大石憲且

札幌で1997年からICTソフトウエアエンジニアリングの企業を経営しています。事業経営…

大石憲且

札幌で1997年からICTソフトウエアエンジニアリングの企業を経営しています。事業経営と組織運営についてここに残していこうと思っています。

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ICT業界でソフトウェア開発事業をするということ

二十余年、現職にあってICT業界でソフトウェア開発業を事業にするのはとても難しいと感じます。 なにが、それと、なぜなのか、どう理解し、どう対応すべきか、少しずつ書きためていこうと思います。 IT業界は、古くから、当然に「ソフトウェア開発を専業とする事業体・事業の形」があり、業界エコシステムから採用などの流れ、さらにはマインドセットも存在するように思われます。 が、ICT(通信)業界は少々違う気がします。 ICT業界では「ソフトウェア開発を専業とする事業体」は存在し得るでし

    • IXP開設ラッシュは訪れるか

      書いておきたいことが渋滞しているありさまで、それだけ動きがあって話題があるのは良いことですが、何書きたかったんだっけ?となるのが難点です(笑)。 今日は、先週のニュース。 昨年、でしたか九州(福岡)にIX事業者各社のIXP開設が相次ぎ、業界を賑わせました。活気のある良いニュースで、いつも福岡を「目標にしている」当地では羨望、焦燥の入り混じった感嘆の声が聞かれました。 今年は当地のターンのようです(笑)。 そもそもIX(Internet eXchange)って何か、ですが下

      • 3日目、早くも「事件扱い」で確定した例の件

        紛(まが)りなりにもIT・ICT業界の末席に名を連ねるものとしてこの週末に起こった「事件」について日記に書き留めておかないわけにはいかないでしょう。 まずは備忘録としていくつかのリンクを記しておきます。 すでにWikipediaに独立したタイトルができています。 いくつか論点を記しておきたいと思います。これは今日の段階では私自身のうちに何らかの意見を形作っているものではなくて、むしろそうするべき項目としてのメモです。 1. これは今後もますます増えるであろうクラウドサービス

        • ちゃんと「回せて」いるのか、そのサイクルの「強み」は何か

          事業の核心的な技術・技能が優れていることは、言うまでもなく重要です。 ですが、顧客が「当社に」あるいは「(当社の)事業に」求めていることは、それだけではないことは明らかです。 「よいシゴトができる」組織であるか、ということは、前述の「核心的な技術・技能」の部分「だけ」が質の高い執行をするでは済まされません。 「請負」シゴトであれば、例えば、PDCAのPDさえこなしてしまえば顧客はさしあたり望んだモノゴトは手に入るかもしれません。 こういう例は当社にもしばしばあるのですが、当

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        ICT業界でソフトウェア開発事業をするということ

          自浄作用と淘汰

          先日、「職業観」という単語を持ち出しました。今日は、「会員限定記事」で恐縮ですが、以下の記事を引用して、そのことについてちょっと考えてみたいと思います。 「限定記事」のしかも限定部分を引用してしまうのは、引用元を明記していても問題があるかもしれません。その場合はのちのち該当部分を削除することもあるかもしれませんがご了承ください。 象徴的なところを引用しましたが、ほかにも印象的な発言が記されているので、会員登録などして読んでみると良いと思います。 ここでは「組織の中で"個性

          自浄作用と淘汰

          大脱走時代の兆し

          求人難だと言われています。 職を求める心理であったり、職場というもの、あるいは職業、生業というものの見方は普遍のものではないのです。何が善い何が悪いというものでもありません。 ただそこには選ばれるか選ばれないかということがあるだけです。 選ばれるための最善の努力をしているか、それだけです。 「東京湾岸のタワマン」というアガリのイメージは、「日本」という社会の共通意識を前提にしているように思われます。 引いたこの記事の中で麻布競馬場さんが仰っているように、いわゆるZ世代にはタ

          大脱走時代の兆し

          「フラッグシップ」

          先日開催されたJANOGミーティング(JANOG54)で、セッション数、時間ともにいままでにも増して割り当てられたテーマがNTT法改正(廃止)問題でした。 ここは特筆しておかねばならないと思います。 そのテーマを議論するために通常JANOGミーティングには参加しない層のひとたちが参加していました。JANOGミーティングのプログラム決定プロセスを考えると、発案者が誰かどういう伝手で登壇者を決めたかが目に浮かびます。いまや国政・国策に影響力のあるひとたちが関わったことだろうと思い

          「フラッグシップ」

          「え?いまそれを言う?」

          セールス、に限らずどの職種についてもそうだとは思うのですがスキルと意欲の両輪だなぁと感じます。 モノゴトには「適切な順序」いわば「手筋」がありますよね、と先日同僚に話したら「それがほぼすべてと言っても過言ではないと思います」と。 実際、将棋や囲碁では「目的」を達するために「それぞれの駒や石の目標」は不変であっても、動く順番置かれる順番が違うと詰むものも詰みません。 あえて文字にするのも恥ずかしいような当たり前の話ですが、これがことセールスとなるとできてないこと、多いのではな

