"ノーサイン=脳サイン": 多賀少年野球クラブが描く教育の未来
たまたまつけたテレビで、全国を3度も制覇した滋賀県の多賀少年野球クラブのことを紹介していた。
大活躍の裏には、一風変わった独自の戦略があるという。
ノーサイン=脳サイン
監督からの「サイン」がないのだ。 監督からのサインがない代わりに、選手自身の「脳」がサインとなるという独自の戦略。選手たちは、自分たちで考え、サインを出し合って試合を進めていく。
一人一人が試合の状況を読み、何が最善かを自ら判断し、行動に移す。それが多賀少年野球クラブの戦略だ。
辻監督は、サインで動く選手は「作業員」と同じだと考えているという。
少年野球の指導者として、「作業員」を育てることを拒否するからこそ、「ノーサイン」という戦略を採用しているのだ。
試合中はベンチに座っているだけなのに、試合に勝ってしまうわけで、一球一球、事細かに指示を出し、必死に考えてサインを出し続けて負ける相手チームの監督の自尊心はズタズタになってしまうのではあるまいか。
少年野球の革新者である辻監督の戦略は、これからの学校教育の理想像を示唆している。今日の教育では、生徒が自分で考え、解を見つけ出す能力が求められている。教師からの「サイン」に頼るのではなく、自分の「脳」を信じて考え、行動する力が大切だ。
教師がいちばん勉強し、授業中に必死に指示を出し続け、授業終了後になすべきことを宿題として課し、児童生徒を「作業員」として扱い、「作業員」としての資質を伸ばすことに特化した教育から、日本の学校教育も、そろそろ離脱すべきときである。
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