見出し画像

私が美術館にいく理由

こんにちは。mikaです。

参加させていただいているメンバーシップ「オトナの美術研究会」の企画「月イチお題note」
5月のお題は「私が美術館にいく理由」です。

理由1:疑似体験できる

美術館に行く1つ目の理由は、「疑似体験ができるから」です。

遠い国の、生きた時代も違う誰かが見た風景や美しいと感じた瞬間を、さも自分も体験したかのように思いを巡らせることができます。

わたしは海の景色が好きですが、海に行くのはあまり好きじゃありません。

夏はうじゃうじゃ人がいるし、暑いし、日焼けするし、それ以外の季節も風が強いし、なんか肌がベタベタするし…という海の良さをまったく享受できないさみしい人間です。

でも、海を描いた作品を見て、陽射しの眩しさや生暖かい風を感じたり、キラキラ光る水面を想像できたりします。自分の好きな感覚だけをいいとこどりして海に行った気になるんです。

ゴッホの「サント=マリー=ド=ラ=メールの海景」
波の音が聞こえてきそう。

そして、「きっと画家はこの作品を描いているときに、こんな風に感じたんじゃないか。」と勝手に想像して楽しむ時間も好きです。


理由2:心をうごかしたい

2つ目の理由は、「心をうごかしたいから」です。

わたしは基本淡々と毎日を過ごしているため、日常生活の中で感情が揺れ動くことが少ない方です。

こどもの頃から、悪いことだけでなく、良いことであっても感情の振れ幅が大きいと疲れてしまうのですが、美術館や博物館の感情の動きは別物なんです。

アンドリュー・ワイエスの繊細さに心をつかまれ、ルーベンスの「パエトンの墜落」の神々しくも荒々しいところに感動し、カレル・アペルの「母と子」に衝撃を受け、藤島武二の「黒扇」の美しさにうっとりする。

自分の理解の範疇を超えたアートを見て、絶句したりするのも楽しいです。
美術館での心のうごきは、一番のストレス解消になっています。

カレル・アペルの「母と子」
緑の人が母…であってる?


理由3:まわりの人の反応が好き

3つ目の理由は、「まわりにいる人の反応を見るのが好きだから」です。

同じ絵を見ても自分とは全く違う印象を持っていると「ああ、この人はそういう風に感じるんだ」と別の視点が得られて面白い。

最近では、メル・ボックナーの石を並べた難解なアート作品を見て、カップルが謎を解き明かそうといろんな推理を繰り広げている様子だったり、佐伯祐三の「立てる自画像」に「あら~、なんでこんなことしたの」と語りかけるおばさまを見てほほえましい気持ちになりました。

お連れの方と感想を言い合うのは、どの展覧会でも目にしますが、ひとりで作品に語りかけるタイプの鑑賞スタイルは関西に多いですね。
(すいません。単なる思い込みかも…。)

わたしは、周りの人の感想や反応も楽しみたいので、誰も何の言葉も発しない静かすぎる展覧会はちょっと落ち着かないです。

理由4:出会いがある

4つ目の理由は、「素敵な芸術家と出会えるから」です。

わたしはアンドリュー・ワイエスという画家がとても好きです。

アンドリュー・ワイエスを知ったのは、中学1年生のとき。
美術の教科書に載っていた作品に一目惚れしました。
※ワイエスの作品を見たい方はこちら(MUSEYのサイトへとびます)

ワイエスの作品を見るために、2021年に岐阜県現代陶芸美術館で開催された「アンドリュー・ワイエスと丸沼芸術の森コレクション展」に行きました。

そこで入江明日香さんの作品に出会い、一目惚れしてしまいました。

「増長天」
かっこよくて思わずポストカードを買い集めてしまった。

新たな出会いや発見は、いつも楽しくてうれしい気持ちになります。


さいごに

あと、これはおまけみたいな理由ですが、わたしはだいたいアクセサリー作りのヒントは美術館でいただいています。

色の組み合わせや、形、線など作品を見て創作意欲が湧くこともありますし、建物や装飾にインスピレーションを受けることもあります。


今まで「なぜ美術館へいくのか」と考えたことはなく、ごく自然に足を運んでいました。「気が向く」という感覚が一番近かったかもしれません。

今回お題をいただいたことで、掘り下げて考えることができました。
ありがとうございました。

わたしは思いのほか、美術館にいろんなものを求めていて、そして思っているより美術館へ行くことが好きなんだなと知りました。

将来は、思いついたときにふらっとその足で美術館へ行く…という生活がしたいなと思っています。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今はサポート不要です。もし必要なときがあればお願いするかもしれません。その時にはよろしくお願いします。