独身主義が変わった出逢い


#私のパートナー

留学時代、天の采配のような出逢いをした。
日本語教師をしていた日本人男性から、「社会人の日本人と知り合いたい社会人学生がいるので紹介したい」と言われたのだ。

ある日、部屋の電話が鳴り、出てみると留学先の大学の本科の教授からで、今すぐ研究室にと呼ばれた。

2000年代はじめくらいの中国では大学の敷地内に教授のマンション、学生寮、留学生寮、店、病院などがあり、大学がひとつの街だった。

だから、歩いて行けるものの、敷地が広いため、15分くらいはゆうにかかった。

横に長い平屋な建物の一室にそのひとはいた。
ワタシが入っていくと、椅子から立ち上がり迎えてくれた。見上げるほど背が高けれど、無駄な贅肉のない体型に、穏やかな笑顔だった。
日本語は、女性のような言葉遣いだから、なお優しく感じる。

そして。
「私には妻がいます。料理がとても上手です。
あなたに紹介しますから、うちに来てください。一緒にごはんを食べましょう」と。

留学早々で、言葉が思うように通じず、注文したものと違うものが出てくる毎日の中で、この出会いは棚ぼただった。

こんなハンサムで優しい上に、料理も上手。
奥様のお料理ももちろんおいしかったけど、
この教授(ひと)の南方料理も薄味がしみるものばかり。

そして、奥様との中国語でのやりとりも好きだった。2人との時間は居心地が良く。中国語の宿題を教えてもらうときは、娘ポジションを疑似体験させてもらいながら、ふたりのパートナーシップに癒されてた。

結婚はしたくなかった私の頑な気持ちが
少し緩んだ出会いだった。



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