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呟きもしなかった事たちへ_No.43(2023年1月号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら索引もあります。

「勘定奉行」のCMのあの人、しれっと代替わりとかしてるんだろうか。

今月も、呟きもしなかった事たちへ。

縁起物

酉の市に例年行って熊手を買っていたのだけれど、ついに買うのを止めた。一番の理由は酉の市に行ってもピンとくる熊手が無かったからなのだけれど、この2年を経て酉の市自体が変わった事を感じたからというのも大きい。世相も僕らも変わっていくのだから、縁起物も変わっていっていい。そしてこうして書いていて思い出したけど、縁起物を買う経緯の過去記事に出てくる祖母も2022年に亡くなったのだった(改めてこの記事に出てくる祖母の発言、本当に最悪で笑える)。

さて、それはそれとして、単に「止める」のではなく「やり方を変える」としたい以上、新しい縁起物を野地家として改めて考える必要がある。

ワンタン

ワンタン、好きなんだけど、食べる機会が難しい。立ち食い蕎麦があって、ラーメン屋があって、スープストックがあるのに、ワンタン屋は無い。

小腹を満たすのによく、味が良いのだけれど、どうにもワンタンは食べる機会は少ない気がする。確かにそれだけでツマミとして酒が合う訳でもない(餃子や焼売とはわけが違う)し、単品で食事をどうにか出来る訳でもないので、結局ワンタンメンにするか、コースの一品で食べるかしかない(あるいはマルちゃんのワンタンスープか)。立ち回りが難しい。いや絶対もっと行ける気がするんだけど。

マグネット

かなり初期のFitbitを使い始めてから2年らしい(と索引で調べて確認した)のだけれど、今年だけで3回もバンドが切れた。1つは老朽化、2つは野球やった時の衝撃でバンドの付け根のプラスチックが砕けた。君は…フィットネス器具なんじゃないのか…?と疑うくらいFitbitはスポーツに向いていない。多分Fitbitの言うフィットネスは、もっと哲学的なモノなのだろう。

いずれ、対策としてバンドの付け根が金属のものにしたくなり、その結果マグネットタイプのバンドになった。おかげで壊れなくなって一安心ではある。

壊れなくはなったのだけれど、手首に磁石がついていると、変な所で手首が磁力で吸われる事に気づいた。会社のデスクにも鉄板が入っているらしいし、皿洗いしていてステンレスのシンクに腕が吸い寄せられたときはちょっと驚いた。腕に変な力がかかるのが面白い。そうか、鉄って色々な所にあるんだな(当たり前)。

ワーケーション

12/26-28の2泊3日で沖縄に行った。26日に早速ガッツリ飲んだので、27日は嫁は二日酔いのなか、さらりと8時に起床してAMに仕事をした。ちなみに28日も早めに起きてメールチェック&返事をしたけれど、まぁこの日は流石にメールが少なかった。

ワーケーション、業務量が適切で、かつ時間が変でない(時差のある会議などが無い)のであれば、全然できるなとは思う。残業が前提となると色々おかしくなってきそうだが、定時上がり&ホテル勤務(通勤時間なし)であればそれなりに遊ぶ時間は取れる。

だがその前提で業務が出来ている時点でそもそもバケーション状態ではないか?という気もする。

沖縄の夜

沖縄にいた際は那覇に2泊したのだけれど、市場本通りからむつみ橋通り、平和通り辺りはなんというか、限界ギリギリで凄かった。全体としてはもう建物としても個々の商店の経営者たちの年齢としても終わりが近くて、廃墟と営業中の店が混ざり合って存在するような有様なのだけれど、その中に若者がやっている店や飲み屋があって、そこに若者がいて、飲んで喋って歌っていた。冒頭の写真は、左右の建物の裏は廃墟である。どうなってるんだ。

そういう世界観で、流しの三線引きがいて異様に上手いからストリートでやっているのかなと思ったら客引きなうえ、名刺をもらったら「今やっている客引きとは別に、紹介できるお店リスト」が書いてあった。無法過ぎて笑う。なんていうか、そういう街なんだな。

強気

沖縄で飲んでいて気付いたのが、ハイボールとかを濃くする際に「濃い目で」とかではなく「強気で」という事だ。

はじめは20代の子が言っているだけで、そういうものか程度に聞いていたのだけれど、30代くらいの飲食店店長同士でも「強気で」と言っていたので、多分沖縄で割と流行っていそうだ。

