子どものやる気に火をつける「人」。知識・スキルより大切なもの
いま、みかんシーズンの真っ最中です。
収穫は遅くとも1月中に終えてしまわないと、鳥やイノシシに食べられてしまうので、収穫の時期はいつもお手伝いの人をお願いしています。
今シーズンは隣のおばあちゃんと、去年の秋にADDressをきっかけにうちを知り、再訪してくれた20代の女性にお願いしました。
作業期間中は泊まり込みです。手伝いは月曜から金曜の午前だけ。午後は好きなように過ごしてもらっています。
家族以外の大人が一人が増えた我が家。
今日は、親以外の大人との関わりが子どもに与える影響についての体験をシェアします。
民宿は「ユニークな人と出会う」ため
夫がみかんを栽培する我が家。
農家民宿をはじめたのは、私たちが天草に移住した翌年のことです。
これは、収入のため。
というよりも、目的は別のところにあります。
それは「人と出会うため」です。
お客さんが泊まるのは、うちの2階です。
部屋は内鍵があり、プライバシーもあります。しかし、私達家族の生活音は聞こえるし、玄関、トイレ、お風呂も共有です。
ほぼホームステイのような我が家をわざわざ選んで来てくれるのは、ユニークな人が多いのではないか。
そんなことを期待してはじめました。
実際、コロナ禍前は、現地の人と会話したいとか、ちょっと違った体験をしたいという外国の方が多かったです。
最近はもっぱら日本人の方が滞在しています。
ユニークな人が来てくれたら私たちが楽しいのはもちろんですが、それ以上に子どもたちの刺激になると思うようになりました。
子どもがはじめて自分で「やりたい」と言い出した
今年手伝いに来てくれた彼女は、オンラインで英会話の講師をしているようす。
子どもにも英語を教えているようで、あるとき、歌をうたっているのが聞こえてきました。
歌声を耳にした我が家の子どもたち。私に「◯◯ちゃんの英語のクラスを受けたい」と言いに来ました。
「うちにいるんだから、オンラインじゃなくて、直接教えてもらえば?」
早速、夕飯時に英語を教えてもらいたいと話をすると、ミニレッスンがはじまったようでした。
それ以来、二人の子どもたちは、楽しそうに英語の手遊び歌を歌っています。
年始から、私は子どもたちと一行交換日記をはじめたのですが、昨日の息子の日記には「明日も英語を勉強するのが楽しみ」と書いてありました。
そしてイタリア車のメーカーに興味がある彼は「ぼくは将来、イタリアに行く」なんて言っていました。
おいおい。イタリアは英語じゃないぞ、というツッコミはさておき。大事なのはそこではありません。
おぼろげながら、何のためにという目的を持ちはじめている、ということです。
楽しみのために学ぶことも大切です。ただ、「何のために」という意識を持てるなら、それに越したことはないと思います。
子どもが興味のきっかけは、だいたい「人」
コロナをきかっけに、オンラインでできる習い事が増えました。
我が家も2020年の休校期間を機にいろいろなサービスを利用してきたものの、未就学児や小学校低学年の子どもにオンラインで興味を持たせることの限界を感じてもいました。
何をやってみても「まぁまぁ楽しい」の域を出なかったのに、ここに来て急に自分から「やりたい」と言い出したわけです。
習い事というと、何らかの知識や技能を身につけることを期待するケースが大半ではないでしょうか。
たしかにそれも大事な一面ではありますが、上達を目指したり、継続したりするには、それを好きな気持ちや目的意識が欠かせません。
自分の内側からそうした気持ちが湧いてくる子もいるのかもしれませんが、多くの子にとって、きっかけは人。
そして、そうした子どもの気持ちを育てることができるのは、親以外の大人とのリアルな関わりでは、と思えてきました。
子どもの頃を振り返ってみると、先生が好きだったからその教科が好きになった。そんなことありますよね。
相性もあるし、もしかすると彼女が帰ったら元通りになるのかもしれない。子どもたちの興味の対象は他のものでもよかったのかもしれない。
それでも、子どもたちが自分で「学びたい」と言い出したのははじめてで、私はそれを嬉しく思いました。
人と人が出会うことってそういうことなんだなぁ、と。
当初、自分たちの楽しみのためにはじめた農家民宿でしたが、親以外の大人とリアルに接する機会は、子どもにも大きな影響がありそうです。
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