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『三体Ⅲ下』(劉 慈欣)を読んで

終末への持って行き方と終わらせ方には投げやり感を感じなくもない。Ⅲの上で感じた退屈さからは少し解き放たれたが、それでもどんでん返しするまでの前提の長さに、もはや耐えられるほどのワクワク感は残っていなかった。中でも面白い部分。(ネタバレ!)

①p275あたり、雲天明が本当に伝えたかったメッセージが、光速計画を示すと気付いた瞬間。今までの散々な努力も全宇宙では無駄だと気付いた瞬間。『次元攻撃』という発想の面白さと、そのヒントがちゃんと残っていたことは物語としても読み応えのあった部分。

〈啓示〉に乗っているひとりひとりが明確に判別できた。彼らは手を繋いで、体の細胞全てを二次元平面で宇宙にさらけ出していた。彼らは、絶滅という題名のこの壮大な絵画に真っ先に描かれた人類となったのである。

散々延ばしに延ばして、最後は数時間で全人類が消滅する様は圧巻だった。

それにしても、最後は本当か嘘かわからなくても、もう少しハッピーに近い終わらせ方でも良かったのにな

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