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20210130 最強の2人

最強かどうかはわからない。
だけど最高だよ!この2人!

Netflixのドラマ「ルパン」を観た流れで、オマール・シー目的で観賞。前々から観たいと思っていて順番待ち状態だったが、ついに順番が回ってきた。
というよりも、ドリスの最初の面接さながらの強引な割り込みだったかも。実際、他に観る予定の作品は決まっていたが、ここは自分の欲求に素直に従おう。

冒頭からアース・ウインド・アンド・ファイヤーの曲でノリノリでかっこいい!そして、楽しさを全身で表現するオマール・シーがかわいい!
オマール・シーが演じたドリスのキャラクターは、どこか「ルパン」のアサンと重なるようなところも。なので、2作品続けて観るのはなかなか楽しい。スラっと長身で色んな服を着こなせるし、やってることが善とは言えなくてもなんだか憎めない爽やかな笑顔。魅力的な俳優さんだ。「最強の2人」や「ルパン」と全く違う姿も見てみたい。

電車に乗ってパリの中心部まで出てこれるような場所だけど、花の都とは全く異なるスラム街に住む黒人移民のドリス。古い団地のような建物が立ち並ぶ景色は、昨年観た「レ・ミゼラブル」を連想させられる。
それとは逆に、キラキラしたパリの中心部のお屋敷に住み、経済的に非常に恵まれた立場にいるフィリップ。
住む世界が全く異なる2人は、相手が持っていないものを互いに持ち合わせていて。置かれる立場が全く違う場合は一線引いて遠慮してしまうものだけど、ドリスはそんなのお構いなしでズケズケと線を踏み越えていく。そんなドリスのキャラクターは、私の好きな小説「チルドレン」(伊坂幸太郎作)に出てくる陣内のようで、あまりの潔さに羨ましさを感じる。

映画と関係ない話になるが、中高の同級生で帰国子女の美少女がいて。彼女の母親も思わず自慢してしまうほど左右対称で整った顔で、英語はもちろん他の教科もそこそこ優秀だったような。
そんな彼女だけど中身はけっこうおバカなことが大好きな少女で、彼女と私のバカ2人は"真冬にどれだけコートを着ないで通学できるか"を競ったことがあった。結局冬休み間近な所で彼女が風邪をひいてしまい、さすがに病み上がりでコートを着てきて勝負あり。だけど、年明けに再びコートを着ないで登校してきた時はほんとにバカだと思ったし、同時に「大好き!!」となったのを覚えている。

今では接点のない中高時代の同級生のことをなぜ思い出したかと言うと、この映画を観て美少女に対するクラスのみんなの接し方を思い出したからだ。
私は中高と男女別学の学校に通っていたので、クラスの中には女子しかいなかった。女子は美人を特別扱いしたがる傾向がある(自分の美人さを過度に鼻にかけていないことが大前提だ)。だけど私は、同級生に「かわいい」と言われて困った顔をする彼女の表情に気付いていたし、前述の通り彼女は美少女扱いではなくおバカなことを友達としたいというのを感じ取っていたので、絶対に「かわいい」と言ったりしなかった。
今思えば私なりのちょっとした"カッコつけ"だったように思う。そのおかげで、彼女とはコート我慢以外にもたくさんおバカな思い出を一緒に作ることができた。

私の場合はあくまでも"カッコつけ"の一種であってナチュラルなものではなかったけど、フィリップがドリスに心を開いたのって、私の経験と同じようなことなんだろうなぁと思った。
『支援される側』と『支援する側』や『雇う側』と『雇われる側』ではなく、異なる個性を持っている友人同士。互いに好きな音楽を紹介し合ったらそれはもう友達と言えるはず。
好きな音楽も当然全く違う2人だけど、相手の好きなものを否定しないで聴いてみる。聴いてるうちになんだか楽しくなってくるなんて最高だ。アース・ウインド・アンド・ファイヤーの曲でドリス以外の使用人達まで踊り出すシーンが素晴らしかった!

あー最高だった!!
フランス映画ってけっこう楽しいんだね。
Amazonプライムには、この物語のモデルとなった2人のドキュメンタリーがあるみたいだから観てみないと。

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