大嫌いな夏が来る
ずっとひとりが好きだった。
気持ち悪い子どもだったと思う。
嫌になるほど人の気持ちに敏感な私にとって
世界はあまりにも煩く、重く、冷たかった。
居場所が欲しかった幼少期
なにものかになりたかった10代
何者にもなれなかった、現在。
私だけの優しい世界は、
きらきらでふわふわで
いつもお花が咲いていて、みんな笑顔で、
みんな、みんな、笑顔で。
生き延びたい、夏。
嘘みたいに重く過ぎる時間を、好きに囲まれながら待つだけの夏。
私にとっての生きるって何か。
考えた時に浮かぶのは、
ただひたすらに優しい時間の経過と、
寂しい人間が作り出した人生の断片。
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