見出し画像

【停電】これは可哀想、、、な原因でした。

取引先の不動産屋さんから電話があり、マンションの1室で電気がきていない部屋があると居住者から連絡あったから調査してと依頼されました。
詳しく聞いてみると、突然に電気が使えなくなりしかも場所によっては使えるとの事でした。
居住者さんに電話して分電盤のブレーカーを見てもらうと、全て上向きになっていて電源はONになっているみたいです、これは通常ではあり得ないことが起きてるなと思い現場に向かいました。
現場に到着して、調査してみるとブレーカーは入っているのに電気はきておらず、これは大元だなと思い、分電盤メインブレーカーに接続されている配線(赤・黒)で電圧を測定してみると、赤線は電圧ありで黒線が電圧 0 で電気がきていませんでした。 
分電盤は2列(上下)あり、赤線は上段、黒線は下段です、なので下段ブレーカーに該当する場所が停電していると判明しました。
今度は電気メーターを測定すると黒線が無電圧で、これは建物側の問題だなと電気設備を見てみると該当するブレーカーのヒューズが切れていました。
ブレーカーのヒューズ? と思われたら正しいです、現在のブレーカーは NFB (ノーヒューズブレーカー) が使用されていてブレーカーが落ちても上げれば復旧します。
築年数がかなり古いマンションでしたので前時代なカバー付ナイフスイッチのブレーカー設置されていて、内部に金属の板ヒューズがありそれが切れていたのです。
ヒューズが切れる原因は電気の使いすぎですが、建物の設計上そうならないようになっているはずです。
現場マンションは各階に2部屋あり、連絡があった隣の部屋も電気がきてないはずなので、ピンポンしましたが返事がありません、不動産屋さんに連絡とってもらうと学習塾として使用していて居住していなかったのですが、事情を聞いて現場に来てくれることになりました。
隣の部屋もやはり停電していましたが、分電盤を見て原因が判明しました、メインブレーカーが50Aだったのです。
最初にみた部屋の分電盤は30Aで、マンション設備のブレーカーは60Aでした。
30A + 50A = 80A ですから 60A を越えてしまってヒューズが切れたのです。
設計では 30A + 30A = 60A だったはずなので、話を聞くと学習塾をするのにリフォームをしたとのことなので、電気工事で分電盤を交換したのでしょう。
調査依頼があった前日が大寒波がきた日だったのでエアコンや電気ストーブをたくさん使用して電気容量がオーバーしたのが原因でした。
原因が判明したので、ヒューズを交換して(今時、板ヒューズ探すのに苦労しました)学習塾の分電盤を30Aに交換してもらうよう説明して完了しました。
可哀想なのは学習塾オーナーさんです、お金を出してリフォームしたのに電気容量を下げないといけなくなりました。
後日、別件で今度はテナントビルでエステをしてるオーナーから部屋のブレーカーは入っているのに停電したと連絡があり調査してみたら、テナントビルのブレーカーが30Aで、部屋のブレーカーは50Aでした、なので分電盤交換の必要がありますが、電気容量をおとすことになるのでエステの機械を使用するのに制限がかかるようになってしまいました。
どちらのケースも事前に調査しておけば問題なかったのですが、業者の認識不足でおきた事例です。
築年数が古いマンションなどで電気設備が対応していない為、IHクッキングヒーターが禁止されているところもあります。
マンションやビルなど契約する前に電気・水道・ガスは確認しておくのが最善だとおもいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?