なんかいいな、強気で。

身体性(2022年振り返り1/2)

12月3日にななしふぇす2022JUMP!の現地S席に行ってきて感じたことについては、下記に書いている。

ちなみにこれに関しては、柴田勝家さんがあまりにもベストなタイミングで新作を発表していて、どうしようもなくなった。併せて読んでほしい。


上記二つとも12月というタイミングもあって、そもそもの今年の抱負に対する集大成のようなイベントだった。(今年の抱負は↓)

上記の柴田勝家の話とも絡むけど、結局、まだ僕は胎界主の4大要素(「いのち」「こころ」「ことば」「からだ」)における「いのち」が見えてほしいし、その「いのち」の見え方にはどうにも「からだ」という泥臭さが必要だ(多分僕に限らず、社会的にもまだ価値はありそうではある)。そういうものを追っていく必要はやはりあるのだろう。

1年振り返ってみて、今年は相当に無茶なスケジュールを入れていた。月~金は新入社員の面倒を見ながら仕事をして、土曜から日曜日は秘密基地プロジェクトとその前後に野球を入れる、日曜午後に余裕があれば映画を見に行ったりする、というスケジュールでやっていた。無茶苦茶な体への負担で、仕事が忙しかった10月についに一度リアルに血を吐いた。ただ、上期振り返りでも触れていたのだけれど、結局は単純な肉体的な疲労よりもストレスの方がよっぽど問題だったし、それはexitが出来るか否かという問題なのだと思う。元気なら他のアクティビティーにexit(リフレッシュ)出来るし、体が元気じゃないなら休む(あるいは倒れる)というexitも出来るのに、ただ精神的なストレスだけはexitが出来ず人を蝕む。

こうした発見を踏まえると、2023年のテーマは精神的な逃走となろう(逃走自体は何度か書いてるのだけれども)。

無知と愛(と無知)(2022年振り返り2/2)

2022年は年初から野球をはじめ、7月からマジック・ザ・ギャザリング(MtG)を始めた。どっちも始めたばかりだから当然初心者だ。

野球にはプロ野球や社会人野球から草野球まであり、草野球は本格的なチームから僕が所属するお遊びなチームまで存在する。MtGは様々なルールが存在する中、お遊びパウパー(一応ネットではVパウパーを名乗る事にした)をやっている。

どっちも本格的な事はしていない。それでも、分かる事は増えた。野球は前からプロと社会人野球を見ていたけれど、プロの技のプロたる所以を理解したし、マジックもやべーデッキのヤバさを理解できるようにはなった。

自分がうまくやれなくても、すごさは分かる。それは無知を自覚した事による世界への愛であろう。それでいいと思う。知らないジャンルに関するすごい物や、あるいは身近なクオリティだからこそ感じるフレンドリーなパフォーマンスをネットでダラダラと見るより、自分で触ってみたジャンルを増やす方がいい。そうして世界と触れていかなければならない。

とはいえ、無知が勝手にドカドカと新しい世界に踏み込んでいくのも無礼となる事もある世の中だし、そもそも新しい領域を増やしていくのも大変な事ではある。そこはそれ、改めて自分がまだ触れていないジャンルも、触れれば面白い(可能性が大いにある)という事を知るにとどめるという方がいいかもしれない。

2023年に向けて

さて、この2022年の振り返り2つを嚙合わせると、恐れずに飛び込み、恐れずに逃げ出す話になる。そういう姿勢は無責任とか尻軽とかそういう形容詞が似合うし、極端に言えば、ミーハーにトレンドを消化してはそのまま消え去っていきまくる人も肯定する話な訳で、あまり世の中でいい顔されない話でもある。しかし、世の中で良い顔をされなくとも、こうして整理してみればそういうスタイルもあるよねとは思う(去るにしても覚えていればいいのだ)し、今まで書いてきた話に近い部分もある。

案外、そういうものかもしれない。「思ってたのと違う」事に未来はある。こうやって、ほの暗くも世の中を肯定していく、おっかなびっくりな姿勢で、それでも最後には明るくやっていきたい。自分の態度(特に明度)がバラバラだが、2023年もそういう未来を生きていくのだろう。

今年もよろしくお願いいたします。

↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。