見出し画像

「佐伯祐三 自画像としての風景」展へ行ってきました。

こんにちは。mikaです。

先日、大阪中之島美術館で開催されている「佐伯祐三 自画像としての風景」展へ行ってきました。

恥ずかしながら佐伯祐三のことは、30歳で夭逝した画家で「郵便配達夫」を描いた人…ぐらいしか知りませんでした。

佐伯祐三という名前を知ったのは、2006年に開催された「パリを愛した画家たち」という展覧会だったと記憶しています。
ただこのとき、藤田嗣治や萩須高徳の作品はありましたが、佐伯の作品はなく「いつか見てみたい」と思い、名前だけが印象に残っていました。

佐伯の作品の多くは、戦時中に空襲で失われたとのことですが、今回の大阪展では約140点もの作品が展示され、見ごたえ十分でした。

本格的に絵を描いていたのは、わずか4年ほど…。
とにかくすごい勢いで作品を残していたんですね。

彼の作品を見て、思ったのは「傾いている」ということ。

有名な「郵便配達夫」も傾いていますが、ほかの作品でも電柱や建物などが左側に傾いているものがいくつかありました。
何か意図があってのことなのか、それとも佐伯の目にはこのように映っていたのか…などいろいろ想像しながら作品を見て楽しみました。

印象に残ったのは、娘を描いた「彌智子像」。
表情などははっきりと描かれていませんが、とても柔らかく愛らしい感じが伝わってきます。
ピンクの服や光の描き具合によって、明るく暖かい雰囲気が醸し出されていました。

ほかにも、高架の向こう側ににぎやかな様子が見える「ガード風景」、傾きながらもどっしりと構えた「村役場」など、目を惹く作品がたくさんありました。

佐伯は同じ風景を多数描いていることが多かったみたいですね。
「モランの寺」は、複数の作品を見比べることができて面白かったです。一枚一枚表情が違って楽しめました。

今回の展覧会では、多くの作品が写真撮影OKだったのですが、わたしが美術館で写真を撮るという習慣がないため、残念ながら上記の作品はすべて撮り忘れてしまいました…。
文字だけではなんとも伝わらないことだらけですが、お許しを…。


最後の方で、思い出したようにいくつか撮りましたので、少しだけ。

黄色いレストラン
-1928年-

-1928年-

特にこの「黄色いレストラン」と「扉」の2つの作品が見たくて、今回足を運びました。
佐伯が親友に「この2つは売らないように」と言った自信作らしいです。

「黄色いレストラン」はパリの風景の中でもシンプルで、どことなく落ち着いた感じがして好きです。
パリの街を描いた作品は「広告」がたくさん書かれていて、にぎやかな印象のものが多かったので、この作品はほかとは異なる印象を受けました。


けっこう好きだな~と思ったのは「新聞屋」。

新聞屋
-1927-

雑然と並べられている新聞。

なんだかパリっぽくない感じがして、そういえば昔こんな本屋さんが商店街にあったなぁと懐かしい気持ちになりました。

絵のほかに、妻や友人に宛てた手紙やはがきも展示されていました。
そこにしたためられた文章や、文字などから佐伯の人柄も想像できて楽しめました。

大阪展は2023年6月25日(日)までです。

会期の前半と後半では数点異なる作品が展示されるらしいので、時間があえば、後半にも行ってみようかと思っています。


最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今はサポート不要です。もし必要なときがあればお願いするかもしれません。その時にはよろしくお願いします。