          「え?いまそれを言う?」

          戦略・戦術策定、と段取り

          昨日、事業には定義があり市場や顧客の定義と同義だという話を記しました。 社長を筆頭、最高責任者とする執行組織は、事業定義を所与のものとしてまさに「執行する」機関ですが、最上流のシゴトとして執行戦略を策定するシゴトがあります。 戦略ができたなら戦略に基づいて執行戦術を策定する。ここまでのシゴトには「創造性」あるいは創造的成果を出すためのスキル(方法論)を必要とします。また部門横断的、総合的な調整を要するので、創造性の有無に関わらずスペシャリストの関与も必要とするでしょう。 そ

          戦略・戦術策定、と段取り

          理想を思い描き、叶える

          企業には事業定義というものが必ずあります。 事業の定義、とは市場、もしくは顧客の定義ということとほぼ同義です。 (執行局面ではここを独断専行で拡大解釈することがしばしば見られます。そのようなことを予防するために日々事業理念の共有と執行状況の確認が欠かせません) 事業家として執行組織全体にいき渡って欲しいと願うこと、執行組織管理者として最優先のことではないかと思っていることがあります。 「自社事業の、顧客の理想を叶えること」 自社事業の顧客の理想は何でしょうか。 現場では「

          理想を思い描き、叶える

          環境に、手をかける

          この日記は、当社の執行組織に籍を置く方々にはぜひ読んでいただければと思って書いています。きっかけは「感染症対策」でリモートワークを取り入れた「ワークスタイル2.0」が始まったこと、チームとしての一体感をどう維持するかということに、少しでも、ひとつでもできることがあればということでした。 チームに一定の指針を示すことが第一義ですが、良きにつけ悪しきにつけ私からチームメンバーのみなさんに共通の話題を提供することで相互に話をすることができるかな、と期待しています。 余談ですが、ここ

          環境に、手をかける

          「団体」活動

          当社も協賛したJANOGミーティングが盛況裡に終わりました。ホスト、スポンサー、スタッフのみなさん、参加者のみなさんに感謝と敬意を表したいと思います。 JANOGミーティングで、多くの方との対話ができました。出向いたり、ばったり出会ったり、ブースをご訪問くださったり、時間を割いてくださったみなさんにも最大の感謝を申し上げたいと思います。 このコミュニティで私や私たちが一定の存在感、人脈を持てているのは1990年代半ばから15年ほど続けた「北海道地域ネットワーク協議会(NOR

          「団体」活動

          謙虚であることを忘れず

          感染症騒動の直前、千歳で国内最初の新型コロナ患者とされるインバウンド観光客が検知されたときに札幌で開催していたJANOGミーティングをホスティングしていました。 あれが45だったのですから、次の開催で5年になります。早いものです。 いろいろなことがありました。 今回のJANOGミーティングで、とても印象的なことがあります。 ホスティング後、たしか2年程度はフルリモートだったりハイブリッドとはいえ厳しい現地参加規制があったりで、それが明けてから現地に赴くようになってここ数年、存

          謙虚であることを忘れず

          やまとしうるはし

          半年に一度の大会合のため奈良に滞在しています。 高校の修学旅行以来の滞在で、あちこち新鮮な驚きに満ちています。 とくに会場の奈良県コンベンションセンターとその周辺は、古都奈良の文化的な遺産をさらに未来につなげていこうとする意志のようなものが感じられて感心しました。 コンベンションセンターはとても素晴らしい建築なので建築好きの方はもし機会があればぜひ訪れてみたら良いと思います。 そういえば、昨年の長崎もそうでしたが地方都市の会議・宿泊複合施設の開発整備には目を見張るものが多いで

          やまとしうるはし

          続、雑感・雑記

          先日、雑感・雑記を記したばかりですが、今日はメモ。 それぞれのテーマを取り上げていくと、メモすら追いつかない、それくらい「IT」は話題に事欠かないですね。 「当地」はIT・ICTと電力の政策のちぐはぐさをどうするのか…「ヤレヤレ」とばかり言っていないで当事者業界としてしっかり働きかけていかないといけない、のですよね。 先日、欧米中の港湾の自動(無人)化率は98%という話題を書きました。 その分野の取り組みは「無条件」と心得ないと。 「IT」は話題に事欠かない、と述べまし

          続、雑感・雑記

          構造の是正は、弱い立場のものががんばることではないはず

          そういえば先日出席した当社新規加入の業界団体の総会で、資料に添えて「アンケート」がありました。総務省のものとのこと。以前地元で中小企業庁からインタビューを受けたものと同じ「取り引き適正化」に関するものでした。 設問や構成を見ると、「公平公正を期すために、両方から話を聞かなければ」的な、いかにもどこかでみたことのある行政機関のアンケートで、官僚の皆さんのご苦労が察せられます。ですが、もうその段階は済んでいるはずですよね。済んでいるからこそ「適正化」を前提に政策・制度が設定されて

          構造の是正は、弱い立場のものががんばることではないはず