薬剤師の転職市場について(市場と年収)
・はじめに
私は前職を退職する以前からフォロワーさんや友人など様々な方から転職相談を受けており、結構な方が転職について悩んでいたり、情報がなかったりするんだなと思ったので、今回は
『薬剤師の転職市場』について書きたいと思います。
転職のことについては、求職者側の薬剤師の立場も経験しましたし、求人側の企業の立場も経験しているので今後それぞれ投稿していきますね。
(ちなみに私は採用担当時代年間250名以上のペースで面接をしていました。
面接官の経験は薬剤師の中でも多いのではないかと思います。)
・薬剤師の転職市場
最近は、コロナが落ち着いてきて転職市場もある程度復活してきたように思います。
コロナ前の2018年の有効求人倍率は5.84倍(医師・薬剤師含む)ととても高かったですが、コロナ禍に入り、処方箋枚数も落ち込んだ関係等から2021年10月時点では1.89倍にまで下がりました。
しかし、2023年6月時点で2.98倍(医師・薬剤師含む)に回復しました。
徐々に有効求人倍率が戻ってきているとはいえ、コロナ禍以前に戻ることはないと考えられます。
調剤報酬改定で点数が上がっている対人業務への加算がされているものの、改定ごとに総合的に下がる傾向があるため、どう考えても経営が難しく、なかなか人員を増やすということにはつながりにくそうです。
調剤報酬改定を絡めた薬剤師の転職についても今後書きます。
出典:職業別一般職業紹介状況[実数](常用(除パート))|厚生労働省
薬剤師以外の職種との比較
上で、有効求人倍率のお話をし、薬剤師の転職は難しいのかなと思われた方もいらっしゃると思います。
しかし、それでも薬剤師という資格がある以上、一般の職業と比較するとまだまだ売り手市場です。
有効求人倍率の比較をすると、薬剤師は2023年6月現在で2.98倍に対し、全職種の平均は1.20倍です。
出典:職業別一般職業紹介状況[実数](常用(除パート))|厚生労働省
圧倒的に薬剤師は恵まれた職業と言えるでしょう。
皆さんは薬学生時代の就職活動の時に何社面接を受けましたか?
おそらく、面接すら受けていない方、1社しか受けていない方も少なくはないのではないでしょうか?
ほとんどは2〜3社受けたという方が多いのではないかと思います。
比較的少ない労力で就職先を決めることができましたよね。
実際資格を持っていなかったりする文系学部は20社以上エントリーし、それぞれの企業での選考もエントリーシートの提出、適性検査、面接選考(1次、2次、役員面接)など、内定を獲得するまでのステップも多いです。
それと比べると、薬剤師は学生時代から競争も少なく、就職活動を文系学生並みに本格的にされていた薬剤師の割合は少ないです。
薬剤師という職業は学生時代の就職活動から就職しやすく、就職後の転職の際も変わらず2〜3社受けてどこかに決まる方が多いです。
いい資格だなと本当に思います。
・薬剤師の年収
ここで、薬剤師の平均年収を見ていきましょう。
薬剤師の年代別平均年収
薬剤師の平均年収を20代、30代、40代、50代、60代それぞれ性別を分けて記載します。
薬剤師の平均年収は年代や性別によって異なります。
30代で男女で差が出ているのは男性の方がマネージャー以上のポジションで活躍している割合が多かったり、女性は出産育児等のライフイベントもあり、フルタイムで勤務できない方も増えるためと考えられます。
40代ではさらに開きが出ており、キャリアを順当に積み重ねられやすい男性の方が昇級や勤務時間が多いため高くなっていると考えられます。
都市部や業種、職種によっても年収に差があるため、具体的な条件や状況に応じて年収を比較することが重要です。
私自身女ですが、出産育児等のライフイベントでキャリアを全力疾走できなくなるのはとても悔しいです。
中には、出産育児を経ても戻るポジションを空けていてくれたり、別のポジションを用意してくれる会社ももちろんありますので、男性も女性もライフイベントもキャリアも充実できる自分に合った会社で働けるのが一番ですね。
薬剤師の職種平均年収
薬剤師が主に活躍している職種やポジションごとの平均年収です。
