大石憲且

札幌で1997年からICTソフトウエアエンジニアリングの企業を経営しています。事業経営…

大石憲且

札幌で1997年からICTソフトウエアエンジニアリングの企業を経営しています。事業経営と組織運営についてここに残していこうと思っています。

最近の記事

  • 固定された記事

ICT業界でソフトウェア開発事業をするということ

二十余年、現職にあってICT業界でソフトウェア開発業を事業にするのはとても難しいと感じます。 なにが、それと、なぜなのか、どう理解し、どう対応すべきか、少しずつ書きためていこうと思います。 IT業界は、古くから、当然に「ソフトウェア開発を専業とする事業体・事業の形」があり、業界エコシステムから採用などの流れ、さらにはマインドセットも存在するように思われます。 が、ICT(通信)業界は少々違う気がします。 ICT業界では「ソフトウェア開発を専業とする事業体」は存在し得るでし

    • 「試金石」

      先日、前後の脈絡なくほぼメモとしていくつか経済ニュースを記したのですが、まぁいつものことながら(笑)書き漏れがあるもので、だいたい「ま、いいか。また今度」みたいな感じなのですが、今回は気になって忘れる前に書き留めておきたい、という話題がひとつありまして、書いておきます。 この日記で継続的に取り上げているいくつか、というかほぼすべての話題の要素を含んで推移しているこちらの企業の今後を、いわば私自身の考察、検討の答え合わせとして注目しています。 現在進行形で進んでいる話しでもあ

      • 見ないことにしている?

        冒頭、どうしても書き留めておきたい報道を記しておきます。 今週初めのことですが、まずは為替相場。 次に、物流とコンピューティングと電力のイノベーションに関わる話し。 もうひとつ、AI開発の話題。 それぞれそのうち取り上げたいと思います。 さて。 先日さる研究会に出席した折、発表者に対して会場から「開発動機が需要(ニーズ)に基づいている点が良い」といったコメントがありました。 いわゆる「プロダクトアウト/マーケットイン」という話し、ということになるでしょうか。技術に根拠

        • 青くさくなきゃやってられないさ

          事業家の目指すところはつまるところ大なり小なり「社会のカタチ」に何かしら働きかけたいという思いなんだろうと思います。 一昨年でしたかあるアニメ作品のテーマになっていた歌の一節を引きます。 「ステークホルダー」にはさまざまな立場の方々がおられますが、なんといっても日々苦楽を共にして悲喜こもごもたくさんの気持ちが湧くのは執行組織の仲間のみなさんです。事業家がその事業運営で「新しい社会のカタチ」を創出しようとするなら、そうした同僚、仲間のみなさんにどんな景色を見せたいと思い描く

        • 固定された記事

        ICT業界でソフトウェア開発事業をするということ

          「申し訳ありません、それはお客様ご自身でしていただくことになっております」

          振り返って、先週は執行従事と情緒に目を向けて書くことが多かったわけですが、今週もまずちょっとそこに触れることから始めさせてください。 一年ほど前だったでしょうか、執行管理権限と権威の違いについて述べている時期がありました。しばらくその話題からは離れていたわけですが、ここ数週「情緒を手懐ける」話し取り上げたことを承けて、また一言、「権威主義的なふるまいは組織(ライン)マネジメントには不要」だということに触れておきたいと思います。 精確を期すなら「必須ではない」と書くべきなのです

          「申し訳ありません、それはお客様ご自身でしていただくことになっております」

          GXによる経済発展の機会

          当地でDXとGXをキーワードにさまざま政策が進められていて企業活動に対しての優遇など関与も行われています。 とくにGXについては、社会的な意義を経済の発展につなげる工夫や努力がとくに重要だというように見えます。 当業界権威の先生のお話しによれば「デジタル(ビット)の転位にかかるエネルギーは、電力の転位の100分の1、電力の転位は物理的転位の100分の1」、先生のこのお話が当業界の動機と行動原理の大きな支えになっているようです。 そうなのでしょうし、そうだと考えて行動して良い

          GXによる経済発展の機会

          感情に流されてませんか

          今日の日記は短文です。 いまさら感のある「幸福論」からですが、あらためて想起したいと思います。 先日も書きましたが、情緒(感情)を手懐(てなず)けることは、いわゆる一人前の社会人(オトナ)の要件だと思うのです。 いまの自分が過剰な悲観主義に陥っていないか、また悲観主義に限らず、例えば往々にしてあるのは業務監督権限である「業務改善指示」に個人的な感情が混在しているなど。なんなら、身振りや声量を見ると、またそのあたりは抑制的でも言葉選びを見れば、業務指示よりも単にご本人の溜飲を

          感情に流されてませんか

          統計、数字にすること

          日々、書き留めておきたいことの生じる量が実際書いている量を上回るので(苦笑)、たびたび「箇条書き」になってしまいます。今日もそうです。 この日記にしばしば「知の巨人」として登場する友人との話から。 当社の属する業界の監督官庁は、その名称が示すように本来は「政府行政のバックオフィス機能」を担う省庁で、なんなら「統計」が専門と言っても良いものです。 件の友人が、この統計を扱う会合にゲストで招かれ話しをしたそうで、そのときの顛末などを聞きました。たいへん興味深い。 その話しを承け

