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釧路のスナックビル オリプラ3階「びいどろ」

美唄出身の画家 伊藤寛氏の風景画が掲げられた店内では、常連と思しき一人客がカウンターの隅でファイターズ戦を鑑賞していた。

僕が席につき水割りを注文しママと談笑すること30分。

その間、常連客は一言もママと会話を交わすことがない。

しかし、しかしだ、ここにはママと常連客の間に流れる共通の空気感が漂う。
言葉を発せずとも通じあう、長い歴史に裏打ちされた心から落ち着ける空気感が「びいどろ」にはあるのだ。

この店を切り盛りするのは笑顔がかわいらしいえみママ。

こちらのお店、オープンは1982年。

「わたしがこのお店を開業したころは地下がスナック街、1階から上がデパートだったのよ」

とえみママ。

優しい性格が顔ににじみ出ている、えみママ

オープンから40年。
恐らく当地でも5本の指に入るであろう老舗スナックのえみママは、札幌の短大で服飾を学び夜はススキノでアルバイトをしながら成人を迎える。

「仕送りは月25,000円、ホステスのバイト代が月に45,000円。給料日前は25円のおやきでやり過ごしたの」

という時代である。

時は流れ現在、ママとともに年輪を重ねてきた常連客らとは別に、若い女性客、そう、25円のおやきで腹を満たしていたあの頃の自分と同世代の女性客が増えているらしい。

心と心の触れ合いが希薄な昨今、若き女性客は「びいどろ」に癒しのときを求めてママを訪ねるのだろう。

「私を慕ってくれる男の子も女の子もかわいい」

そんな優しい一言に包まれると今日1日の疲れもどこかに吹き飛んでしまうのだ。

びいどろ
釧路市末広町5丁目13番地
オリエンタルプラザ3階
0154-24-1346

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