ひとり芝居テキスト「魔女の証言 失った色」
2013/11月上演「魔女たちのエチュード」
【第2幕第七場 魔女の証言 失った色】より
私は西の国に住んでいた。
青い空と、白い雲と、緑に輝く木々。
この世界はどこまでも続いていると思った。
でも、あの光が放たれた時から、世界は変わった。
私が気付いた時、世界は色を失っていた。
青と白と緑の世界はどこにもなかった。
黒と灰色と赤の世界だった。
真っ黒な炭と化した建物や人、
昼間なのに太陽の光が届かない灰が舞い、
その中で肉と血の固まりが蠢き、
炎がその赤色を一層が際立たせ