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ワイン生産国は大きく分けて2つ!オールドワールドとニューワールドとは?

ワインは、世界中で造られているお酒のひとつ。

各国のワインを揃える専門店にひとたび足を運べば、まるで世界旅行をしているような気分になってしまうほどです。

そんなワインを生産する国ですが、大きく分けて、「オールドワールド(旧世界)」と「ニューワールド(新世界)」と呼ばれる2つに区分されています。

ここでは、オールドワールドとニューワールドについて学んでいきましょう。

オールドワールドとは?


オールドワールドとは、ワイン造りの歴史が紀元前にまで遡るような、ワイン造りにおいて数千年の歴史を持つ伝統国のことです。(旧世界ワインとも呼ばれます)

オールドワールドと呼ばれるワイン生産国は主にヨーロッパが中心で、中でも下記の生産国が広く知られています。

★オールドワールド

  • フランス

  • イタリア

  • スペイン

  • ドイツ

  • ポルトガル

  • オーストリア

  • ハンガリー

  • イスラエル

  • クロアチア

  • ルーマニア

  • ブルガリアなど

もちろん、ワイン造りの起源としても有名なジョージア、古代ローマにワイン造りをもたらしたギリシャなどもオールドワールドのひとつです。

オールドワールドと呼ばれる生産国の特徴のひとつが、長いブドウ栽培・ワイン醸造の歴史を持つことから伝統的な生産スタイルでワインが造られているところにあります。

また、各国に独自のワイン法が規則として存在するだけでなく、EUに加盟する生産国はワインに関するEUの規則のもとでワインが造られているところも特徴でしょう。

フランスのボルドーをはじめ、ワインを生産するエリアによって格付けが制定されているところも大きなポイントです。

オールドワールドの生産国それぞれが伝統的にワインが生産されていた歴史的・文化的背景を重要視しており、“産地らしさ”を表現したワインが多く見受けられます。

中でもオールドワールドの筆頭として知られているのがフランスです。

フランスは、紀元前にローマ人により現在のマルセイユにブドウ栽培がもたらされたことが起源と言われており、今もなお世界最高峰のワイン産地として君臨し続けています。

ニューワールドとは?


ニューワールドとは、ワインの生産が比較的新しいヨーロッパ以外の生産国のことです。(新世界ワインとも呼ばれます)

具体的には、15世紀の大航海時代にヨーロッパ諸国が進出したことでブドウ栽培・ワイン造りが伝わった新大陸などの国を指しています。

主にワイン造りの歴史が200年以下の生産地で、下記の生産国がニューワールドとして広く知られています。

★ニューワールド

  • アメリカ

  • オーストラリア

  • チリ

  • アルゼンチン

  • 南アフリカ

  • カナダ

そのほか、インドやブラジル、日本、中国などもニューワールドと呼ばれるワイン産地として認識されるようになりました。

ニューワールドの特徴は、歴史的にヨーロッパの移民や植民地支配によってブドウがもたらされてスタートした背景があり、ワイン造りにおけるルールや規制がまだ完全に整備されていないところです。

そのため、その国、その産地の気候や土壌に合わせてブドウ品種を植えることができたり、すでに確立されている伝統的なワイン醸造の技術と最新鋭の技術を両立して行うことができます。

また、ブドウ栽培の技術向上や気候変動の影響などから、ブドウ栽培が難しいと言われている産地がニューワールドとして台頭し始めているところも特徴でしょう。

伝統国では想像できないブドウ品種のブレンドやワインスタイル、また伝統国を凌駕する国際品種を使用したワインの誕生など、“新しい産地”という特性をいかしたワイン造りが行われています。

覚えておきたいオールドワールドとニューワールドの違い


覚えておきたいオールドワールドとニューワールドの違いを下記にまとめました。

オールドワールド

ワイン産地としての歴史が長いワイン伝統国
長年に渡る歴史の中でワイン造りにおける規則が厳しく整備されている(格付けも存在する)
伝統を重んじたワイン造りが行われている
その土地の特徴を表現する哲学的なワインが多い
質が高く高額なワインも多い

ニューワールド

ワイン産地としての歴史は200年以下といった若い生産国が多い
比較的自由なワイン造りができる
伝統と最新鋭の技術を使った新しいワイン造りを行う生産者が多い
フルーティーで飲みやすいワインが多い
カジュアルなテーブルワインが主力

オールドワールドはヨーロッパの歴史や料理、文化的背景などと発展してきた歴史を持っており、繊細でエレガント、質の高い高級ワインが多い傾向です。

ニューワールドのひとつ、アメリカ(カリフォルニア)にもカルトワインと呼ばれる高級ワインが存在しますが、総じてフルーティーで飲みやすく、カジュアルな価格で入手できるテーブルワインが主力といった違いがあります。

ニューワールドのワインは日常的に消費されることが増え、日本では2015年にチリワインがフランス産ワインを輸入本数で抜いて1位となったほどです。

しかし、ワインを知るのであれば、まずはオールドワールド、その中でもフランスワインについて学ぶことをおすすめします。

フランスを代表するブドウ品種、カベルネ・ソーヴィニョンやメルロー、ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどは、ニューワールドでも栽培されている品種です。

さらにボルドーにおけるブドウ品種のブレンド、ブルゴーニュにおける単一品種での醸造やグラン・クリュといった概念、シャンパーニュにおけるアッサンブラージュと瓶内二次発酵製法など、全てのワイン産地における基礎となっています。

本記事を参考にワイン生産の伝統国であるオールドワールド、そしてワイン生産の新興国であるニューワールドの違いをしっかりと押さえ、より深くワインについて学んでいきましょう。

(※上記違いはあくまで一般論で傾向。オールドワールド・ニューワールドにもさまざまなスタイルでワインを造る生産者はいるため、さまざまなワインを探究してみましょう!)