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自殺と他殺

ゆめ、じわりと霞む視界のことば
きみのことばなど、これっぽっちも意味のない、響かずに溶けて消えてゆく
空のいろは無限で、きみもぼくも有限だった
ビルが反射したその光に刺されてしにたいって高校生のゆめの話
ぼくの胸を貫いた矢は、ことばで、表情で、態度で、その心だった
矢で堰きとめられた酸素と血液
ぽこぽこと音を立てていたのは、きっと魂ってやつ

きみを愛していたぶんだけ、
死んだら軽くなるんだよ

愛を数値化、科学は進歩、人々は暮らしやすくなる、ぼくは発明家、歴史の偉人

ぼくのことばなどこれっぽっちも意味のない、響かずに溶けて消えてゆく
新しい風の吹いた匂いを、知ったら不安になるの
未来に光る望みに、嫉妬する

愛を放りなげたつもりのきみは、冷たい空気のように澄んでいて、押しつけた同情に浸って、凍って砕け散った

あいしていたよ、ただ、きみが、信じてくれなかっただけ
あいしていたよ、ただ、ぼくが、信じていなかっただけ

ぼくが死んで軽くなるのは、きみへの愛の重さ

#詩 #現代詩 #愛 #詩人

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