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都構想「基本のき」その4 そもそも「大阪都構想」とはどういう制度なのか

■そもそも「大阪都構想」とはどういう制度なのか解説します
いわゆる大阪都構想とは、【都・道・府・県・市・町・村】という全国一律の自治体のしくみをやめて、東京都だけにある【都と特別区】という関係に、大阪“市”を作り変えることです。

ややこしいですが、作り変えるのは大阪“市内”だけで、“大阪府全体”ではありません。
大阪府は何も変わりません。大阪市以外の箕面市や東大阪市や泉佐野市や千早赤阪村も(あまり)関係ありません。
ちなみに名前も別に「大阪府→大阪都」になるわけではありません。大阪府は今まで通り大阪府のままなのです。

変わるのは、大阪市が廃止されこの世から消えて無くなり、まったく別の、それぞれ別個の「新・淀川区、新・北区、新・中央区、新・天王寺区」になるということです。
マガジンその1で書きましたが、この新しくできる特別区は、現在の「淀川区、北区、中央区、天王寺区」と名前は同じですが、まったく異なる存在です。法律上は「市・町・村」より下の「特別に扱われる特別区」で、都(府)の管理下に置かれます。

私は常々、旧・天王寺区と新・天王寺区の名前が同じでややこしく、これでは都構想の正しいイメージが伝わっていないなあ、と考えておりました。
そこでこのマガジンでは便宜上、新しい区を「直轄区」と呼ぶことにします(私の造語ですが、より実態に近いイメージだと思います)。

大阪都構想で、大阪市は分割されて無くなり、新しく府の管理下にある「淀川直轄区、北直轄区、中央直轄区、天王寺直轄区」が設置されます。4つの直轄区は別個の組織ですが、権限(やれること)と財源(お金)を大阪府に一元管理されていて、モノも言えず自由度もありません。

また、古くから大都市として栄えて来た大阪市には、長年の蓄積でたくさんの財産――大阪城をはじめ、道路、橋、地下鉄、水道、目に見えない歴史文化、などがありますが、これらも大阪府の管理下でバラバラにされ、4つの直轄区に配分されます。

これが事実に近い大阪都構想の正しいイメージです。
「都構想は大阪市民にとってとんでもなくひどい制度である」というイメージがつかめますでしょうか?

直轄区のイメージ

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