ネイル

女の子の爪はキラキラしてる

私の爪もキラキラさせる
彼に会う時は必ず

彼の前では爪先まで可愛くいたいと思って、少しでもずれると、よれると、やり直し

芸術品みたいに、丁寧に丁寧に塗る

赤とかピンクとかラメとか
ほんとは青とかも塗りたいけど、今日は我慢

少しでも女の子らしく、かわいい配色で

気づいてくれるかな
そんな気持ちでうずうずしながら塗る
女の子の夜

彼に会う前は自信いっぱい
私はここまでやってやったんだ、大丈夫！
そわそわしながら、自信を持って彼のもとへ

でも

彼はそんな事を気にするそぶりもない

ねぇ

私ここまで気を遣ったんだよ
あなたのために
かわいいって思ってほしいから

ねぇ

気づいてよ

その爪かわいいねって
僕のためかなって自惚れてよ

結局

一度も触れてくれなかったね
爪だけがキラキラしてる

でも

女の子はこんなことでめげない

ちょっと悲しいし
ちょっと寂しいし
ちょっと切ないけど

メイクに触れてもらえないのだって、いつものこと

だから

次会うときも、私しか気づかなくても
ネイルをする

女の子は強いのだ