のらえもん

広島でときどきギターを弾いて歌っています。 SoundCloud:https://soundcloud.com/boku_nolaemon

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最近の記事

新しい時代の死兆星

ある日突然に、それは現れた。 「安心の基礎工事で災害に強いお墓を作る!」Yahoo!ニュースのターゲティング広告だ。 以来、お墓のことが頭の片隅から離れない。 ターゲティング広告といえば、きっとわたしは「30代」「未婚」「女性」というセグメントに含まれているのだろう、あらゆるWebサービスで楽天オーネットとゼクシィの広告ばかりがかわるがわる表示される。親より圧が強いぞ。ほっといてくれ! さて、お墓のことだ。お墓ってひとつ建てるのにいくらかかるんだろう。ひとつのお墓に何人が入れ

    • 誰かのために祈るということ

      親友が母になる。嬉しさと少しのさびしさが入り混じった気持ちになるそんなとき、わたしは決まって宮島の厳島神社にお参りに行く。まだ見ぬ赤子よ、どうか元気もりもりで産まれてきてくれよ。そうして、社務所で安産のお守りを授かって友達に渡す。 どうして厳島神社なのか、特に理由はない。ただなんとなく広島といえば宮島さんかな、というくらい。神さまも仏さまもいないと思っているから、手を合わせる相手は誰だっていいのだ。 いるはずのない神さまに祈るなんて矛盾しているのだろうか。そうでもないと思う。

      • 最近読んだ本:きらめく拍手の音

        この本も最近観た映画「きこえなかったあの日」と同じく、仕事の関係で聾について知りたく手に取った。 著者は韓国で活動する映画監督・作家。わたしとちょうど同世代の彼女は、自身は耳がきこえる「聴者」であるが、ろう者の両親のもとに生まれ育ったコーダ=Children of Deaf Adults だ。口ではなく手で、目で、語らう両親の世界を他のどんな言葉より美しいと感じていた。幼い頃から両親ときこえる人の世界の橋渡しをしてきた著者は、周囲の誰よりも早く世の中のことを知り、大人になら

        • 最近観た映画:きこえなかったあの日

          仕事の関係で聾について知りたく、そんな時ちょうど横川シネマで上映されていた映画「きこえなかったあの日」を観た。 東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、そして今なお続くコロナ禍。被災した耳のきこえない人たちを10年の長きに渡り撮影した今村彩子監督は、自身もまたろう者だという。 映画の冒頭、東日本大震災の直後に訪れた宮城での余震、鳴り響く津波警報。「わたしはまったくきこえなかった」という今村監督のナレーションが流れる。これは予想していた。耳のきこえない人にとって、災害時にまず直

          「希望の丘」という歌のこと

          「希望の丘」という歌は自分が作った歌の中でもお気に入りのひとつで、「最低でも100まで生きたい、願わくば200まで生きたい」という歌詞ではじまります。どうしてそう思ったのかというと、生きていくうちに大切だったけど失くしてしまったものやいつの間にか無くなってしまった場所、そしてもう会えない人、そんなのが増えていく。そのぜんぶをひとつ残らず覚えていたい。自分が生きてる限りずっと忘れないよ、忘れないように歌にしておくよ。そんな気持ちでこの歌を作りました。だけど100も200も生きて

          「希望の丘」という歌のこと