見出し画像

ZORN式ライミングとは〜言葉を伸ばし縮めることによるライミングの可能性の拡大〜

Noke(ノーク)

ラッパーのZORNさんみたいなラップがしたい！という方。是非この記事を読んで実践してみてください。


こんにちは！
韻大好きラッパーのNokeです。

ラップが上手くなりたい！という方やラップについてもっと知りたい！という方向けに記事を書いております。



今回は、「ZORN式ライミング」と銘打って記事を書いていきます。

ZORNさんが好きな方も名前を知ってる程度の方も全然知らない方も是非読んでください！

ZORNさんのオリジナリティやその技法を知ることができると思います。



では、参りましょう！

(1)ZORN式ライミング①
「音を伸ばし、縮める」

音読しただけでは韻を踏んでないように聴こえる単語を「音を伸ばしたり、縮めたり」することで韻として成立させることができます。



「音を伸ばす」の具体例

ZORN「Have A Good Time feat.AKLO」のバースより

インスタ映えしないディープな夜景
誰がビームスなんて行くかハゲ


「インスタ」「ディープな」(i-ua)という韻に対して、「行くか」を「行ーくか」と伸ばすことで韻として違和感なく繋がりましたね。



「音を縮める」の具体例

AKLO＋NORIKIYO「百千万(Remix)feat.般若&ZORN」のバースより

百千万　覚醒剤より
ぶち上げるまるでマツケンサンバ
いつかラスベガスでBirthday Bash
でもいくら稼いだってカップ麺買う
バース蹴りゃ燃えてるカンフー映画
熱さで壊れるサーキュレーター
その街からなくなるアクエリアス
ライブに来た学生は学級閉鎖

注目してほしいのは「カップ麺買う」「カンフー映画」「サーキュレーター」などの促音「っ」や発音「ん」、長音符「ー」の部分を縮めています。

それによって冒頭の「百千万」と上手く韻を踏めています。


-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

(2)ZORN式ライミング②
「韻をひたすら並べる」

ZORNさんといえば、なんといってもあのバースを埋め尽くすほどの固いライミングですよね。
例えばAKLO「カマす or Die feat. ZORN」のバースより

国産の昆布ダシ　奥さんも文句なし
評判を呼ぶ歌詞　冗談も上手だし
ようは超DopeなShit コンサート即満員
でも日曜は動物園でゾウさんと撮る写真

韻のところを太文字にしてたら、ほとんどの文字が太くなりました笑

長いかつ固い韻で構成されたバースは圧巻です。

ちなみに、ここでも①「言葉を伸ばし縮める」テクニックが使われてます。

具体的には「昆布ダシ」が「こぶだし」、「文句なし」が「もくなし」、「上手だし」が「じょずだし」と言葉が縮められてます。


👇「長い韻の踏み方」については👇
👇下記の記事をご覧ください👇


-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

(3)ZORN式ライミング③
「韻の飛距離」

「韻の飛距離」とは、「母音の同じ複数の単語の意味がかけ離れている状態」のことを指します。


👇「韻の飛距離」については👇
👇下記の記事をご覧ください。👇

-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

(4)①〜③を使ってラップを実践！

ということでZORN式ライミングを簡単に説明したところで、応用編！
①〜③のスキルを使って、私Nokeが歌詞を書いてみました。

暑さをお供に花火バーベキュー
馬鹿になってく程笑い合える
夜中にランデブー嫁とサガミ買ってくる
ベッドに寝そべり朝日が出る
でも今じゃ所帯持ちパパになってる
"野菜"買ってないで働き稼ぐ
悪友達とベランダ　420吸ってる　より
幸せ半分　家族とチューペット

もちろん、なかなかZORNさんの足元には及びませんが、テクニックとしての要点は押さえました。

①「バーベキュー」を「バベキュー」、「チューペット」を「チュペット」と縮める。

②(aaiaeu)の母音で9個韻を踏む。

③「420（おおきな麻のこと）より庶民感溢れるチューペットを家族と分け合って吸う」という韻の飛距離。



ですが、やはりZORNさんの声質や生き方、経歴等様々な要素が重なってあの魅力ある楽曲になってることが分かりました。

同じことをしてもカッコよくならないのがラップの面白いところですね。

ですが、テクニックとして覚えておくと、自分の作品にも活かせると思いますよ。


-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

(5)注意点①
「言葉を伸ばし縮める」ことで
カタコト日本語に聞こえる

「言葉を伸ばし縮める」をやり過ぎると不自然な日本語に聴こえます。

カタコトの日本語やロボットのように聴こえ、そのため、日本語のよさや人間らしさが失われます。

これは、トラップでもよくあることです。無機質なラップを狙うなら多用するのもアリだと思います。


-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

(6)注意点②
「同じ母音の長い韻」ばかりだと、
しつこく聞こえる

同じ韻をバシバシ決めるのはめちゃくちゃ気持ちいいです。

しかし、聴く人によってはしつこく感じることも。


原因は
1.同じ母音の長い韻だけ使ってる
2.韻を置く位置が(小節の)同じ箇所ばかり

その為、改善策として
1.長い韻の間に短い韻を挟んで印象を変える
2.長い韻を置く位置を前後にずらすことでリズムを変える


等によって韻のマンネリを防ぐこともできます。

もちろん、同じ母音の長い韻をあえて並べ続ける面白さもあるので、表現したいものによってやり方を選んでくださいね。


-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

(7)まとめ

ということで、今回はZORNさんのライミングについて、僕なりに書きました。

「他にもこんな特徴があるよ！」等ありましたら、是非教えてください！

他にもラップスキル向上の為の記事を書いてます。是非ご一読ください👇👇👇


最後まで読んでいただきありがとうございました。
Nokeでした！



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？