          統計、数字にすること

          空洞

          折々にソフトウェア内製化(体制の準備と維持)に触れています。 先日も二度ほど関連の話題を取り上げました。 一応、受託でのソフトウェア開発も事業内容に含んでいる私たちが「内製」を推奨しているのは矛盾してはいるのですけれども、内製化を進めてもおそらく委託はまったくなくなったりはせずむしろより健全化するものと考えています。(このあたりの筋立てはこちらの日記にたびたび書いているので、ここでは割愛します) 少々気になるのは、同業の「ソフトウェア開発会社」が、いまもオフショアを進めてい

          ていねいに生きよう

          当地は秋晴れです。昨日は暑かったのですが、もうすぐ秋分、さすがに秋を感じます。 週明け、新たな週に臨むにあたって自戒を込めて、何点か箇条書きします。 「自信」を見つけよう。 自信はコトを成し遂げる源泉です。 自己の中に確たるものを築いて、評価を外に依存しない自信をつくりあげよう。 「ていねいに」生きよう。 なにごとも雑にしてしまうと、必ずそこから綻びます。 とくにヒトに向き合うシゴトで雑なことをすればすぐに気づかれます。 のんびりやれ、というのではありません。それも「雑」

          ていねいに生きよう

          胆振東部地震、大停電から6年。私たちは強くなれたか

          今日のニュースで書き留めておきたいのは以下のふたつ。 賃金が上昇していく傾向が持続できると良いなと思います。ぜひ経済全体の好循環に結びついて欲しい。 基本的には通貨は強い方が良いと考えています。賃金が高いことに耐えられる事業、通貨が強いことに耐えられる事業、そういうことが重要だと思っています。 とはいえ、ほんの6週間ほど前でしたか対ドル160円付近だったことを思うと、投機的な方々の…なんと言うか、ある程度の節度は期待したいとは思います。 さて、今日の本題。胆振東部地震か

          胆振東部地震、大停電から6年。私たちは強くなれたか

          「自立性」と「チェーン」

          越境ECについて、とくに「販売目的で利用する(事業者)側」のことを、「事業は何をどこまで自己で負担すべきなのか」という観点で考えてみたいと思います。 https://wisdom.nec.com/ja/series/tanaka/2024031101/index.html#anc-05 越境ECはもう不可欠な存在になっているかと思います。以前であれば「並行輸入」「個人輸入」などと呼ばれた行為が身近なものになり、企業活動や暮らしの多様性を高めました。 当社も研究開発などで少

          「自立性」と「チェーン」

          ある焙煎家の倒産

          かつて行きつけにしていたカフェの事業会社が倒産したと先日知りました。 このカフェで、多くの商談や関係者・支援者との打合せをしました。思い出のあるカフェです。オフィスの近隣ではもっともおいしいコーヒーを淹れるお店でした。 ここから先の記述には多分に私の推測を含みます。「あの」感染症騒動に「よくある話」のフィクションだと思ってくださってかまいません。 90年代後半から郊外で自家焙煎のお店で評判になり2015年に、ナリモノいりでできた札幌駅の駅ビル商業施設に出店されました。おそら

          ある焙煎家の倒産

          DXにソフトウェア内製のポテンシャル

          先日、ここで書いておきたいことのメモを書いてありました。 ここにテーマのひとつとして「経営破綻寸前から、DXを図って、システム開発を内製し、本業の収益がV字回復したうえ開発したシステムの販売が事業に占める割合が5割になった」話を挙げました。 「破綻寸前からV字回復」までのことだとちょっと古い話になるのですが、売上の半分が「自社のソフトウェア商品」という話が先日取り上げられていました。 現状、肌感覚としてはソフトウェアは「外注するもの」というのが日本の経済の一般的な選択な

          DXにソフトウェア内製のポテンシャル

          創出した価値を、積み上げて、再利用するカタチ

          昨日は「防災の日」でした。ポジモ事業を手掛ける私たちにとっては重要な日でしたが、その話題はまたあらためての機会にしたいと思います。 先週参加した地方NOGで地方への企業誘致をテーマにしたセッションがありました。地方NOGでは珍しいことではないのですが、こちらのNOGでは珍しいかなと思います。これを話題にするのは技術者の方々にとって住まう想定の地域での「求人数」は個々人のキャリアプランにとっても重要な指標ということですね。 そして地方自治体の企業誘致はいまたいへん活況なんだそう

          創出した価値を、積み上げて、再利用するカタチ

          台風10号とENOG

          今日は、私が個人的に最強の地方NOGだと思っているENOG(新潟)に参加してきます。 ネットワークオペレーター(狭義の通信事業者)とソフトウェア開発がとても近い距離感で、継続して活発に議論されている場です。 私的には、通信業界でソフトウェア開発業が、企業としても技術者個々人としても持続可能な立ち位置を確立するための情報収集・意見交換が参加動機です。 昨年と同じ位置にいてはいけない、少しでも前進したいものです。業界はどこまで進化したのかも含めて見ておきたいと思います。 と、思

          台風10号とENOG