。
(別館だとまたお食事の内容が異なるようなので、確認してみてくださいね。)
さて、これでもかとお腹を満たした後は小休憩を挟んで、またお風呂へ。たくさんお風呂に入ったせいかこの日はゆっくり休めました。
最後に
結局、本館の温泉にもしっかり1回入り、大岩風呂にも通算5回入浴。大岩風呂にはそれだけの魅力が詰まっておりました。う〜ん、これは1泊ではもったいない。連泊して、入浴し続けたい…というお宿でした。
宿の方によると、お客さんのなんと8割がリピーターさん、かつ、ほぼ50代以上の方々だとか。なんと90代の方もいらっしゃるとのことでした。こちらの温泉は武田信玄公の時代から湯治に利用されていたこともあり、今も湯治目的で滞在なさる方も多いらしく。
温泉の効能への信頼と健康を願う気持ち、それは一種の信仰に近いものなのだろうと思います。事実、浴槽のちょっと上がったところには神棚が置いてあり、2礼2拍手1礼、お参りしてから入浴されてる方もいらっしゃいました。私も、他の常連さんに倣って、入った後には感謝の気持ちを込めて、お参りしてきました。
こちらの温泉、冷泉であると同時に霊泉でもある、そんな、なんとも不思議なパワーを感じる温泉でありました。
機会があれば、是非足を運んでみてくださいね。
心身ともに癒してもらえること間違いなしです!
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
スキ♡してくださると嬉しいです!
古湯坊源泉館 基本情報
住所:山梨県南巨摩郡身延町下部45
TEL:0556-36-0101
料金:本館1名利用
14,300円(税込)〜18,700円(税込)
2名以上の利用(1人あたりの料金)
13,200円(税込)〜19,800円(税込)
別館1名利用
10,450円(税込)〜12,650円(税込)
2名以上の利用(1人あたりの料金)
10,450円(税込)〜12,100円(税込)
詳しくは公式サイトをご参照ください↓
ネット・電話ともに予約可能です◎
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