楽譜上の運指をどこまで信じる?

こんばんは!ノキアです。
最近も色々と本を読んでいますが、面白かったと思う本は、
『プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる(尾原和啓)』です。
内容としては、今後は成果物や完成品を中心とした経済から、それらが作り出される過程に価値があり、その過程が経済の中心となるというものです。
実際に、世の中を考えてみるとYouTubeの配信では作業の配信が人気であり、商品も環境などに配慮しているという製造過程が消費者に訴求されてくるなど、本の内容については納得させられる点が多いです。面白い本なので、是非読んでみてください。


●楽譜上の運指をどこまで信じる?


曲を練習するときには、その曲の楽譜を見て、さらに運指が書かれていればその運指を参考にして練習をしています。しかし、この運指にも疑わしいものがあり、例えば開放弦で鳴らせる音をわざわざ押弦していたり、和音を押さえづらい高フレットの押さえ方が書いてあったりなどです。こういった運指に出会ったとき、どこまでその運指を信じれば良いでしょうか?

結論としては、運指は自分の思うように変えてしまっていいと考えています。理由は後に書きますが、まずはそもそもの運指というものについて、少し深掘りしていきます。

運指自体は作曲者がつけた運指と第三者(校訂者)がつけた運指に分かれます。作曲者が自分でつけた運指であれば、そこに作曲者の意図があると考え、運指を直すことあまりしないです。和音の響きを考えた結果、開放弦だと他の押弦した弦の音とバランスが取れないなど、作曲者ならではの考えや想いが運指として楽譜に反映されていると考えるからです。とはいえ、本当にこの運指で正しいのか疑問に思うこともしばしばあり、信じていいものかと悩みます。

一方で、作曲者ではない第三者(校訂者)が楽譜に運指をつけた場合、それは校訂者の考える運指であり、作曲者の意図とは関係なしに、校訂者が弾きやすかったり、効率や音の響きが良いと考える運指に変えられてしまっていると思ってしまいます。そうかといって、楽譜上に何の運指もなければ、全て手探りになり、練習するのにかなりの時間がかかってしまうので、それも効率が悪いです。

この悩みを解決するヒントとしては、レオナルド・ブラーボさんの公開レッスンを聴講したときに聞いた『運指から音楽を作るのではなく、音楽から運指を作る』という言葉だと思っています。
意味としては、楽譜に記載された運指を考えずにそのまま弾くのではなく、全体の流れを踏まえ、その音楽を表現するに相応しい運指を自分で考えて、自分なりの運指を楽譜につけるというものです。

先に述べたように、楽譜に書かれた運指は作曲者や校訂者が考える表現を実現するための運指であり、それは自分が表現したい音楽とは異なるかもしれません。そういった時は、無理に書かれた運指を守るのではなく、自分が表現したいことを実現できる運指に変えてしまえばいいのです。

この言葉を聞いてからは、楽譜に書いてある運指を一度は弾いてみるものの、その後は自分で工夫することに抵抗がなくなり、より楽譜を理解しながら演奏できているのではないかと思います。運指ついての考え方は様々ではありますが、こういった考えもあるのだと参考にしていただれば嬉しいです。

この記事を書いた理由ですが、先生と運指について話をしたので、記事にしてみました。今日のレッスンで次の課題曲を決めることに、事前に曲を弾いた上で私から提案をしました。すると、たまたま先生も同じ曲を研究しており、楽譜に記載されている運指に疑問を感じ箇所が多かったと二人で盛り上がったので、改めて自分の考えを整理したかったからです。

●レッスン記録


2022年9月24日
【レッスン曲】
1: 25のエチュード Op.60-11/M.カルカッシ
2: ジムノペディ No.1/E.サティ F.クレンジャンス編

・25のエチュード Op.60-11
休符が多いことと、左手の指の動きの複雑さとそれに右手が追いつかないことでの弾きづらさ、この3点が課題となりそうです。
4分の2拍子なのでテンポはかなり早い曲であり、実際に早いテンポで練習すると途端に演奏が崩れてしまいます。最初は暗譜して指を動かすことに集中しようと思いましたが、曲として捉えづらくそれは難しかったので断念しました。
この曲に関してはメトロノームをテンポを維持しながら練習を重ねるしかなさそうなので、頑張っていきたいと思います。

・ジムノペディ No.1
曲のテンポなどは良くなってきたのですが、課題はオクターブハーモニクスの音量となっています。先生にオクターブハーモニクスの鳴らし方について指摘があり、人差し指(i)と薬指(a)が近づき過ぎており、そのままだと大きな音が鳴らせないと言われました。試してみると人差し指(i)と薬指(a)が近いとあまり大きな音が鳴らず、離してみると大きくはっきりと鳴らすことができました。
オクターブハーモニクスを他の音一緒にならずので中々和音の方に意識が行きがちですが、指を広げて鳴らす練習をして、しっかりと演奏できるようにしたいです。


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