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ノモス アウトバーン ネオマティック41

NOMOS Glashütte/ノモス グラスヒュッテ Autobahn Neomatik 41 Date Sports Gray Ref.AB161011SG2 ¥555,000+TAX

ノモスデザインの新境地とも言える「アウトバーン ネオマティック 41」です。

これまでのノモス製品とは一線を画す個性的なフェイスから、「ノモスらしくない」と世界でも物議を醸したデザイン。果たして本当にそうなのでしょうか…。

というわけで、今回もデザインを中心にしっかりとご紹介していきましょう。

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デザインを手掛けたヴェルナー・アイスリンガー氏は、現代の最先端技術と新素材を製品デザインに取り入れるという明確な特徴があるデザイナーで、世界初の“ポリウレタンインテグラルフォーム”で作られた「Juli Chair」はニューヨーク近代美術館(MoMA)に恒久的にコレクションされる、ドイツ製で初めての椅子として広く知られています。

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↑「Juli Chair」…ポリウレタンインテグラルフォームを使用。表皮を自己成型し、表面は高密度で強固なスキンに覆われながら、内部は低密度で柔らかいという特徴がある。

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ヴェルナー氏とのパートナーシップから生まれた今作は、ヴィンテージ・スポーツカーのクラスタ・ゲージからインスピレーションを受けてデザイン。懐かしさもありながら、モダンでスポーティーな面もある独特なデザインです。

彼は「非常に調和のとれた、一方で鋭いエッジを持つ時計にしたかった。それでいて機械式時計は長く引き継がれていくものなので、10~30年経っても着用出来るように、ファッションとの相性も必要だと考えた。」と語っており、この時計が強いコンセプトを持ちながらもカジュアルとも捉えることが出来るのは、彼の考えが見事に具現化されているからだと言えそうです。

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最も目を引くメーター部分のデザインは、時針のみに塗布された夜光と、メーター表示部分の夜光が強く光り、まさに夜間走行をする車のクラスタ・ゲージを見ているかのようです。

さらに、このデザインが施されているのは、実際に夜光が活躍するであろう日が落ちている午後8時から午前4時の部分のみ。

自動車における速度メーターも完全な円ではなく、このような扇型で0~?00km/hの表記を行います。つまり、完全な円ではないこの扇型の夜光表示は、デザイン的な要素の一致だけでなく、時計としてそのデザインを堪能できる時間帯とも一致しているわけです。

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そして、このデイト窓も特徴的なデザインの一つ。

「スリーレーン・データ・ウィンドウ」とも言われるこのデイト窓は、過去・現在・未来を同時に表示。実用性ではなく、あくまでデザインとして採用されています。デイトディスクの数字フォントは、これまでのノモスに見られたシンプルな書体です。

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さて、搭載するムーブメントは自社製の最新薄型自動巻のCal.DUW6101。

新開発の日付調整機能を備えた名機で、一般的な日付の早送り禁止時間帯を大幅に縮小(約90分)し、その時間帯に誤って操作を行った場合も操作をキャンセルし故障を防ぐという新機構を採用しています。

また、ベースとなったDUW3001により高精度かつ高い巻き上げ効率を実現。名機といわざるを得ない素晴らしいキャリバーです。

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ケースサイズは、41.0㎜。

ちょっと大きい気もしますが、ヴェルナー・アイスリンガーが「より男性的な時計」と表現するあたり、この存在感があってこそ初めて完成するデザインだったのだと思います。

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「ノモスらしくない…。」

これまでのノモス製品を見れば確かにそう思われても仕方がないのかもしれません。

しかし、デザイン部門のトップかつ共同経営者でもあるジュディス・ボロウスキー氏の「ノモスのデザインルーツは厳密にいえばバウハウスではない。」という言葉、そして「ノモスはバウハウスを越えていく。」という某時計専門紙のサブタイトル通り、偉大なデザイン思想「バウハウス」に影響を受けているからこそ、それを昇華し次へと繋いでいく。

そう考えれば、これまでで最もノモスらしいのがこの“アウトバーン”だとも言えるのです。

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個人的には新たなノモスの挑戦、その一歩を具現化した素晴らしい作品だと思います。


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