マインドのデザイン - Xデザイン学校マスターコース2024 #3 ビジョンとパーパスの発想と具体化
なにか行動する時、モノを作るときは必ずその作業に対する意識や姿勢が成果物に影響する。
そのため、マインドをデザインすることは重要である。これは特にチームで協業する際は、自信だけでなく意識が相互作用するためパフォーマンスに影響する。
マインドという視点でより良い物を作るには以下について留意する必要がある。
心理的安全性
エドモンドソンの4つの心理的安全性を損なう要因と特徴行動によると、心理的安全性が低くなる原因として「無知」「無能」「邪魔している」「否定している」と思われる不安により、質問しずらい・ミスを報告しない・発言や提案をしない・意見をしないといった行動を起こす可能性がある。そのため、心理的安全性の低下は、チームのパフォーマンスを落とす可能性がある。
そこで、心理的安全性を保つために、以下のアクションが有効が考えられる
自分や他人の価値観や共通の価値観の把握:相互の価値観や課題の理解、考えの共感
目標の設定:チームのビジョンやパーパスにて、共通の向き先を定義する
"問題ない"という体験:1 on 1の対話から始まり、徐々に人数を増やし心理的に安全な状態を体験する(急に多人数であるチームで対話しても、不安が残ってしまう)
自分の主張を大事に:相手を尊重しつつ、自分の要望や感情を伝える。
また、"ポジティブな対話"を心がけることも大事である。例えば、"否定"から入らずに"承認"や"共感"から入ることや具体的な提案・今までのやり方にとらわれない(アンラーニング)ことである。
楽しむ
モチベーションをあげるために、楽しむ仕組みを作ること・見方を変えることで楽しめるような状況にすることも重要である。
未来を楽しむ → 「こうなったらいいな」のビジョンを考える
貢献を楽しむ → 社会課題の解決などの社会への好影響を考慮する
探求を楽しむ → 問を立てて本質の追求をする
曖昧を楽しむ → 曖昧な状況を活用して探索行為を楽しむ
速度を楽しむ → すぐに作って(プロトタイピング)ものづくりを楽しむ
意味を楽しむ → プレイフル(物事に対してワクワクドキドキする心の状態)シンキングによりワクワク・ドキドキな状態になる
プレイフル・シンキングは、"自分で解決しなくても、自分と他者やモノを最大限活用することで、新しい意味を創り出そうとする姿勢"のことであり、例えば
"How can I do?":Can - 自分でできるかな?という不安 → How - どうやったらできるかな?
メタ認知:狭い視点になってしまうとコントロール出来てない感により不安 → これいいんだっけ?というメタな見方を行い、他者も巻き込み、、「メタ認知的モニタリング」と「メタ認知的コントロール」を実施する。
プレイフルな課題設定:つまらないタスクや課題 → 自分によって都合の良い課題にすり替える(調査タスク → 自分の好きな地域や学びのある方法で調査するなど)
ビジョンとパーパス
ビジョン(未来のありたい姿や方向性)により、事業の大きな羅針盤したり、ビジョンをベースにみらいを思うことで活動を楽しむことが出来る。
パーパス(社会にどんな良いインパクトを与えられるか)により、社会における自分たちの存在意義を把握し、何のためにやっているかを自認することが出来る。
ビジョンをデザインするために、以下の事項を相互的かつ繰り返し考えていくことが考えられる。
個人の妄想や強い想い(原動力):本当にやりたいことは?
ビジョン(ありたい世界):課題を考慮したありたい世界とは?
社会実践:プロトタイプで確かめる
社会実装のための組織:社会実装していくために、組織をデザインする(新しいものを受け入れないような文化の改善など)
これは企業のビジョンの話だけではなく、チームにおいても同様なことで、チームのビジョンをすり合わせることでモチベーション高く円滑に進めていくことが期待できる。
固定概念
既存の固定概念なマインドや枠組みを取っ払い新しい意味を見いだす(リフレーミングと意味のイノベーション)ことで、今までにない"意味"を創造しイノベーションを起こすことができれば、製品の価値や、それを作る自分たちのワクワクの増強となる。
たとえば、
時計は時間を知るためのもの → 時計は着替えるアクセサリー
ろうそくは手元を照らすもの → ろうそくはリラックスするもの
などであり、これらにはアウトサイドイン、インサイドアウトの視点が重要である。
アウトサイドイン(外から内)とは、HCDやデザイン思考などユーザ視点・社会視点からの問題解決のアプローチで、インサイドアウト(内から外)とは、企業視点・個人や批判的な見方により意味を創出し問題を解決していくアプローチである。
インサイドアウトにおいては、"批判"が必要である。批判とはネガティブ意味ではなく、「このような考えもあるよ」という視点で、より深く物事を解釈したり、別の視点を持つことのできるきっかけになる。
このようなインサイドアウトの視点は、特に現代において必要になってきている。極論アウトサイドインはみんな同じアプローチになる可能性があるが、インサイドアウトは個々や状況によって新しい・今までとは違った意味を創出できる可能性がある。(片方ではなく両方大事)
まとめ
マインドや考え方のデザインについて記した。
個人・チームのマインドをどうやってポジティブでクリエイティブに持っていき、価値を創出できるのかの方法論を記した。