見出し画像

都構想「基本のき」その3 むちゃくちゃ過ぎる新しい区役所の仕組み

■むちゃくちゃ過ぎる新しい区役所の仕組み
前項で、特別区になるためにはものすごくお金がかかると言いましたが、実はさらに隠されたコストがあります。

今回の協定書(説明書)がズルいのが、前回はコストに含まれていた区役所の建て替え費用を省いてしまったことです。
ひとつの大阪市を4つの自治体に分けるのですから、当然、大きな市役所のような建物が4つ必要になります。その費用は300億円以上かかるとされていました。
しかし目先のコストをごまかすために、とりあえず区役所の建て替えはしないことにし、足りないスペースは中之島の今の市役所とそれぞれの24区の区役所で補うことになっています。

ん? おかしいと思いませんか?
別々の組織になったはずの4つの区の職員が旧市役所に集まって仕事をし、場所が足りないから旧24区の区役所でも仕事をするのです。
大阪人なら「ほな今のままでええやんっ!」と突っ込みたくなります。

住民の側にしても、どこでなんの業務がされているのかわからず、混乱が予想されます。
例えば新・中央区を例に取ると、自分の住んでる旧の区役所と、新・中央区役所と、中之島の旧市役所と、新・中央区内の他の旧区役所と、南港のATC庁舎と、場合によっては大阪府庁でたらい回しに合うということも現実的に起き得るのです。コントのネタが一本できそうな話ですね。

こんな環境では役所の業務にも支障があります。教育と福祉、防災と建設など「部署は違うけど関係はある仕事」なんて山ほどあります。役所業務の効率はガタ落ちし、住民サービスを維持するどころか低下するのは確実です。

それだけではありません。
災害が起きた時、現24区の区役所は災害対策の地域拠点となっていますが、ほとんどの区役所で職員が少なくなるため、発災時の現地状況の把握、初動対応、避難所の開設、地域での給水給電や復旧復興作業、各種事務業務などで深刻な機能低下が心配されます。

特に新淀川区は淀川をはじめ河川が多く、災害によって移動手段がマヒする恐れがあります(現実に大阪北部地震でありました)。しかも、この新淀川区役所は、平時から900人もの職員が淀川の向こうの中之島で仕事をする計画になっているのです。
災害が起きたときに、こんな異常で恐ろしい職員体制はないと感じます。

こんなむちゃくちゃ過ぎる区役所の仕組みを作るのに、241億円と毎年30億円をつかうと言うのです。どれだけおかしい話かおわかりいただけるでしょうか?????

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?