大石憲且

札幌で1997年からICTソフトウエアエンジニアリングの企業を経営しています。事業経営…

大石憲且

札幌で1997年からICTソフトウエアエンジニアリングの企業を経営しています。事業経営と組織運営についてここに残していこうと思っています。

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ICT業界でソフトウェア開発事業をするということ

二十余年、現職にあってICT業界でソフトウェア開発業を事業にするのはとても難しいと感じます。 なにが、それと、なぜなのか、どう理解し、どう対応すべきか、少しずつ書きためていこうと思います。 IT業界は、古くから、当然に「ソフトウェア開発を専業とする事業体・事業の形」があり、業界エコシステムから採用などの流れ、さらにはマインドセットも存在するように思われます。 が、ICT(通信)業界は少々違う気がします。 ICT業界では「ソフトウェア開発を専業とする事業体」は存在し得るでし

    • 共感は連携の基礎。共感スキルを考える

      コシノジュンコさんが東京藝術大学の教授をなさっていたと寡聞にして知りませんでした。先日、おそらく年度末ですよね、最終講義だったそうです。インタビューを見ましたが若々しい。定期的定常的に若いひとたちと接っしているからなんだろうなぁと根拠もなく思っています。実体験として月2回程度でも若い方々の成長に伴走するのはたいへんで、それが数十人ということになればなおさら。コシノジュンコさん84歳、そのエネルギーに敬服です。 若い方、との間に限る話ではありません、ひとと対話するには、とくに

      • 生きていくことと切り離せない「経済」の話

        事業運営、企業経営を担う立場にあって事業環境、経営環境、すなわちそれは社会ということでしょうけれども、そこへ何かしらできるだけの関心を向けるのは責任のひとつというものなのでしょう。 この日記でも、まさに当事者として「クラシカルな資本主義の歪み」を挙げて企業・事業評価尺度の進歩への期待を書いたり、身の丈に合わない大枠で言えば当地北海道の事業環境からいまもある「植民地経済」とそこから抜け出すことについて書いたりしています。 今日は、それらの話題で考えを深めたくなるような「きっかけ

        • 執行組織の「保全」機能

          執行組織には、日々発生する業務を執行する役割と執行組織を保全する役割があります。網羅的な分析の話をするわけではないので「それ以外にもある」といったご指摘は今日はご容赦いただければ。 さて話題を戻して。 上記で挙げた2つの役割のうち後者の役割を意識できているでしょうか。 この「後者の役割(機能)」には「(企業)教育」が含まれます。もしかすると目立つかもしれません。いま企業における教育は岐路に立っている状況なので、うっかりすると「執行組織の保全」まで岐路にあるような誤解を受けかね

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        ICT業界でソフトウェア開発事業をするということ

          敬意の信頼を失わないように

          一度身についてしまった癖、とくに悪癖というのは抜けにくいものなのでしょう。あるいは一を聞いて十を知る、というか李下に冠を正さずというか、ひとつ得た気づきからほかの行動にまで思いを巡らせて矯正する、ということがヒトはなかなかできないものです。 事業とその執行組織は成長するならば大きくなる必要があります。 それは「人数が増え」てほしいということです。人数を増やすためにはいくつかの要素があるのでしょうけれどもつまるところ組織(チーム)に「魅力」を積み増していく、ということだと考え

          敬意の信頼を失わないように

          電力と通信容量限界による処理所在の制約の未来

          気象台の発表によると、当地は桜満開だそうです。 関東東北の名所のようなソメイヨシノの息をのむような光景ではなく、色とりどりの桜のモザイクで慎ましい光景ですが、当地も桜の風景が増えたなぁと思います。 桜の満開は観測史上2番目の早さだそうです。これも温暖化でしょうか。 当業界が温暖化に関係するところだと排熱と電力消費の課題があるかと思います。 根は同じ「電力」からですが、同じ量の情報処理や通信をしたときにできるだけ「排熱」になってしまわないようにすることと、できるだけ使用する電

          電力と通信容量限界による処理所在の制約の未来

          国が客土をするのは国有地?

          報道に「え?」と思ったことがあって記しておきます。 当地の春の風物詩として「客土」が行われている、という報道でした。 地質年代的に泥炭地が拡がっている当地では近代化政策に伴って米作経済への編入が図られましたが、どうやら土地改良の名の下に国策で客土が行われたようなのです。 国策で近代化と開拓を進めていた当時はともかく令和の世で「私有地」に「国(北海道開発局)が客土をしている」という構図はたいへん興味深く思いました。 この「制度」「事業」はいつから始まっているのか、いまはどうい

          国が客土をするのは国有地?

