呟きもしなかった事たちへ_No.1(2019年8月号)

初めに(この企画について)

Twitter、面白いなぁと思って続けている。人が普段何を考えているかが可視化された事だけでなく、ポテチを食べる手が止まらないように小さなコンテンツを消化し続けてしまう事が露呈したし、もっと言うとTwitterを意識した考え方…いわゆる「これウケそうだな」という視点・視座・言葉遣いなど…が浸透していく様(がさらに可視化された事)など、フェースブックやインスタグラムと同様に人々の生活を変え続けているものだと感じている。(そして同時に、Noteの「人の無意識を変える力は無い」感じを、安心している。)

だが、常に携帯を握ってはいられない訳で、Twitterに染まった脳で考え事をしていても、呟けなかった事は多い。買い出し中とか、仕事中とか、料理中とか、シャワーを浴びている時とか、人生を形作る時間の中に呟く事の出来ない時間は存在する。

そして同時に、大体そういう時に考えていたことは、「さっき考えてたんだけど」というような書き振りでTwitterに書いても仕方がない。そうして「呟かなかった事たち」は生まれていく。

そういうものは夫婦とか、あまり面白い話をする必要が無い近しい友人との旅行中とか、そういう所で消費していくものかと昔は思っていたのだが、Twitterと同様に手のひらにはコンテンツがあふれ、「呟かなかった事たち」をわざわざ消費するシーンは減っているのが現状だろうと気づいた。「呟きもしなかった事たち」は静かに消えていく※。もったいない。

Noteぐらいが具合が良いのではないか。先の通り、無意識に全然働きかけないNoteで、作業の合間のストレッチ感覚で、「呟きもしなかった事たち」を供養していけば良かろう。読む人は是非「これは何もない話だぞ」と覚悟を決めて時間を浪費してほしい。小ネタの集合体で2000字程度、月1ぐらいで出していく予定だ。

※消えていく、と書いたが、日常ネタをエモく書いていて評価されているNoteもあるので油断ならない。

オロナミンC

先日オロナミンCを会社の自販機で買った。出てきたオロナミンCはものの見事に頭から逆立ちした感じで取り出し口に引っかかっており、まるで地面に刺さったようで笑ってしまった。

笑ったはいいが、「これは吹きこぼれる奴では?」と思いハンカチを用意しながら開けた。子供の頃はオロナミンCというと自販機で買った直後に開けてドバドバと泡が溢れさせたものだったからだ。しかしポンという音とともに蓋を開けたものの、何の反応もない。こんなものだっただろうか?

炭酸が弱くなったかどうかは、むしろ昨今強炭酸を売りにする飲み物が多く判別がつかない。ただただ、子供の頃と違う手応えの瓶が左手にあった。

ぼんやり調べたら勢いよく噴き出して自主回収という事が去年あったらしい。特にこれ以外の記事や説明はないが、吹き出しが弱くなるように調整しているのだろうか?

カードの音

スイカ、WAON、エディといったメジャーなものだけでなく、最近は比較的小さなスーパーマーケットチェーンがオリジナルのIC決済カードを作っていたりする。そしてIC決済カードの音はどういう訳か似通わないように、被らないようになっている(ピピッ、シャリーン、ワオン!など、全部違う)。おそらくは「どのポイントで払ったかの確認が出来る」事を目的としているのだろうが、問題は後発組はまともな音が使われすぎていて変な音にならざるを得ない事だろう。そんな訳で近所のスーパーマーケットがポイントカードから切り替えたIC決済カードでは、

「デェン!」

という音がした。どう聞いてもエラー音だ。Windowsで鳴ったら即座に「キャンセル」を押すタイプのウィンドウが出る。しかもレジは複数ある。

「デェン!」「デェン!」「ありがとうございましたー」「デェン!」

心臓に悪いな、と思っていたのだが、ある日気が付くと音が出なくなっていた。やはり苦情もあったのだろうな、と思う。

冷やし麺

冷やし中華も、そうめんも、今シーズンはろくに食べなかったなぁと思う。もっと言えば、年々食べなくなっている気がする。

外の暑さがとんでもない事になって、家ではクーラーをつけ続けていると、結果的に「暑いから冷たい麺にでもしよう」とならない。大体せっかくクーラーをつけているのに麺を茹でる気にならない。エアコンが無い(あるいは今ほど使う必要に迫られていない)時代の「暑さ」の中の食べ物だったのではないかという気もする。

そうすると、いわゆる家食で食べなくなり、外の暑さが身に染みる時=外食事の食べ物になっていので、期せずして「ハレ」の食べ物になっていく事になる。コンビニの冷やし麺の豪華化もそういう事なのだろうか。冷やし中華とか、きくらげまで乗っていて驚く(そうした気遣いを他の弁当でも見せてほしい)。しかし仮説としていまいちピンとこない。

大体「冷やし中華食べに行きましょうよ!」みたいな話も聞かない。もしかして僕以外もあまり食べなくなっているのか?どうなのだろう。

↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。