自分じゃなきゃダメな仕事
自分がいなくなっても会社は普通に回っていくんだろうな〜と思うと、少し切ない感じがする。
どれだけ成果を上げていても、辞めたあとは誰かがその代わりを務めて、時間が経てば何事もなかったかのような状態に戻る。
当たり前と言えば当たり前だ。それが会社という仕組みだ。誰か一人が辞めたら破綻する会社の方が問題だ。
引き合いに出すのもおこがましいが、スティーブ・ジョブスほどの存在でさえも、彼が去った後もAppleは回っているのだ。特定の個人がいなくても存続していくのが"法人"なのだ。
自分じゃなくてもいい仕事のために人生の大半を費やしているのも虚しい気がするが、自分じゃなきゃダメな仕事だけをし続けるのも相当の大変だと思う。
自分じゃなくてもいいからこそ風邪で休めるし、ちょっとだけ手を抜いても全体でみたらカバーされる。毎日死ぬ物狂いにならなくても、ちゃんと暮らしていける。会社ってすごい。
自分がやらなきゃ回らない仕事は、フリーランスとか起業家とかアーティストみたいな人たちの活動だと思うが、改めて考えるとすごい。インフルエンザになったりしたら終わりだ。どれだけ体調が悪くても這ってでも仕事をしないとそれがそのまま破綻につながる。成果も自分の仕事ぶりがそのままダイレクトに反映される。並大抵の精神力ではやっていけない。
大半の人はその域まで踏ん切ることができずに、「自分じゃなくても良い仕事」に身を投じて生きていく。私もだ。「自分じゃなきゃダメ」に憧れもありつつも、そもそもそのきっかけが掴めない。そうして胸の奥底に秘めた「自分じゃなきゃダメ」への思いはどこかへ消えていく。
それが再び湧き出てくるときがあるとするならば、家族を持った時、子供を授かった時ではないだろうか。
家族にとっては、自分という存在は「自分じゃなきゃダメ」だ。生まれた子供を抱いた時に、そんな感情を誰もが抱くのではないか。
色々家庭環境もあるだろうが、仕事にやり切れなさを感じたときには、家族のために何かするのがよいかもれない。
それは、自分じゃなきゃダメな仕事だから。
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