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天の川は見えているか
うだるような暑さとはまさにこのことで。
一歩外に踏み出すだけで生命の危機を感じる。熱波。
ぎんぎらぎんの太陽があまりに強くこちらを刺す。こんなに張り切ってる"ヤツ"は見たことない気がしてちょっと笑ってしまった。
車のルームミラーに映る自分の顔が紅潮している。
わかるぞ。この状態が続くと調子を崩す。
愚かなりに自身の身体機能と向き合ってきたのである程度ヤバさは予測できる(はずだ)。
この季節に「夏」なんて名前をつけるのはやめた方がいいんじゃないか。
「夏」はどうしても風鈴とかスイカとか風流なものばかり浮かんでくる。余裕綽綽である。
いっそ「煉獄」とかの方がしっくりくる。このワードの禍々しさも某漫画の影響ですっかり薄れてしまった(鮫島は原作を読破してきっちり泣いている)。
でも「煉獄」だろう、こんな季節。
さて
作詞の一環で今一度「七夕」についてググった。
『銀河鉄道の夜』で天の川を使ったにも関わらずうっすらとした記憶しかない。
起源が中国であることすら知らず妙に恥ずかしい。
織姫と彦星は元来勤勉な若者だったが、愛し合う喜びから遊び呆けてしまい親御さんの逆鱗に触れてしまう。
天の川は2人を分かつ。年に1度しか会うことができない。
随分人が悪い話だ、と思う。
ちょっと盲目になった罰にしては大きすぎやしないか。
それとも彼らが神様の類とあれば1年なんてあっという間なんだろうか。
今日みたいな煉獄の七夕には「暑いしリモートでいんじゃない?」とか言ってビデオ通話で済ますんだろうか。
どっちでもいいんだけど。
彼らの逢瀬に合わせてお祭りが開かれたり、誰もが身分や所得にとらわれず願いごとをするきっかけになったりするのは、それはそれで尊い営みというか素敵なことだ。
気に留めなければ忘れてしまいそうな日に想いを馳せるのも悪くない。
というか、気に留めなければ忘れてしまいそうな日をこそ尊べる個人でありたい。
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