製薬会社はMRは高くなる傾向があります。
製薬会社以外は一般職の時点で、病院・調剤薬局・ドラッグストアで違いが出ており、同じポジション名でも調剤薬局かドラッグストアで開きがあります。
各職場、各ポジションの平均的な年収ですので、ここから大きく上がったり下がることはないと言えます。
逆に、少なすぎる場合は、一度上司に相談しても良いかと思います。
薬剤師の平均年収の推移
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」に基づく過去5年間の薬剤師の平均年収の推移は以下の通りです。
過去5年間の薬剤師の平均年収は、連続して上昇していることがわかります。2022年の平均年収は5年前よりも36.6万円の上昇となっています。
薬剤師の平均年収が増加している理由
薬剤師の平均年収が過去5年間で上昇している理由は、以下の要素が関係しています。
・薬剤師の需要増加:
高齢化社会や医療の進歩に伴い、薬剤師の需要が増えています。
需要の増加により、薬剤師の就職や転職の機会が増え、競争力が高まっていることが年収の上昇につながっています。
・労働環境の改善:
薬剤師の労働環境が改善されてきています。
労働時間の短縮や休暇制度の充実など、働きやすい環境が整備されている職場が増えています。
これにより、薬剤師の働きやすさや福利厚生が向上し、年収の上昇に寄与しています。
・薬剤師の役割拡大:
薬剤師の業務範囲が拡大しています。
薬剤師が医療チームの一員として積極的に患者ケアに関与し、薬物療法の管理や薬剤情報の提供など、幅広い業務を担当することが求められています。
このような役割の拡大に伴い、薬剤師の専門性と責任が評価され、報酬が増加しています。
・薬剤師の専門性の評価:
薬剤師の専門性や知識の重要性が認識され、それに見合った報酬が支払われるようになってきました。
薬剤師の役割が医療現場で重要視され、その専門性に対する評価が高まっていることが年収の上昇につながっています。
これらの要素が組み合わさり、薬剤師の平均年収が過去5年間で上昇していると考えられています。
・薬剤師の転職のメリット
薬剤師が転職する際のメリットは以下のようなものがあります
・給与の向上:
転職によって給与が上昇する可能性があります。
転職先の職場や業種によって異なりますが、給与アップを目指すことができます。
・キャリアアップの機会:
転職によって新しい職場での経験やスキルが増え、キャリアアップの機会が増えることがあります。
また、転職先の職場での人間関係やネットワークが広がることで、将来的なキャリアアップの可能性が広がることもあります。
・働きやすい環境への移行:
転職によって、自分に合った働きやすい環境や職場を選ぶことができます。
労働時間の調整や福利厚生の充実など、自分のライフスタイルに合った職場を見つけることができます。
・ワークライフバランスの改善:
転職によって、労働時間や休暇制度が改善されることがあります。
自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現することができます。
・新たな挑戦と成長の機会:
転職は新たな環境での挑戦と成長の機会でもあります。
新しい職場や業界での経験を通じて、自己成長や専門性の向上を図ることができます。
上記のメリットを考慮して、転職の検討ができるかと思います。
ただし、転職にはリスクや調整が必要な場合もあるため、慎重な判断が必要です。
転職をおすすめしない人
基本的に転職をおすすめしない方は下記のような方になります。
以上のように、転職をした方がいい人と転職をしない方がいい人がいます。
転職をする場合は、自分自身の状況や目的に合わせて、考えることが大切です。
・まとめ
具体的な数字を出して、薬剤師の転職市場の動向について書いてみました。
キャリアアップも転職も年収アップにも繋がるようですね。
自分にフィットした職場でキャリアも年収もアップできるのが理想ですね。
個人的に相談にも乗っていたりするので、DMやメッセージを使いやすいSNSからお気軽に送ってくださいね。
次回もお楽しみに〜🫶