          他人のフトコロに手を突っ込むような行い

          「ゾンビ企業は潰れろ」に中小企業の社長が反論 「みんな安く買い叩くことしか考えてないくせに」 (msn.com) 刺激的な文言を表に出してビューを、インプレを稼ごうというのは「言論を他者に依存すること」とか「プラットフォーマーの社会的責任」とか「企業の社会的責任と、その応分の負担」とか、そういった「シンプルではない」課題の上で表に出る事柄なので、単に「目障りだ」と片付けるわけにもいかないことなのですが、引用した記事の取り上げている内容を考えると、このタイトルは不要なところで

          他人のフトコロに手を突っ込むような行い

          当面業務をこなすだけではないこと

          企業の「執行」に求められていることを、執行に従事するひとすべてに周知し分担して全体として網羅的に取り扱ってもらう責任が執行管理者にはあります。 執行に求められていることの中には「事業モデルの実現」も含まれていると考えられます。これは取締役らとの共同作業の色合いが濃い業務になるかと思いますが、執行の善し悪しがモデル実現の成否を左右するものでもあります。 先日もここで記したように、「モデル」は完成するということはありません。事業体が存続する限り「付加価値の積み増し」をすべくモデ

          当面業務をこなすだけではないこと

          「できない」

          いま私個人や当社がこの姿であるということにたいへん大きな恩恵のあった方がキャリアの区切りを迎えられたということであらためてお話をお聞きしにあがりました。 ぶれない姿勢に触れて、自分の未熟を痛感しました。まだまだ基本的なところでやらねばならないことはあるなと。 それにしても…14年ぶり、だったとは。そんなにごぶさたしてしまっていましたか。なんと不義理なことか。猛省します。 基本的なこと、執行監督の権限と責任について。 これもまた日記として記さねばならない発端があって記すのです

          「できない」

          映し鏡

          当社の執行について、方針は示されているはずなのですがどうも実践が伴っていないように見受けられることがあり、ひとつとても気になっています。 最重要事項のひとつで、執行現場にも最も影響があり切望されていることだと承知しているのですが、執行されない事情は何か、そろそろ尋ねなければならないでしょう。 執行現場の士気を高めて維持するために、現場を最大限信頼する一方、監査することも重要ということですね。執行を阻害している要因を丁寧にひとつひとつ排除して速やかに成果へつなげる、執行管理の責

          あらためて、事業体は価値創造をする組織

          「師匠」を長時間独占してまた問答をしてもらいました。いつもながらたいへん思索が深まったように思います。思索が深まるというのは、自身の中で価値観の確立していないモヤモヤとしたものの輪郭がいくばくかはっきりして評価の形成が一歩でも半歩でも前進すること、ではないかなと思います。今日はそこを起点にいくつかの論点で。 円安が進んでいるわけですが、円安の遠因には国としての経済力の弱さがあるという見方はいまや経済人の共通の見方のようです。経済力の弱さの要因はなんでしょうか。それは一言で片

          あらためて、事業体は価値創造をする組織

          いつか以来の備忘録((n+1)+1)

          今朝は備忘録的なメモ書きで。 まず今日書き留めておかなきゃと思うのは円安。154円台、34年ぶりだそうです。34年前っていつでしたっけ?1990年、湾岸戦争の年でしたか、まだ学生でした。 あのときそんなに円安だったんですねぇ。当時の経済肌感を思うとちょっと意外でした。たしかレギュラーガソリンは2桁円でしたし、ハイオクでも110円くらいだったんじゃなかったかな。それが今週はレギュラーで170円台半ばです。先週から10円ほど値上がりしているようで、これは物流に深刻な打撃がありそう

          いつか以来の備忘録((n+1)+1)

          属人性とワークシェアについては何度でも考える

          業務の「属人性」に係る組織管理の取り組みは正解のないテーマでしょう。したがって注意深い不断の取り組みが求められるものと思います。 先日も少し触れた属人性について、今日も私自身への注意喚起のためにも断片的ですが記しておきます。 バスケットボール、というのはちょっと特殊なスポーツなのかもしれません。いえ、むしろ今日取り上げる視点で言えば「逆」のメジャースポーツ、野球やサッカーの方が特殊なのかもしれませんが、そこは今日の論点ではないので本題に入ります。 「タイムシェア」です。バス

          属人性とワークシェアについては何度でも考える

          勝手に踏み込んで勝手に不満に思うのに…

          考察を深めておいて、実際にそうなったときにどういう態度・対応をとるか自分の中に持っておかないと、と思っていること、もうちょっと率直に言えば「モヤっている」こと。日課で書いているここに書くテーマはいくつもある中、今日この日、ということもあって記しておきます。 知りたいと思われてしまったことと顧客満足。 顧客が「知りたい」と思ったことに、事業者はどこまで対応するか。 顧客が知りたいと思ったことが、機密情報である場合、非公開情報である場合、当然お知らせできない理由を説明してご納得

          勝手に踏み込んで勝手に不満に思うのに…

          組織管理のたいへんさ。気づけば当然のことなのですが

          軍の編成の話を例にもってくるとかえってややこしいかもしれませんが、軍という組織の最小ユニットの管理者に任ぜられる階級に「伍長」というものがあります。 この伍という言葉・字はかなり古くて中国の春秋戦国期、武力を組織化したときにはすでにあったように見受けられます。意味は、文字通り「五人」という意味です。軍という組織の最小ユニットは1から6人、だいたい4人か5人で編成されているようです。その「長」だから伍長。思いのほか「小さい(少ない)」と感じられる方も多いのではないでしょうか。

          組織管理のたいへんさ。気づけば当然のことなのですが