一番近かった日々(1)

赤れんがギガネットを間借りした件について書こうとすると数回にわたってしまうことははっきりしていて、書き始めるのにけっこう覚悟が必要なんです。

赤れんがギガネットというのは道庁の、実は庁内LANの愛称なのです。
ですから、これを民間の、しかも泡沫ネットベンチャー企業が触るというだけでも本来大ニュースなのです。
内実としては、HOTnet(北海道総合通信網株式会社)さんの広域イーサネットサービスで、まぁそんな成り立ちですからそれを「間借り」といっても、技術的には間借りではなくて広域イーサネットサービスの方に追加設定される、というだけのことなのですが、その費用面を「赤れんがギガネットの実証実験」だということで2年間見てくれたということですから、やはりこれは破格のプロジェクトだったのです。

2004年秋から2006年秋まで実施された「赤れんがギガネットを活用したブロードバンド基盤実証実験」というのがこのプロジェクトの正式名称です。
どういうベースだったか忘れてしまったのですが「道の委託(採択)事業」だったと記憶しています。
道庁側は、北海道という通信基盤整備後進地域にあって西興部村やニセコ町などの成功事例を見てPFI方式での「通信基盤整備」にきっと期待感があったのだと思います。
HOTnetさんにとっては広域イーサネットサービスの顧客拡大・販売促進につながればという思いがあったでしょうし、私たちにとっては地域IXの実現に向けた野望がありました。

これが、これまでで私たちにとって地域IXの事業化に、そして北海道が強力かつ完全な機能を具えた情報基盤を持つに至る、もっとも近かった日々だったかもしれません(続)。

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