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覚えておきたい黒ブドウ品種!カベルネ・ソーヴィニヨンの基礎知識!

赤ワインに使用されているブドウ品種は、黒ブドウです。

黒ブドウと一口に言ってもその種類はさまざまであり、どのブドウ品種を使用するかによって仕上がるワインの個性に違いが出ます。

そんな世界中に栽培されている黒ブドウの中でも人気が高いブドウが、カベルネ・ソーヴィニヨンです。

ここでは、カベルネ・ソーヴィニヨンの基礎知識について学んでいきましょう。

カベルネ・ソーヴィニヨンは黒ブドウの王様


カベルネ・ソーヴィニヨンは、フランス ボルドー地方を原産とする黒ブドウ品種です。

ローマ時代にビトゥリカと呼ばれていたブドウ品種と同一と考えられていること、さらにスペインを原産とするなど起源について諸説ありますが、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配によって誕生した黒ブドウであることからボルドー原産とされています。

高貴な香りとパワフルな味わい、長期熟成を可能とする偉大なワインを数多く生み出す黒ブドウ品種としても知られており、「黒ブドウの王様」とも呼ばれることもあるほどです。

カベルネ・ソーヴィニヨンは温暖な気候を好みますが冷涼な産地でも栽培することが可能であり、29万haを超える世界最大の栽培面積を有するブドウ品種でもあります。

カベルネ・ソーヴィニヨンを主要品種とするボルドー地方では、ブレンドのメインに使用されることが多いですが、産地によっては単一品種でワインが造られるなど、タイプも多種多様です。

長期熟成タイプのワイン、ほど良い熟成を経たフルボディタイプの赤ワイン、若くして飲めるカジュアルなタイプのワイン、ロゼワインなど、産地や生産者によってタイプの違うカベルネ・ソーヴィニヨンに出会うことができるでしょう。

ブドウとしてのカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴


カベルネ・ソーヴィニヨンは、フランスのボルドー地方や南西地方を中心に、カリフォルニアやチリ、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、中国など世界各国で栽培されています。

一般的に温暖な気候を好むこと、水捌けの良い砂礫質土壌を好むとされていますが、近年は冷涼な産地のカベルネ・ソーヴィニヨンも人気です。

つまり適応能力の高いブドウ品種であり、それゆえに世界各国で栽培されていると考えることができるでしょう。

産地や栽培条件によって違いがあるものの、一般的に言われているカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴を下記にまとめました。

  • タンニンが豊富

  • 酸味が多い

  • 小粒で果皮に厚みがある

  • 晩熟タイプ

カベルネ・ソーヴィニヨンとよく比較される黒葡萄にメルローがありますが、メルローの特徴は大きめの粒で果皮がやや薄く、酸味やタンニンがカベルネ・ソーヴィニヨンと比較すると穏やかで早熟といった特徴を持ちます。

カベルネ・ソーヴィニヨンは晩熟タイプであること、さらに温暖な産地の場合は糖度が高まり完熟しやすいため、カリフォルニアやオーストラリア、チリなどでは主要品種として活躍しています。

さらにイタリアのトスカーナでは、ボルドーんに似た気候条件と小石が多い水捌けの良い土壌であることから、サンジョヴェーゼとブレンドさせたスーパー・タスカンと呼ばれるワインが大変有名です。

一方、冷涼産地のカベルネ・ソーヴィニヨンはよりスパイシーでポリフェノール量と酸味が多く、アルコール度数もそこまで上がらないためエレガントタイプに仕上がります。

ピーマンのような青っぽい香りが出やすくなるためバランスが難しいですが、濃厚な果実味と高いアルコール度数のパワフルなカベルネ・ソーヴィニヨンとは違った魅力を持つワインと出会えることでしょう。

カベルネ・ソーヴィニヨンのワインの特徴


カベルネ・ソーヴィニヨンから造られるワインは、主に下記の香りを持ちます。

  • 深みのある濃いガーネットの色調

  • ブラックチェリー、カシスなどの黒系果実の香り

  • ハーブやピーマンなど青さを感じさせる香り

  • スパイスの香り

  • リコリスやナツメグ、チョコレートの香り

  • 熟成由来のヴァニラやクローブ、木、ビーフジャーキーの香りなど

香りは濃厚、そして複雑かつさまざまな要素を持つことがわかります。

さらにカベルネ・ソーヴィニヨンの味わいには、下記の特徴も見られます。

  • 豊富なタンニン

  • 豊富な酸味

カベルネ・ソーヴィニヨンは渋みに関連するポリフェノール、「タンニン」が豊富に含まれています。

温暖な産地で完熟したカベルネ・ソーヴィニヨンの場合は酸味は穏やかですが、基本的には酸味も豊富で骨格がしっかりとした、パワフルな赤ワインに仕上がる傾向です。

タンニンや酸味はワインの熟成に重要な要素であり、これらが豊富なカベルネ・ソーヴィニヨンから造られるワインの中には、10年、20年、30年以上の熟成に耐えるものも存在します。

長期熟成を目的に造られたものは収斂性が高く飲みにくい印象ですが、若くして飲むことを目的にしたもの、冷涼産地で生産されたエレガントタイプのカベルネ・ソーヴィニヨンであれば、“飲みにくい”ということはないでしょう。

どちらにせよ、「ザ・赤ワイン」といった、誰もがイメージする赤ワインの味わいを楽しみたい際には、カベルネ・ソーヴィニヨンから造られるワインを飲んでみると良いのではないでしょうか。

カベルネ・ソーヴィニヨンのペアリング


カベルネ・ソーヴィニヨンと料理をペアリングさせる場合、定番は肉料理です。

牛肉のステーキに始まり、ローストビーフやグリルした牛肉や豚肉料理、ラム肉のステーキ、ジビエとの相性も良いでしょう。

また、カベルネ・ソーヴィニヨンにはスパイシーな風味もあるため、黒胡椒などのスパイスを使うと親和性が高まると言われています。

ちなみにカベルネ・ソーヴィニヨンに多く含まれるタンニンはタンパク質と結合する性質を持つため、肉の脂分を取り去る効果が期待できます。

たんぱくであっさりした肉料理も良いですが、カベルネ・ソーヴィニヨンには脂身の多いものを合わせるのがおすすめです。

カベルネ・ソーヴィニヨンから始めよう


カベルネ・ソーヴィニヨンは、ワインを学ぶ上で必ず押さえておきたい定番品種です。

フルボディワインの代表格であり、今後も飲む機会が多いブドウ品種でしょう。

カベルネ・ソーヴィニヨンの基本、特徴をまずは押さえ、ほかの品種と比較しながら学んでいきましょう。