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誰が悪いとかではない

私がシロの実家に来てから、運が良く素敵なカウンセラーの先生との出会いがあり、そこからシロのアルコール依存症を通して色んな事を学んだ。

私が日本にいた頃、アルコール依存症の事なんてあまり考えたこともなかったし、シロの依存症が発覚したころも、それが病気だということも認識するのが難しかった。でも、依存症について学んできてしっかりと理解できたことが一つある。

それは、依存症になるのには理由があり、普通の気分解消などというものだけでは乗り切れない程の傷をおった人が多いということだ。だから、ただ「お酒(ドラッグ、買い物...etc)を辞めろ」と言って辞めさせるだけでいいものではないということ。何かに依存していないと生きていけない程の心の傷を負ったからだったりもする。

「傷をおった人が多い」と言ったのは、私自身すべての人の話を聞いたわけではなく、それ以外の原因もあるかもしれないからである。

ただ、依存症患者の本人は大きな心の傷を負っている事が多く、まずはそこを解決したり、癒すためのサポートが必要なのだけれど、依存症は「否認の病」と言われたりしているように、本人が認めたがらない場合が多いため、中々その原因自体を聞き出す事が難しいのである。

シロの時も、アルコール依存症かもしれないと気付きだした頃は絶対に何も教えてくれなかったし、本人は「大丈夫」の一点張りで、私もどこから手を付けていいのかわからない状態だった。毎日ボトル2本以上のジンや他のお酒を飲み続けながら、ご飯も食べられず、飲んでは吐くというような状態が続いた時も、最初の頃は本人も病院に行ってもくれず、でも、何かできる状態でもなかったから、私が吐いたものを処理したり、掃除したりしながら、日々欲求不満が溜まっていくばかりだった。そんな中でも面白かったのは、他の事は何もできないけど、お酒を買いに行って飲むことだけはできるということ。笑

でも、カウンセラーの先生との出会いから、依存症は病気だから正しく治療していくことが大切ということを日々年頭に置き、なんとか断酒までこぎつけることができた。

私は今、依存症の本人、もしくはその家族や友人など、依存症と言う病気と闘っている人に伝えたい。

「依存症は病気だから、一人で背負ったり闘わないでください。一人で背負わず、助けを求めてください。プロに助けてもらうことが大事だけど、まずは、病院に直接いかなくても、カウンセリングから始めて、それぞれが納得いく道を見つける事からだっていいんです。出口が見えないように見えるかもしれないけど、きっとあなた方にも出口が見えてくるはずです。諦めないで。それから、あなたは一人じゃない。一人で頑張らないでください。」

ちなみに、シロと私はカウンセリングの先生の力をかりて、少しずつ前に進んでいます。

現在シロが断酒をしてから1年が経ちました。

私は、毎日シロが隣で笑っていることに感謝をしながら日々を過ごしています。

将来に不安がないと言ったら噓になりますが、今、目の前にある幸せを大切にしながら日々を過ごしています。


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