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ノモス チューリッヒ ワールドタイマー

NOMOS Glashütte/ノモス グラスヒュッテ Zürich World Time Midnight Blue Ref.ZR1X4BL2 ¥670,000+TAX

今に至るまで、当店にないブランドも含め約30本近いワールドタイム機能を備えた実機を見てきましたが、ブランド価値ではなく、ワールドタイマーとして「いかにそのブランドらしさが感じられるか」「ルーツとそのモデルの背景」「価格とクオリティのバランス」といった本質的な部分で評価した場合、個人的にはこれを上回るワ―ルドタイマーはありませんでした。

とはいえ、このモデルについては全部を説明すると本当に長くなるので、今回はデザインという観点からのご紹介とさせていただき、自社製のキャリバーや細かいディテールについては店頭で直接ご説明させていただきます。

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「もし、世界が文字盤のようにフラットだったら…。」

そんなロマンティックなコンセプトから生まれたこのワールドタイムは、世界で最も影響力のあるデザイナーの一人であるハンス・ウェッツスタイン氏がデザインを手がけています。

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↑世界的デザイナー、ハンス・ウェッツスタイン氏(1958-2008)

数少ない家具のトップブランド“カッシーナ”や“モルテーニ”などでもデザインを手がけ、ベルリンのグランドハイアットホテル、マドリッドのスイス大使館等も彼の作品として広く知られています。

1982年よりフリーのプロダクトデザイナーやインテリアデザイナー、建築家として活動し、1991年には自身のデザインオフィス「zed.」を設立しました。1990年代にはヨーロッパの複数の大学で教壇に立ち、1994~2001年にはドイツ国立カールスルーエ造形大学で教授職を務めたほどの実力者です。

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↑ハンス・ウェッツスタインが手掛けたカッシーナのエルドム テーブル。(サントスローズウッド材・ナチュラル 約127万円)

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そんな彼がデザインを手掛けたこのチューリッヒ ワールドタイムは、「シンプル」という言葉がピッタリ。

この「シンプル」だというところが、最も評価すべきポイント。その理由は、ワールドタイムという特殊な機構によるデザインの難しさにあります。

ワールドタイムは世界の時間を即座に知ることが出来る複雑機構の一つで、その自社開発にはトップクラスの技術力を必要とします。しかし情報量が多くなるため、ダイヤルデザインが雑多といいますか…、見やすさを諦めなければならないデザインとなってしまうことがほとんどなのです。

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さらに、情報量が多くなることでデザインの振り幅が非常に狭く、どのブランドのワールドタイムも似たり寄ったり…、といった印象のものがほとんど。

しかし、このノモスグラスヒュッテ チューリッヒ ワールドタイマーは、実にシンプルかつノモスらしいデザインに仕上げられています。

あくまで個人的な意見ですが、そういった意味でも「ノモス グラスヒュッテらしいシンプルなデザイン」というだけで、このワールドタイムは傑作だといえるのです。

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しかし、「シンプル」にすることで「カジュアル」に見える可能性もあります。しかしながら、この時計にはそれが感じられない…。むしろ溢れ出る「高級感」が素晴らしいのです。

ハンス・ウェッツスタインのデザインは、そこに美しさがあります。

彼が手掛けたカッシーナやモルテーニの作品をいくつか実際に見ましたが、実にシンプル。高級感という簡単な言葉で表すのは失礼かもしれませんが、本当にえもいわれぬ高級感がその作品から品よく感じられるのです。

それがこのチューリッヒ ワールドタイマーにも感じられる…。唯一無二の素晴らしい作品だと言えます。

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搭載するのは自社製のワールドタイムムーブメント、Cal.DUW5201。

以前搭載していたCal.ξ(クシー)から、キャリバーのグレードアップが図られ新たに開発された“ノモス スイングシステム”を搭載するハイオロロジーなキャリバーです。

トリオビス緩急針、青焼きのひげぜんまいとビス、3/4プレートやグラスヒュッテストライプなどの機能と装飾は、ドイツ時計製造の中心であるグラスヒュッテの歴史とクオリティを余すことなく体現しています。

ケースサイドのプッシャーを押すだけで世界24か国のローカルタイム表示を可能としており、ダイヤル右部分の24時間表示でホームタイムの時刻を確認できます。まるでパスポートのいらない世界旅行のように引っかかりもなくスムーズな国またぎは、ノモスの高度な技術力が直接体感できる部分でもあります。

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ちなみにホワイトダイヤルもラインナップ。よりクラシックさを求める方におススメです。

ケースサイズは39.9㎜。この、ワールドタイムを備えた時計としては小振りだと言える絶妙なサイズ感も魅力の一つですね。


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